他のサイトからの転載ですが、古代のローマと中国のサイコロの遺物写真を集めてみました。 最初のこれは古代ローマのもの。Hixenbaugh Ancient Artというサイトの「Pair of Roman Bone Dice」の記事から勝手に引用させてい ただきました。前1-後4世紀のものとのこと。これに限らず、古代ローマのサイコロ遺物の画像は比較的容易に検索できます。 現在発見されている古代中国の最古サイコロは、山東省の戦国時代の斉国の墓から出土したものとのことで、14面体で漢字一二三四 五六の数字が二組刻印され ているとのこと(山东青州战国齐墓出土骰子で検索すると説明が検索できます)。残念ながら画像は見つからなかったのですが、秦始 皇帝陵墓から発掘された画 像を見つけました。下左は:東方収蔵というサイトの「秦始皇陵出土文物精品」の記事から転載しました。14面体です。こちらのサイトにもう少し大きな画像があります。 下右は前漢代のサイコロの遺物。販売サイト博宝拍卖网の「西汉 十八面镂空行酒令博茕(骰子)」から転載しました。18面体です。ホテルの オークションで53760元(約80万円)で落札されたとのこと。 また、以下の二つは山東省の山東淄博市博物館のサイトの展示品画像。漢代斉国の王の墓から出土した銅製サイコロ。左 の画像はこちらから転載。右 の画像はこちらから転載(铜骰子,临淄汉代齐王墓出土,山东淄博市博物馆)。 他に漢代のサイコロ遺物として以下の画像を見つけました。右が「极少见的汉代的红陶骰子」との説明がある画像掲載サイトのもの (こちらに異なった角度からの画像多数あり)。収蔵博物館が記載されていないので偽 物の可能性もあります(個人的には真贋確率は2:8というところでしょうか)。中央のものは「漢代骰子」とだけ説明のある画像掲 載サイトのもの(こちら)。これは偽物だと思います(理由は後述)。左側は「汉代错金银镶嵌松石十 八面行酒令骰子」との説明のある画像掲載サイトのもの(こちらから転載)。これも9割方の確立で偽物のような気がします(或いはもっと時 代が下って10世紀以降とか)。 中国の従来の通説では、曹操の息子で詩人の曹植(192-232年)がサイコロを発明したとされていたとのことですが、遺物の出 土で通説が変わったとのこ と。東晋時代の磁器の正六面体のサイコロがあるらしいのですが、画像を見つけることはできませんでした(このあたりの薀蓄は「各国骰子的来源」から得ました)。 唐代のサイコロ遺物の画像は二つ見つけました。左の画像は個人のブログ(こちらの陝西歷史博物館訪問記)から拝借したものですが、札に陝西省考古研究院蔵 鳳翔県棉績厰唐墓出土と書いてあるので本物だと思います。右はこちらの オークションサイトで100元(1500円くらい)で出ているので、本物だとしても良くて伝世品というところでしょ うか。 ところで、古代中国のサイコロを検索すると、以下の画像が結構ヒットします(下の画像はこちらのオークションサイトから転載したもの)。 説明文に「我收藏有一颗“战”“汉”时代的青铜“骰子”」と書かれていますが、中国語で”古代”は、辛亥革命以前の全ての時代を 指す言葉です。上述のよう に、中国の正六面体のサイコロ遺物は晋代のものが最古である可能性があり、晋から唐代にかけて一般化していったとのことなので、 以下の遺物はもっと時代が 下って清代あたりのものなのでないかと思います。 ついでに古代インドのサイコロも調べてみました。モヘンジョダロ博物館に展示されているとのころで、日本語で"モヘンジョダロ サイコロ"で幾つかヒットするので確認は容易です。以下の画像はBBCの教育番組のサイトから拝借しました(リンク先のPhoto)をクリックす ると出てきます)。 インダス文明にサイコロがあったからといって、ガンジス川流域のマウリヤ朝からグプタ朝に到る古代インドサイコロにあったかと は限らないので念のためマウリヤ朝とグプタ朝のサイコロ遺物を検索してみましたが出てきませんでした。タキシラ遺跡でサイコロが 発見されているという記事も見かけましたが画像は無し。ISA(インド 考古学年報:Archaeological Survey of India)を丹念に読めば出てくるかも知れませ んが、まあなんとなく予想通り。メジャーな時代の情報は豊富にあるけどマイナーな時代の情報はなかなか見つかりませんね。。。。 一応古代ペルシア、古代メソポタミア、古代エジプトも探してみましたが、古代エジプトのものさえ見つからないのは残念です。一応こちらのサイトに2世紀のペルシアの遺物と称する画像とプトレマイオス朝の遺 物と称する画像が掲載されているのですが、出土地や収蔵機関の情報が無いので信憑性は低そうです。こちらには、 紀元前600-800年との、どの記事からもリンクが無い画像がWikiに掲載されています。これは収蔵機関が記載されていて Swiss Museum of Gamesとあるのですが、スイスゲーム博物館のサイトには情報が全く無いので、これも参考以上の情報にならないのが残念です。 今回見つからなかった時代・地域のものも、信頼性の高い情報が見つかったら追記していきたいと思います。しかし、全体的にサイ コロの形状の発達と地域の特徴がなんとなくイメージできるようにはなりました。 |