フォルドゥシー「シャーナーメ」または「王書」は黒柳恒夫、及び岡田恵美子訳の2種類の邦訳が出ています。しかし、どちらも全訳ではなく、全体の前半
3/5に相当する部分の、更に抄訳となっています。フィルドゥシーの「シャーナーメ」は、実は結構な大作で、英訳だと、9冊にもなっています。そこで、英
訳版の目次と巻割を簡単に紹介し、ご興味のある方の便宜を図りたい、ということが、今回の記事の目的です。
英訳版は1種類、それも1925年に翻訳されたものが、2000年に復刻されたものが出ているだけのようです。Routledgeというロンドンの書店
から出ている版が全訳であり、それ以外の「シャーナーメ」との題名をもる書籍は、抄訳か、部分訳版となります。ラストの第9巻に全体の目次が掲載されてい
て、その目次だけでも37ページに及ぶため、ここでは、目次の大項目と中項目までを記載します。小目次は、数ページ毎にあるため、小目次まで書くと、どち
らかというと粗筋になってしまう観があります。
第1巻目次
プレリュード
THE BEGINING OF THE HISTORY : THE PISHDADIAN DYNASTY
(歴史のはじまり。第1王朝 ピシュダディー王朝)
GAIUMART(最初の人間ガヨーマルト)
HUSHANG
TAHMURAS
JAMUSHID(ジャムシード王。英雄王)
ZAHHAK(ザーハック王。悪王)
FARIDUN(英雄ファリードゥーン)
MINUCHIHR
NADUR
ZAV
GARSHASP
第2巻
THE KAIANIAN DYNASTY (第2王朝カイ王朝)
KAI KUBARD(カイ・クバート王)
KAI KAUS(カイ・カーウス王)(384ページ)
The War with
Mazandaran
The
Seven Courses of Rustam
The Doings of
Kai Kaus in the Land
The
Story of the fight of the Seven Warriors
Suhrab
The Story of
Siyawush
How Rustam
avenged Siyawush and how Giv brought Kai Khusrau to Iran
第3巻
Kai
Khusrau(カイ・ホスロー王)(356ページ+第4巻302ページ、合計658ページ)
How Kai
Khusrau to avenge Siyawush,sent a Host against Truan
The Story of
Farud the Son of Siyawush
The Story of
Kamus of Kashan
The Story of
Rustam and the Khan of chin
The Story of
the fight of Rustam with the Div Akwan
The Story of
Bizhan and Manizha
第4巻
The Battle of
the Twelve Rukhs
The Great Wat
of Kai Khusrau with Afrasiyab
Luhrasp
第5巻
Gushtasp(ウィシュタスパ。ゾロアスターを保護したバクトリア王)(253ページ)
The Coming of
Zaraduhsht and the War
The Story of
the Seven Stages
The Seven
Stages of Asfandiyar
The Story of
Asfandiyar Fight with Rustam
The Story of
Rustam and Shaghad
Bahman , Son of Asfandiyar
Humai
第6巻
Darab(14ページ) いわゆるダリウス1世とされるが、史実はあとかたもない。
Darab , Son of
Darab(51ページ) ダリウス3世。
Sikandar(122ページ) アレクサンダー。ダリウス3世の息子ということになっている。
THE ASHKANIAN DYNASTY
(パルティア時代のパート。51ページしかない。しかも48ページはパーパクとサーサーンの物語。実質パルティア時代は3ページ程度)
THE SASANIAN DINASTY
Ardashir,Papakan (37ページ)
Shapur , Son of
Ardashir(7ページ)
Urmuzd, Son of Hapur(5ページ)
Bahram , Son of
urmuzd(4ページ)
Bahram, Son of Bahram(4ページ)
Bahram,Bahramiyan(2ページ)
Narsi, Son of Bahram(3ページ)
Urmuzd,Son of Narsi(10ページ)
Sharpur,Son of Urmuzd ,
surnamed Zul Aktaf(35ページ)
Ardashir , Brother of
Shapur(2ページ)
Shapur , Son of
Shapur(3ページ)
Bahram, Son of Shapur(6ページ)
Yazdagird, Son of
Shapur(39ページ)
第7巻
Bahram Gur(147ページ)
Yazdagird , Son of Bafram
Gur(3ページ)
Hurmuz(4ページ)
Piruz(10ページ)
Balash(17ページ)
Kubad , Son of Piruz(32ページ)
Nushirwan(213ページ)
Nushirwan's
Administration of the Realm , his Wars with Froutier - Tribes and wirh
Rum , and the Revolt of Nushzad
The Story of
Buzurjmihr abd the Seven Banquet of Nushirwan
The Story of
the Mahbud and other
The
interoduction of the Game of Chess into Iran. The Legend of the
Invention of the Game. The Discovery of the Book Kalila and Dimra.
第8巻
Nushirwan(73ページ)
The Fall and
Restoration to Favour of Buzurjmihr and the Wisdom of Nushirwan
The Shah's
Last Years
Hurmuzd , Son of
Nushirwan(107ページ)
Khusrau , Parwiz(186ページ)
The Story of Khusrau
Parwiz and Shirin (41ページ)
第9巻
Kubad(commonly called
Shirwi) (36ページ)
Ardashir, Son of
Shirwi(7ページ)
Guraz also called
Faryin(5ページ)
Purandukht(3ページ)
Azarmdukht(2ぺージ)
Farrukhzad(9ページ)
Yadzagird(52ページ)
第9巻の後半は、目次、索引など。8冊ちょいのうち、ササン朝が占めるのは6巻の初めの方から9巻の初めまでの約3冊分ということになります。全体を通じ
て一番長いのが、カイ・ホスロー王のパート658ページもあり最長。ただし英雄ルスタムと、トゥーラーンとの抗争を扱っています。ササン朝で一番長いの
は、ホスロー1世の部分で286ページ。ついで、ウィシュタースパの253ページ、続いて、ホスロー2世の227ページ、バフラーム5世の147ページ、
アレクサンダーの122ページ、ホルミズド4世の107ページと続きます。
というわけで、参考になりましたでしょうか? この本は約190ドルと高額なため、購入する時のご参考にされるといいかと思います。
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