1.共和制時代の帝国統治方法 特徴:海外占領行政、市民権差別政策、元老院統治 総督派遣 2.前期ローマ帝国(元首政時代)の帝国統治方法 特徴:共和政制度(元老院統治制度)の擬制化、市民権差別政策 共和制の組織と権限、職務を利用。 1)共和制擬制統治 皇帝は元老院議員である。共和制の職務を皇帝が兼任する。 皇帝は直属の配下に騎士階級の利用を開始する。皇帝管轄属州へ派遣する属州官吏は、元老院議員+騎士階級から次第に騎士階級を 次第に増やす方向で皇帝統治範囲を拡大する。 皇帝管轄属州は軍団が配備され、総督は軍団司令官を兼任。 ■元老院議員官職に昇進すると元老院議員となるエクティス出現、元老院属州の総督代理エクティス 2)市民権差別化政策 ローマ市民権、ラテン市民権、イタリア権、属州自由民(自治都市市民)、奴隷 ローマ市以外のイタリア出身元老院議員の登場→ガリア出身議員の登場(カエサル)■、クラウディウス時代、 イタリア出身皇帝の登場(ヴェスパシアヌス?■)、ヒスパニア出身皇帝の登場(トラヤヌス−マルクス・アウレリウス)、 、カエサルがシチリアとガッリア・トランサルピーナ(ガッリア・ナルボネンスィス)の属州民すべ てにラテン市民権を授与し 出典Wiki ラテン権 ウェスパシアヌス帝による全ヒスパニア都市へのラテン権付与((本村、バエディカ) 植民都市、自治都市(ムニキピウム)、 3)財政 属州ごとに異なっていたと思われるが、不明■ ※エクィティス英語版読むこと 3.後期ローマ帝国の帝国統治 特徴:皇帝官房の帝国統治組織化、市民権差別終了、元老院議員階級と騎士階級の爵位差別化 1)皇帝官房の政府化 元老院議員ではない皇帝の出現(騎士階級出身マクリヌス(在217-218年))、定着(238年?) 皇帝官房=皇帝政府化 属州総督の権限縮小(属州を2倍に分割し、個々の属州の規模縮小)、元老院属州総督のエクティス化?■ 、属州総督■プラエセ ス(praeses)=エクティス階級?が総督に任命されることになった。 管区代官(ウィカリウス) 1−1)軍民分離 ディオクレティアヌス以降、4分割統治に合わせて4地域毎に軍民官が分離 (いづれもディオクレティアヌス時代に一挙に変更されたものではなく、3世紀末−4世紀にかけて成立した) 1−1−1) 管区長官、道長官という皇帝直轄地方統治文官官職の出現 道長官は、元首政時代の近衛長官の後継(プラエフェクトゥス・プラエトリオ) 。基本は、 皇帝任命役人(エクティス)の元老院職務の蚕食の延長線上にある点では元首政時代からの継続現象。コンスタンティヌ スにより、近衛隊は廃止され、近衛長官は文官専業となった。 属州 Provincia 管区 Dioecesis 道Praefectura 1−1−2) それぞれの領域に軍団司令官(マギステル・ミリトゥム)が成立し、各軍団は彼の傘下に入る。 2)爵位差別化政策 元老院爵位 consistriani イッルストゥレース級(vir illustris )略称V.I ギリシア語 Λαμπρότατος スペクタビレース級(vir spectabiles),略称 V.S クラリッシムス級(clarissimus vir/略称V.C)ギリシア語 λαμπρότατος ενδοξότατος) 豊田浩志氏は公爵(キリスト教の発展とローマ帝国 南窓社、1994年(p80) 騎士階級爵位 ペルフェクティッシムス級(vir perfectissimus)略称 V.P ギリシア語διασημοτατος(伯爵) エミネンティッシムス級(vir eminentissimus)略称 E.V ギリシア語 εξοχώτατος (侯爵) エグレギウス級(vir egregius)略称 V.E ギリシア語 κρατιστος(子爵) ■コンスタンティヌスによる元老院増員→ガリア人中心? ガリアではセナトール貴族化、コンスタンティノープルでは帝国官僚化?■ ガリアでは上昇志向が減退した■なぜ?世襲官職貴族化? 3)地方都市の帝国政府への直属化 都市監督官 4)財政 十分の一税は、相続税、贈与税など■カラカラ帝時代以降(岩波史料集)それまで二十分の一。 4.キリスト教帝国化 聖職者の役人化 『古典古代とパトロネジ』 p150 「452年と511年までのガリア年代記」 「ヒスパニア司教イシドールス「615年までの大年代記」7世紀前半 以上どちらも検索にヒットしない パトロネジ研究 1936年「元首せいの生成と本質」 ドイツ フォン・プレマーシュタイン 元首政のパトロネジ(英語)・パトロキニウム(ラ テン語)(意味は、授与するもの、権利の名) 1982 サラー「帝政初期における個人的パトロネジ」 3世紀までの個人間のパトロネジ 1987 ガーンジー・サラー共著 参考 M・ヘンゲル「古代教会における財産と富」(1989年教文館) ハルマンド『帝政パトロン論』 1957年 Harmmand ■ ホイリスティッシュ? 1.都市の公的パトロキニウム(1000以上の碑文) 2.私的団体のパトロキニウム 3.個人的パトロキニウム イタリア以外では属州総督が任期後都市のパトロンとなっている(p223) プリニウスのパトロン(4.1-4.6) ・元老院議員のパトロン ・都市名望家のパトロン 事例 (1) 223年のカヌシウムの参事会名簿 -名簿の注記にパトロンとある。 延べ164名、うちパトロンは39名。 元老院議員身分31名)、騎士身分のパトロン8名(都市パトロン&参事会員) (@更に上位5名と(ローマ市長官や総督経験者)それ以外5名(都市パトロン&参事会員) Aクインケナリウス級(検索なし)(都市パトロン&参事会員) B元老院議員身分4人と騎士身分1人 合計5名。この10名は、カヌシウム近くの都市出身 (2)バエディカのマラカ法(81-83年) 都市パトロンの選任は参事会決議が必要 (3)タキトゥス「ヒストリエ」I−4−3 「大家門と結ぶ者が正しき国民」 有力者エリートをパトロンとする民衆をウルグス(vulgus)、トゥルバ(turba)(騒々しい)、ムルティトゥード (multitudo(無数の)と呼んだ(p287)→出典不明・同じところか?1-4-3? (4)村落パトロネジ →皇帝による禁令(渡辺金一 社会経済史研究) 反して官職パトロネジが興隆したので、法制化された。司 教がパトロンとなった(p295) 松本宣郎 「帝政ローマの期ローマの民衆とエリート(西洋史研究)17輯 1988 渡辺金一 「ビザンツモデル再分配社会再論」地中海論集12、1989年 Jones (1964), 142-3; Näf (1995), 20; P. Heather 'Senatorial Careers', in The Cambridge Ancient History XIII (1998), 188-91. |