今回漢代を始めとする秦代〜6世紀くらいに渡る遺跡一覧を作成してみました。そのうち漢代のものは約170くらいあります。 しかし実際には都城遺跡で200くらいが発見されており、墳墓になると2000以上発見されているそうです。調べてみると「意外にあるな」という感じでしたが、やはりローマ遺跡ほどには目を引く壮大な遺構があるわけではない ということが再確認されました。 漢代の遺跡は概ね以下の種類に分かれるようです。
1.都城遺跡 | 版築工法(土をつき固めて土塁を作り 表面を石などで覆う)で作成された城壁や城壁の土台の遺構。都市遺構とよべるものは殆ど無く、土塁の城壁が残る遺跡が殆どのよう。 |
2.墳墓 | 墳墓は相当数が発見されていて、当時の遺物が多数出土している。洛陽古墓博物館では漢代の墓が22基移築して復元されていて見学には適しているようである。 |
3.石刻画像 | 殆ど墳墓の中の壁画などで残るパターンが多い。 後漢時代になると当時の町の風景などが残されており、当時の風景を知る為の非常に貴重な情報源となっている。これも南陽漢画像石館に多く収蔵されていてまとめて見学するのに適しているようである。 |
4.西域の遺跡 | 都城、要塞、長城遺跡など、土の建築物が乾燥した気候の為残されている。 |
珍しい遺跡では 広州の造船所遺跡や四川省の石闕(大邸宅の門の両側に立っていた楼閣のようなもの)がありました。代表的な遺跡としては以下のものが上げられると思います。
1.始皇帝兵馬俑 | 古代中国においてギリシャ・ローマに唯一匹敵できる遺跡ではないだろうか。 |
2.交河古城・高昌古城 | 漢代、車師前王国などの西域国家、要塞の遺跡 |
3.長城 | 陽関、函谷関、烽火台、基地などの遺跡 |
漢代の遺跡が多いのは河南省と新疆ウイグル自治区、続いて河北、陜西省、山東省となりました。河南省と新疆以外で見れない遺跡は殆どないので、この2省を訪問すれば漢代の遺跡はだいたい見れることになるのではないでしょうか。ここ以外でしか見れないものとなると始皇帝兵馬俑、漢長安城遺構くらいのように思います。