第二十六話から二十九話はスタッフも疲れが出たのか、若干中だるみも感じられましたが、最後
の第三十話はドラマ全体を締める出来栄えとなっていました。本ドラマ全体を通して、アブー・ムスリムとその妻の別れの場面・ラフ
マンとバドルがジブラルタルの海を見て歓喜に浸る場面で終わる第十七話、そして第三十話の二本は、特にお奨めです。
第二十五話
一人の男がある村にやってくる。村に入ったところで親子に話しかけられる。金袋をもらうが、何か仕事を請けたのだろうか。一方
ラフマンは城を攻めている(地名テロップは出ない)。
城内の司令官は鞘を折る。兵士も一斉に剣を抜き鞘を追って総攻撃に出る。今回のラフマン自ら敵将を倒し、捕虜になにやら説教す
る。そして以上!といって去
る時、バドルが止めに入るので、処刑などの重刑の軽量にあったのかも知れない。しかし聞かないラフマン。宮廷に戻るとウスマーン
とアブドッラーの二人組か
らも抗議を受ける。この頃の重臣たち。左から、ラフマン逃亡時代カイロワンでラフマンを助けた人物、一人置いてラフマンの半島上
陸時からの協力者の二人組
アブー・ウスマーン、その右アブドッラー・イブン・ハーリド、一人置いてバドル。この四名が御前会議常連の重臣ということらし
い。
右画像は玉座(正確には総督府の座)のラフマン。また少し右目の瞼が落ちてきている。椅子にクッションが。少し豪奢な感じに
なってきている。
冒頭の青年はセイディ(尊称としての”先生”的ニュアンスの呼称)と呼ばれていて少年たちに青空教室で文字とコーランの読誦を教
えていた。冒頭でもらった
金袋は講師代ということなのだろう。今回の敵対地はどこだか不明(セビリャの模様。ベルベル人部隊が協力している)だが、アブ
ドゥッラー・イブン・ハーリ
ドが使者に出る。とりあえずセビリャ代官(半島上陸時海岸でラフマンを向かえた人物)はラフマンの宮廷に出廷する。最初から暗殺
を意識していたのか、侍女
がお茶を持ってきたお盆の下にナイフを隠していて、それをラフマンに渡した瞬間、セビリャ代官がナイフを切りつけてくる。一瞬早
く相手を刺し殺すラフマ
ン。城外でコルドバを威圧していたセビーリャ・ベルベル軍は、バドルが出てくると将を討ち取られたこともあり、恐れをなして引き
上げるのだった(史実では セビーリャ軍閥鎮圧は774年とのこと)。
ラフマン夫人がついだ水で手をゴシゴシ洗うラフマン。先程の暗殺を気にしているのだろう。
バドルの家は宮殿内にある(家というより宮殿内の一角に数部屋を占めている)。庭を歩く役人の姿が見えている。
宮殿のバルコニー。
宮殿の中庭。
今回のラフマンの措置にも不満を妻に口にするバドル。アブドゥッラーもウスマンと不満を会話していて、その後ラフマンに直接ア
ブドゥッラーが不満を言いにくる。ジハードを口にするラフマン。
その後庭を歩くラフマンとバドル。バドルはかつての口笛を吹いてみせるのだった。しかしラフマンは苦笑いしただけで終わる。バ
ドルは逃亡生活時代を思い出させようとし、ラフマンにとっては過去のものになりつつあることを象徴する場面。
冒頭の先生。ある女性を見初めたようだ。井戸で水を汲んでいるところ、娘に近づいて顔をじっと見るのだった。女の家が映る。ベ
ルベル人の家の模様。これは外側で、中庭がある四角いつくりのよう。先生の家の外にベルベル人の人々が押しかけている。
これが先生が部屋を間借りしている家と、先生の部屋。
この先生は何者なのか−。
第二十六話
バドルはトレドに向けて使者に出る。今回奥さんが心配して止めている。道中で昔なじみヤフヤー(イベリア半島上陸時に最初にバド
ルが旅を一緒にした人)を
訪問する。ヤフヤーは農地経営をしているようなので、以下はヤフヤーの館の中庭か、あるいは村の中心広場かも知れない。その広場
でヤフヤーとバドル歓談。
続いてキリスト教王王宮登場。王はアストゥリアス王フルエラ一世(在757-68年)のようだ(会話にフルエラと出てきた)。
フルエラ一世と家臣が軍勢を率いてバドルの軍営に出向いて会談。左端のピンクがフルエラ一世。
フルエラ王は宮殿に戻って家臣が議論。バドルとフルエラとの交渉は何日にも渡って続く。続いてラフマンとフルエラ王の家臣の協
議。ここで陰謀が計画され
る。アストゥリアス王国フルエラ王は、終に家臣に宮殿内で刺殺されるのだった(768年)。以下はフルエラの娘アドシンダとその
夫のシロの模様。
ルサーファのナツメヤシの木を息子アブドッラーと見るラフマン。この場面が、マンスールの顔にオーバーラップし、マンスールの
宮廷に場面が切り替わるところは印象的。
マンスールの宮廷は前回の宮廷と同じ。まだバグダードでは無いと思われる。ここで例の「クライシュ族の鷹」という台詞が出てく
る。マンスールが、「クライ
シュ族の鷹と呼ばれるに相応しい人物」について家臣に尋ねたところ、家臣は「ムアウィアですか?」「マルワーンの息子アブドゥル
マリクですか」と挙げる
が、マンスールは、「いや。クライシュ族の鷹とはアブド・アッラフマーン・ブン・ムアウィア(ラフマンの事)であろう」と答えた
という逸話。
先生のところに、惚れた娘(アーイシャ)の父親が訪ねて来る。しかし何やら話はエスカレーション。娘が家で泣いている場面が出
て来るので、縁談を先生は断ったのだろう(以下村の中心部)。
夜村ではお祭り。ベルベル人・ダンス。先生もついつい興味をもって祭りにを見に出てきてしまう。先生はそこで誰かを見つける。仇
でも見つけたように鋭い視
線を浴びせるのだった。父親はそれを見ていて、その男の隣に行く。男は祭りの踊り子に誘われて馬に乗るが落馬してしまう。翌日父
親はまた先生を訪ねる。婚
姻行列。結局娘の縁談はまとまったようだ。先生のうちに来る。言葉を交わしたことも無いままに結婚してしまうのだろうか?いや、
映像には出ていないけど会
話していたのかも知れない。次の場面では、民衆に説教している先生は恐らく初めて名を名乗る。シュクナー。この先生は、アブド・
アッラフマーン治世後半の 大きな事件を起こしたシュクナーだった。
第二十七話
シュクナーはシーア派の人のようである。人々に何か証拠書
類のようなものを見せる。シェイフ・シュクナーの書類はムハンマドの娘ファーティマの子孫ということの証明なのだろう(シーア派
だから)。768年、シュ
クナーは北東アンダルス(イベリア半島北東部)で反乱を起こす。北東アンダルス地方のシャンタバリーヤ砦に入り、占領した砦の侍
女を集めて部下に与える シュクナー。
美女を侍らせ宴会三昧。酒まで飲んじゃう先生。早くも堕落。前回までは清貧な聖者という感じだったのに。。。。
シュクナー軍はマフィバー・マルターの町に入り、そこの代官邸宅に部下とともに忍び込んで殺害。討伐軍を率いて出陣するラフマン
はシャンタバリーヤ砦に向
かう。砦に討伐軍が向かっている知らせが届く。するとシュクナー一味は城を出て行ってしまい、ラフマン軍はあっさりシャンタバ
リーヤに入城するのだった。
その後ラフマン軍とシュクナー一味は山中で出くわす。山の上と麓でシュクナーとラフマンは直接交渉する。双方挑発しあう。シュク
ナー自ら、弓矢でラフマン
軍の司令官を暗殺し、シャンタバリーヤ砦に戻る。暗殺時、「ラフマンを殺ったぞ」または「ラフマンにいって聞かせるがいい」と
言ったのかも知れない。シャ
ンタバリーヤ砦に戻ると、シュクナーの妻が訪ねて来るが、シュクナーの周りに侍る多くの侍女を見てあきれてしまう。
155年コルドバ(772年)。42歳のラフマンの髭に白いものが混じってきた。座って見上げる王妃も貫禄が出てきた。
三男ヒシャームも素直な感じに育っている。が、次男スレイマーンは堕落してきている。チェスをするヒシャーム。チェスを反対にし
てラフマンが勝負する。そ
れを暖かく見守る王妃だった(下左、二人の間の息子ヒシャームを見守るラフマンと王妃。下中、素直に成長しているヒシャーム)。
次男スレイマーンは、家臣と踊り子のダンスと楽曲におぼれる日々(上右画像)。とり巻きに唆されている感じのスレイマン。一方ラ
フマンはバドル家を訪問。
ラフマンとバドル妻が出会う場面が登場するのは、アフリカで別れて以来である。後継者で悩んでバドルのもとに相談に来たようであ
る(左、バドルとラフマ ン。右画像の左がバドル妻ラビーア、その右ラフマン、右端バドル)。
ラフマンはシャクナー一党の情報を収集する。宮廷で侍女と戯れているシャクナー。嫉妬に燃え、悲しむ奥さん。
再びラフマン軍とシュクナー軍が山で対陣しているところで終わる。
第二十八話
再び出陣したラフマンとシュクナーは、前回同様、山の上(シュクナー下画像右)と下(ラフマン下画像左)で交渉する。
(恐らく)「お前がアリーの子孫だというのは本当か。証拠を見せてみろ」と、ラフマンが言い、シュクナーは「これが証拠だ」と手
紙(or
証書)を見せるが、ラフマンは証人(前回最後の方でラフマンの前に出頭していたおじいさん)を前に出す。顔色を変えるシュクナー。アブーとか言っているの
でこの人は父親かも知れない。しかし、窮するシュクナーを見て気が変わったのか、父(らしき人)は、ヤーアブディ。アブドゥッ
ラー・イブン・ムハンマド
(そうだ、父親だ。ムハンマドの子アブドゥッラーだ)と言う。仰天したラフマン側はアブドゥッラーを引っ込める。アラー・アクバ
ル!と気勢を上げるシュク
ナー一味。ラフマンは再度アブドゥッラーを前に出し、今度は「この男を殺すぞ」とシュクナーに通告する。シュクナーが黙っている
と、アブドゥッラーの首を
刎ねさせるのだった。自分の宮廷に戻ったシュクナーは自棄酒を煽る。そんなシュクナーを見て妻は走り去るが、シュクナーは追いか
け妻を何やら脅すのだっ た。シュクナーの顎鬚の白髪も心なしか増えているように見える。
民衆に説教するシュクナー。それを見ている妖艶な女性。目ざとく目をつけるシュクナーは、旦那を呼び出し、妻を差し出すよう、
うまく説得するのだった。涙を流して嫌がる妻を無理やり夫は説得するのだった。
宮廷でラフマン、バドルら高官がシュクナー対策を協議している最中、ヒシャームが入ってきて案を出す。ヒシャームが公の政治に
口を出すのは初めての場面。意見を最後まで言わせ、感心したようにヒシャームの肩を叩くラフマン。
町で笑いものになっている寝取られ男。どうやら町中に知れ渡っているようだ。シュクナーの妻が出生証明書のオリジナルと偽造版を
見せる。夜、妻が宮殿の扉
を開け、寝取られ男とその友人を宮殿内に引き入れ、酔って寝つぶれたシュクナーを暗殺するのだった。それでもシュクナーの妻は涙
を流すのだった。そのシュ クナーの妻。左は初登場時。初々しかったのに、今では右画像のようになってしまっている。
そこに男の妻も現れるが、彼女はシュクナーの為に泣き伏す。男と友人は、シュクナーの首をラフマンの元に差し出す。ラフマンは
ますます老けたようだ。ほくそ笑むラフマン。いつの間にかバドルの髭も灰色になっていた。バドルは鋭い目つきでラフマンを見つめ
るのだった。
家で妻に愚痴るバドル。益々豪華になっている印象のあるバドルの家の室内。奥さんは、そんなバドルに、アブー・ムスリムの末路
を話し、我慢するように説くのだった。
重臣アブー・ウスマンが何やらラフマンに苦情を言いに来る。ラフマンの長男アブドゥッラーはウスマンやウマイヤ家のマワーリー
(ウマイヤ朝時代に被支配者
となった人々)達を集めてラフマン批判の演説をしている。それを聞いていた男がバドルに注進し、バドルがラフマンに連絡し、アブ
ドゥッラーは縛られてラフ
マンの面前に連行される。そこにはスレイマンやヒシャームもいる。「黙ってちゃわからん!」と怒鳴るラフマン。言い訳するアブ
ドゥッラー。
二十九話
ラフマンは、長男アブドッラーに決定的な判決を言い渡したようである。アブドゥッラーはラフマンの前に跪いて許しを乞う。「連れ
て行け」と冷たく言い放つ
ラフマン。それを苦々しげに見るバドル。アブドゥッラーは家宰や次男スレイマンにすがり付くがどうにもならない(アブドッラーは
処刑されたわけではなく公
職から退かされた)。続いてラフマンはイベリア半島上陸時からの協力者アブー・ウスマンを呼び出す(このときは王子も家臣もおら
ず、ウスマンとラフマン二
人だけ)。ラフマンは、ウスマンにも決定的なことを言ったようだが、ウスマンから目を背けて通達する。ウスマンは静かに頭を下げ
て引き下がるのだった。家
宰が泣いている次男スレイマンを慰める。このあたりの事情は良くわからないが、アブドッラーは不満を持つスレイマンを諌めていた
(二十四話)のに、このよ
うな事態となってしまったのは何故だろう。慎重な性格だと思っていたが、結局二十四話でスレイマンを諭した時に、ラフマンが苛烈
な処分を行っていたのは
アッバース家に味方した反乱者達であり、今回アブドッラーが批判したのは、ウマイヤ政府の庇護民(マワーリー)に対するラフマン
の支配権強化という相違だ と思われる。
ヒシャームとスレイマーンが二人してラフマンの下にくる。心配してひそかに部屋の外で見守る后妃。兄アブドッラーを処罰し
た父親を諌めようとしたようだが、逆にラフマンに「アッバース家の陰謀、度重なる反乱、陰謀。統治の大変さをお前らはまだ理解し
ていないのだ」というよう な感じで叱責されて終わる。
784/5年(ヒジュラ暦168年)コルドバ。お忍びで町を歩く次男スレイマンと、その家宰(名前不明。二
十三話の最後の画像の右から二番目の人物)。市場で馬の競りが行われており、家宰も参加するが、別の男に落札される。その男が馬
をもって家宰を訪ねて来
る。彼はスマイルの息子だった。家宰に正体を明かすスマイルの息子。髭に若干白髪が混じっている。踊りと音楽の宴会を楽しむスレ
イマンとスマイルの息子。
スマイルの息子は、家宰を篭絡し、ひいてはスレイマンを味方に引き入れラフマンへの復讐を目論んでいるものと思われる。
一方、今度はバ
ドルが宮廷に呼び出され、ラフマンに羊皮紙の書類を投げつけられる。公金横領とかしたのかも知れない。バドルと奥さんラビーア
は、珍しく中庭で会話してい
る。別れ際、ラビーアは、「インシャッラー」と口にする。ニュアンスとしては、「どうか馬鹿なことはしないでね」という感じか。
次の場面でバドルは宮廷の どこかの部屋でエルビーラ代官の使者と会話する。反ラフマン陰謀の誘いのようだ。
宮廷でのラフマンの採決を聞いて何やらほっとしている后妃。何の件だか不明だが、過酷なことばかりしているわけではないのを見
てほっとしたのだろうか。
頭を抱えて家に戻ってきたバドルに妻が話しかける。バドルは部屋の柱に頭を打ち付け、現在の境遇を嘆く。セビリヤやバルセロナに
行ったのは誰だ?と自分の
胸を叩く。今度という今度はエキサイトするバドルを妻も止められない感じ。あまりに激昂するバドルの背中に飛びついて宥めるラ
ビーア。
そ
こにラフマンからの呼び出しが。今回の口論は両者エキサイト。言うだけ言ってラフマンは背を向けてしまう。バドルは涙ぐみながら
去る。これは何かを決心し
た去り方だ。足早に宮廷を出てゆくバドルを重臣(カイロワン時代にラフマンを保護した人)が見かけてラフマンのもとに駆け込んで
きて諌めるのだった。眠れ ずに考えにふけるバドル。
スレイマンの家宰の部屋では、スマイルの息子が陰謀に誘っている。トレドの挙兵計画を明かすスマイル息子。
第三十話
前回から引き続き、陰謀を次男スレイマンの家宰に吹き込むスマイルの息子。バドルが宮廷に出かけると、入り口に役人がいて、許可
が無いと謁見できない、と
告げる。憤然として出てくるバドル。よく見ると、宮殿内は衛兵が目立つ。自宅で頭を柱に叩いて悔しがるバドル。もうアブー・ムス
リムでも何でもいいみたい に絶叫して奥さんも手がつけられない。
家宰の息子、ラフマンに呼び出される。最近は人を呼び出すばかりで自分でどこにも出かけないラフマン。右目が大分不自由になって
きていて杖をつくように
なった。スマイルの息子との関係も気づいていた。なんらかの処分をしたようだ。次の場面では家宰(父)がラフマンのところに駆け
込んできて必死にすがり付
いて諌めるのだった。床を叩いて悲しがるが、ラフマンは立ち上がって出て行ってしまう。出かけたところは、ルサーファ離宮のナツ
メヤシの木のところ。ナツ メヤシの木を杖で叩く。「こんな筈じゃなかった」とか言っているのかも知れない。
宮廷から追放され平民に落とされたバドルは、コルドバ市内の一角で暮らしていた(以下左画像)。ラフマンに手紙を書くバドル。
ラフマンから返信が来るが読んで面白くなさそうなバドル。コルドバの市場にラフマンを見に行くが衛兵にさえぎられ見ることもで
きない。地面に倒れ、すすり泣くバドル。
手紙を書いていると奥さんに取り上げられる。未練たらたらなバドルにいい加減にしろと激怒する奥さん。こんなにエキサイトした奥
さんを見るのは初めてだ。
バドルは机の筆記用語や手紙を床に叩き落とす。そして二人でコルドバを出て行くことにする(以下はコルドバの下町のバドルの家
(左が前庭(といっても道路
に面している)、右が家の入り口)。下左画像の右下に座っているのがバドル夫妻。左が妻ラビーア、右がバドル。私はこのショット
が好きです。
門を出たところで門を見返すバドル。コルドバへの別れの言葉を呟く。
ラフマンはナツメヤシの木の元で、ダマスカスを出立する日、家宰が処刑されるところ、葦の原を逃げ回ったこと、弟が川で処刑され
るところ、バドル、サーリ
ムと砂漠逃避行している時、アミールとなり、バドルと抱き合って大喜びしたこと、アブドゥッラーに処刑を言い渡した時のこと、次
男を処刑した時のことなど を回想する。
170年(786/7年) リーフ・アシュフル・アンクタシュの地
山中の庵を訪ねるラフマン。なんと仙人のような風貌で歯が欠けたバドルがいた。ラフマンも相当老けている。あんまり素直で無い感
じのラフマン。ラビーア
は?と聞くとバドルは墓を示す。年をとるごとにイメージ通りになってゆくラフマン。口笛でテーマソングを口にするバドル。やがて
立ち上がって踊りだすバド ル。
無言で立ち去るラフマンは、一瞬バドルをちらりと振り向く。
口笛が谷間にこだまする。
〜終わり〜 |