インド初代首相ネルーの著書『インドの発見』のドラマ化。1988年インド製作。1話約
40-60分全53回。(全回タイト
ル一覧表はこちら)。今回は、マウリヤ朝と、同時代の南インド(タミール語圏)のサンガム時代の話。アショカの
話はいまいちだったが、チャンドラグプタとサンガムの話は面白かった。 第11回 チャーナキヤとチャンドラグプタ(1) 43'50" (33440) 若き野心家のチャンドラグプタは、川で沐浴しているマガダ国高官チャーナキヤに弟子にしてほしいと申し込むが、取り合われ ない。チャンドラグプタは、チャーナキアのことを阿 闍梨と呼んでいる。その後、チャーナキアは、宮廷でナンダ朝マガダ国王と口論になり、憮然として装身具を外し出 てゆく。そうして、チャーナキヤはチャンドラグプタのもとにゆくことにする。こうしてマウリヤ朝の宰相チャーナキアが誕生す る。下はナンダ国王の宮廷の様子。左手奥が玉座、右手が入り口で、右手中央の白い服装の人物がチャーナキア。マウリヤ朝の宮 殿は、遺物が殆ど残っていないので、実際どうだったのか判断しがたいところがありますが、一応雰囲気は出ている感じ。 チャンドラグプタが叛乱を起こし、ナンダ王と抗争している頃、マケドニア人アレクサンドロスが軍を率いてインド西部に侵入 してくる。アレクサンドロスはサムラマート(皇帝)とよばれている。以下画像の左端がナンダ国王、その右がアレクサンドロ ス、その右がチャーナキア、その右がチャンドラグプタ。 アレクサンドロスとバラモンたちの会談が行なわれ、その後、アレクサンドロスと単独会見したチャーナキヤはチャンドラグプ タという有望有徳の人物のことを話す。 右下が、番組冒頭で、川辺でチャーナキアを参謀に招くチャンドラグプタ。左下
は、西部インドを征服したアレクサンドロスが、配下となったインド人バラモン達と会議をしているところ。
セレウコス・ニカトールの娘とチャンドラグプタが結婚することになる。この交渉をアレクサンドロスチャーナキヤがまとめ る。 アレキサンドロスの死後、タキシタ(現パキスタンの首都ラホール付近)に軍を送ることにするチャーナキヤとチャンドラグプタ。チャントダグプタとチャーナ キアのインド統一は一歩一歩進む。 一方その頃インド東部マガダ国の宮廷ではナンダ国王は舞踊に見入ってりた。そこで踊を舞ったチャンドラグプタの恋人スヴァ シニ(Suvasini)はナンダ王に見初められてしまう。スヴァシニの父親である大臣シャカタラが娘を王に嫁がせることに 反対したところ、父親は投獄されてしまう。強制的に側室にさせられるスヴァシニ。しかし娘が王妃となったことでシャカタラは 解放される。左下は、諸侯と同盟の会盟を持つチャーナキアとチャンドラグプタ。右下は王妃となったスヴァシニとナンダ王。王 妃が貝葉製の手紙を読んで いることがわかる。ナンダ王はサムラージ(皇帝)ともマハーラージ(大王)とも呼ばれている。 この王冠のデザインがきになります。本当にこうだったのでしょうか。古代インド国王の肖像や彫像が残っていないのが残念で す。左が諸侯のひとり、右がチャンドラグプタ。 第12回 チャーナキヤとチャンドラグプタ(2) 47'59" (14640) チャンドラとチャーナキヤのところに釈放されたシャカタラがやってくる。マウリヤ軍とその同盟諸侯軍とナンダ王との決戦と なるが、何故かナンダ王側で指令を出しているのは王妃のもよう。国王頼りない。若い大臣ラークシャサも王妃に使われて いる。マウリヤ軍に敗北したナンダ王は、密かに脱出しようとしたろころ、射殺されてしまう。国王の遺体を荼毘に付すラークシャサと王妃。ラークシャサはマ ウリヤ軍への復讐を誓う。 前国王の息子を新国王に即位させ、ラークシャサは宰相となる。 以下左は王妃とその父シャカタラ。王妃は、いつの間にかマガダ国守旧派となってしまっていた。父に、皇帝(この場合チャン ドラグプタのこと)に帰順するよう説得されても、「それは一体どの皇帝(サムラマート)のことなの」と手厳しい。王妃は寡婦 装束。チャンドラグプタとチャーナキヤは不和の演出する。計略である。右下は宰相ラークシャサ(左)と新国王(右)。 チャンドラグプタとチャーナキアの不和は計略だが、ラークシャサはこれに引っかかり、宮殿を後にし逃亡しようとしている チャーアキア(これは計略)を少数の部隊を率いて捕縛に向かい、逆に捉えられてしまうのだった。チャーナキアや、ラークシャ サの若さと有能を認め、老齢に達した自らの後継者と恃んでいたのだった。ラークシャサを説得し、宮廷に迎えたチャーナキヤは 去ってゆく。こうしてナンダ朝は滅び、マガダ国はマウリヤ朝の支配するところとなった。 ある日、チャンドラグプタは出家して比丘尼となった前王妃・元恋人のスヴァシニのに会いに仏教僧院に赴く。スヴァシニは僧 院の保護をチャンドラに申し出る。右下がその僧院。手前に立っているのがチャンドラグプタ。左下はマウリヤ朝宮廷。 最後はチャンドラグプタも出家してスヴァシニのいる僧院にはいる。 第13回 アショカ(1) 41'41" (26538) 冒頭、タキシラ王国(現パキスタンの首都ラホール近郊)の宮廷が映る(以下の画像)。マハーラージと呼ばれている人はタキ シラ王。この回は、王子アショカがタキシラ王国を併合し、兄弟との抗争にも勝ってマウリヤ朝の国王に即位するまでが描かれ る。 以下左側がアショカ王子。その右は王子の弟、その右はタキシラ王。最初こちらの人がアショカ王だと思っていた。イメージが少 し違う。。。。右下画像が臨終の床のアショカ王の父ビンドゥサーラ王(在293頃-268年頃)。王子アショカは、ビンドゥ サーラ王を激怒させるようなことをいって、激昂したビンドゥーサラはそのまま死去してしまう。 その後アショカ王はタキシラ王をを暗殺して即位する。下左がアショカ王と王妃。右は条約締結かなにかを行なった建築物。ア ショカ夫妻が座っている。 第14回 アショカ(2) 51'52" (26985) ウジャインから仏教の僧侶がやってくる。末弟王子ティッサは、歓楽の日々に倦んでいた。遂には、王子の王冠をアショカに預 けて出家してしまう。 一方アショカは強大な国王としてマガダ国の拡張を進めていた。東インド海岸にあった強大な王国カリンガに軍隊を差し向け、 虐殺を行い併合する。このカリンガ戦争の場面は夜間炎が燃える場面にアショカのシルエットが浮かび上がるだけ。戦争から戻っ たアショカは、山の中の僧 院をたずね弟ティサにあいにゆく。アジャンターと思われる遺跡がロケに使われている。ここでアショカは僧侶姿となり、数日か数週間か、しばらくティッサと 放浪した後、家臣が迎 えに来て国王の勤めに戻る。 第15回 サンガム時代(1) 50'24" (12352) この回と次の回は続き物で、南インドの古代タミル文学の時代の文学作品群(サンガムと総称する)の作品のひとつを描く。マ ウリヤ時代から後3世紀頃の南インドの時代の映像というところが(私にとって)重要。 南インドの田舎村。恋人たちの結婚式から開始。しかし結婚後、夫は遊女マダビに入れあげ、遊女の館に出入りするようになっ てしまう。この回の見所は、遊女の館の映像と、館での過ごし方でしょうか。遊女の歌をきき(右下)、すごろくに興じる(左 下)。なんというか、近所のカラオケスナックバーという雰囲気でした。 最終的に夫は破産し、遊女から足を洗い、夫婦二人でひとはたあげようと都市マドライに向かうところで前半終了。以下は、遊 女や夫が紙らしきものを読んでいるところ。貝葉にしては大きいので、獣皮紙かも知れない。 第16回 サンガム時代(2) 50'24" (7540) 若夫婦がマドライに向かう道中が描かれる。道中それ程危険も無くマドライの町に着くが、実は都会の方が危険なのだった。 以下はマドライの町の門。古代の壁画や遺跡に残っているような門。 マドライ市街(下右)とマドライの中心にある王宮。
生活費を捻出するため、宝石屋に妻のアンクレットを売りに行くが、そのアンクレットは、最近盗まれた王妃のアンクレットに 似ていたことから、鑑定をたのんだ宝石商に通報されてしまう。夫は、連行しにきた衛兵に抵抗し、槍で刺されて死んでしまうの だった(以下は宮廷での演劇の様子。左画像左手が玉座)。 恋人の死を知った妻は、町の鐘楼を打ち鳴らし、集まった町の人びとに訴える。そうしてついに、宮廷に訴え出て冤罪を証明す るが、それで妻の怒りは収まらず、最後には、妻が町を呪うと、町に雷が落ち、人々は町から逃げ出す。繁栄を誇ったマドライの 町は廃墟となるのだった。 IMDbのドラマ紹介は こちら |