セルビア歴史映画「Banovic Strahinja」

  西ドイツとユーゴスラヴィア合作作品。1981年作。題名の「Banovic Strahinja」は地方の小領主である主人公の名前。舞台は1388年のセルビア。オスマン人に率いられたムスリムのバルカン浸透が進みつつあった時 代である(あえてムスリムと書いているのは、改宗セルビア人か、オスマン人その他か判断がつかなかった為)映画は、地方の小領主 Banovic Strahinjaの城館の広い中庭の朝で始まる。平和ないつもの朝。農民や雇い人など、人々が冗談を言ったりしている。ナイフとフォークはまだ登場して いないが、スプーンは登場している。翌朝、数名の配下の者とともに鷹狩りに行く地方領主バノヴィッチ。
 城館の様子。概観は映らなかったが、恐らく7,8角の長方形と円形の間のような形の中庭を囲む、2階建ての木造建築のようであ る。

 城館の領主や騎兵が出て行ったところを、ムスリム兵の一団が襲撃。老人・男は切られ、女性は強姦される。

 城主の部下に付き添われて、館の女主人が出てくる。ムスリムの首領は、いきなり女主人の横の男の首をはねる。ごろりと地面に転 がる首。女主人を奪い去るムスリム一団。

 荒廃した城館に戻る領主。2階の奥に生存者がいた。彼は襲撃にあった時、酔っ払っていて、勝手に主人の甲冑をつけてうろうろし ていたのだ。彼から状況を聞くバノヴィッチ。バノヴィッチは土地の中領主に相談にゆく。中領主のいる都城は、市場があり、人々が ざわめいている。


 ムスリム側騎士のは森の中に根拠地をもっている。正規軍でも移民でもなく、ただの盗賊団のようである。地元セルビア人が改宗し たようにも見えないが、ひょっとしたら改宗セルビア人である可能性もある。

 セルビア地方中領主館の晩餐で周辺の小領主、司教たちが集まり、対策を打ち合わせる。この時、一番年寄りの人物はクニェージェ (公)と呼ばれていたように聞こえた。イコンを見つめるバノヴィッチ。

 一方、森の中、川を泳いで脱出しようとしたバノヴィッチ夫人アンジョは、渡ったところで、オスマン人が待ち構えていて元に戻さ れてしまう。更に、地方中領主は道中、森の中でムスリム団に捉えられ、縛られたまま馬に乗せられ解放され、取りあえず自分の城館 まで戻る。

  ムスリム盗賊団は天幕暮らし。天幕内でおびえているアンジョ。その横で盗賊団は悠然と水煙草なんぞ吸っている。そこに、バノ ヴィッチの家の者で、襲撃時 酔っ払ていた男(ペードロ)がムスリム団の居留地に侵入し、アンジョを助けようとするが、見つかって処刑される。肛門から串刺し にされ、林の中に突き立て られ、串刺しのまま林に残される。男はなかなか死ねない。悩む首領アリジャに心をひらく娘。そして(どうやら)改宗してしまい、 額に刺青を入れ、ムスリム 団の皆の踊りに加わる娘。しかし、串刺しにされている男を見てしまい、男がまだ生きているのをみて逃げ出す。

 セルビア騎士たちの部屋で は、夜通し体制で半分寝ながら警戒態勢を引いている。翌朝捜索隊を出す。ムスリム盗賊団の陣地に近づく。音に気づいて見回りにき たムスリム側の見回り兵を セルビア側が殴り倒し、一気にムスリム団の天幕を襲撃する。しかし、アンジョはどこかに消えてしまっていた。

 バノヴィッチとお付の者が串刺しにされているペードロを見つけ、楽にしてやる。
 森の中で激突する二人の騎士、バノヴィチと首領アリジャ。

  お互い馬から落ちて、剣も折れ、素手でも戦い続ける。組み合いにらみ合う二人。その時、夫の方の頭を棒でを打ってしまうアン ジョ。しかし最後は夫バン ヴィッチが絞め殺して勝つ。「殺してあげて」という夫人。2人で家に戻り、バノヴィッチは着いて直ぐ寝てしまう。イコンに祈るア ンジョ。そして夜、アン ジョはどこかに消えてしまった。

 場面は変わって教会。土地の有力者、地方領主とその家族、司教、聖職者が集まっている。バノヴィチの顔もある。

 その中に、アンジョが引き入れられてきた。髪を短く切り、黒い服を着ている。少女の様な風貌で、非常に弱弱しく見える。最初、 盗賊団が襲撃した時の勝気さは一切なくなっている(末尾写真)。

 どうやら、イスラムに改宗してしまったことを罰する儀式らしい。娘の前の祭壇には、灰と剣の入った鍋がおいてあり、首がそこに 入れられるのかも知れない。司教が剣をバンヴィッチに渡す。
 しかし、剣を床に捨ててしまうバノヴィッチ。そしてバノヴィッチはアンジョの肩を抱き、二人でゆっくりと教会を去ってゆくの だった。

 最後にキャプションが出て、「翌年1389年、コソボの戦いが起こり、男たちは皆帰らぬ人となった。その後長い間、バノヴィッ チ・ストラフィニャは語り継がれることになった(というような意味だと思う)」と表示されて物語は終わる。

  西ドイツとユーゴの合作なので、主演のバノヴィッチはなんと、フランコ・ネロ。この当時既に中年だったから、幼妻との組みあわせ は違和感があったが、(そ もそも二人一緒の場面はラストシーンだけである)二人で肩を抱きながら去ってゆく後姿には胸にくるものがあった。それにしても、 フランコ・ネロは、ハンガ リー建国期を描いた「Honfoglalás」など、マイナーな歴史映画によく登場していますね。

 正直、よくわらない筋でした。念のためWikの本作の記事を見てみましたが、ストーリー認識に間違いは無く、「なんでこ んな映画が作られたのか」としばらくの間考えてみました。

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