アンダルス・ウマイヤ朝(後ウマイヤ朝、またはコルドバ君主国)最盛期の959年から
1000年頃までを扱ったシリア・モロッコ共同制作の2003年のドラマ「コルドバの春」の登場人物一覧です。三部作(ひょっと
したら四部作)の第二部。全29話。 今回はあらすじ紹介ではなく、登場人物紹介。今回のこれは、私が言語のわからない歴史映画やドラマを見るときに作成している登場 人物一覧表を元に作成した ものです。言語のわからない歴史映画やドラマを見始めたのは2008年頃からのことで、その当時と比べると、近年では多くのノウ ハウが蓄積され、相当効率 的に視聴できるようになりました。言語がわからないと、俳優の表情や身振り手振り、セットの内装や小道具などに集中するようにな り、言語のわかる作品と比 べると、演技やセットをより注意深く見るようになったのも一つの発見でした。そうは言っても大河ドラマは時間がかかるので、何本 も視聴している時間もあら すじをまとめている時間もありません。本作は「クライシュの鷹」程面白かったわけでは無いので、将来あらすじ紹介記事を書くこと にして、今回は取りあえず 登場人物の紹介だけ(実在とされている人物はWikiへのリンクを入れておきましたが、Wikiに記事の無い人物でも、宰相や将 軍クラスの人物は史書に登 場しているようです、。 主人公ムハンマド・イブン・アビー・アーミル(938-1002 年:独裁者として977-1002年君臨)。物語の中盤までムハンマドの名前で呼ばれ、実権を握ってからはアミール(総督・知 事)と呼ばれる。歴史の本で は、アル・マンスール(勝利者)の称号で呼ばれるのが一般的。この称号は、982年、最後の政敵を滅ぼした時に与えられた。右が 第一話。左が最終話の二十 九話のマンスール。 彼は相当二枚目で女性をひきつける魅力があったようで、出世にもその魅力も最大限に利用したようである。ドラマの中でも、出世前 のムハンマドが宮中を歩いていて、すれ違った侍女が振り返って見送っていた。 主人公の親友のアムル(左二枚)とツィギャール(右二枚)。アルヘシラスの村で育った幼なじみ。一番左が第一話のアムル。その右 が第二十話のアムル。彼は ムハンマドの出世に伴い部下として出世し、出世後アブルドゥル・ラーマンと改名したようである。彼は結構早い段階でスキンヘッド になったようである。第二 十八話でムハンマドが知らないところで、ムハンマドの部下により軍規に則り処刑されてしまう。 上 の右から二番目は第一話のツィギャール。表情が豊かでムードメーカーだったが、ムハンマドが役所勤めを始めたあたりから出演しな くなる。恐らくコルドバを 離れたようである。牢獄に入っていたムハンマドを、宰相に陳情して救ったこともあるが、第二十一話でうらぶれた姿でコルドバに戻 り、法律を犯したことで、 ムハンマド自身の手によって処刑されてしまう。 ムハンマドの息子達。右が非嫡男(母は歌姫ドラン)のアブドゥッラー。左が嫡男のアブドゥルマリク(後のムザッファル)。子役では早い段階で登場していたが、青年 役になったのは第二十七話から。ムハンマドの後継者となるアブドゥルマリクはあまり登場せず、ドラマでは反乱を計画したかどで第 二十九話で処刑されるアブドゥッラーに焦点が当てられている。 マンスール(ムハンマド)が追い落とす最大の目標だった、ハカム二世時代(961-976年)の宰相ジャアファル・アル・ムスハ フィー(左二枚)。左端が アブド・アッラフマーン3世(ドラマでは「ラフマン」と聞こえるので、以下ラフマン三世)時代(ドラマでは959-961年の末 期が扱われる)の中年のム スハフィー。その右がハカム時代のムスハフィー。ドラマではアブル・ハッサンと呼ばれている。ムスハフィーはハカム時代の途中ま ではムハンマドを引き立て ていた。ハカム死後、気がついたらムハンマドに追い落とされていた。権力争いをするには脇が甘すぎた。 右二枚はムスハフィーの子息二人。彼らはコルドバ大学時代からムハンマドと仲が悪かった。権力者の息子としてコルドバ大学在学中 から、頭はいいが田舎者の ムハンマドを目の敵にしていた。一時はムハンマドに二人目の妻を紹介するなど、仲が普通になった時もあったが、ムハンマドの実権 掌握後、収賄をネタに父と もども逮捕される。右端が長男ヒシャーム。彼は二十三話で処刑される。父ムスハフィーは獄中暮らしとなり、嘆願して畑の中の庵で 暮らすことを許可され(二 十四話)、第二十六話で死去。次男は二十三話で追放になったようで、その後登場しない。嫌味な二人だったが、悪人では無かった。 左から、アブド・アッラフマーン三世(889-961年/在912-961年)、その子ハカム二世(914-976年/在961-976年)、その子ヒシャーム二世(966-1013年/在976-1013年) ハカム二世は男色家だったらしいが、本作はイスラーム国製作ドラマなので、同性愛を描けない。そこで本作では、右足が不自由で 顔にあばたのある醜さから、女性に縁が無い人物として描かれている。 ラフマン時代から武将として活躍したカーリブ司令官。右はラフマン三世時代の同司令官。左はヒシャーム時代。ムハンマドの権勢 に乗ろうと、娘をムハンマドの三人目の妻として嫁がせるが、カリフであるヒシャームを軟禁して独裁するムハンマドに反発し反乱を 起こす。 ムハンマドの妻と側室達。左から、ハカム二世の正妃でヒシャームの母であるソーベ(スブフ)。ムハンマドの愛人だったとされる。 歌姫だった頃、宮廷で公演 し、ハカムに見初められ、強制的に后にさせられる。史実は、男色家ハカムに子を生ませる為に見つけられてこられたバスク人で、美 少年っぽい風貌で、男性と して化粧して床入りしたとか。左二人目がムハンマドの正妃アーイシャ。若き日のムハンマドがコルドバの布地屋で働いていた時の店 主の娘。結構早い段階で登 場していたと思われるが、最初は客の一人だと思っていたので、何話から登場していたのかはっきりしない。嫡子アブドゥルマリクの 母。 上右から二番目が側室(二番目の妃)ドラン。歌姫をしていたが、アーイシャに中々子が生まれないので、強制的にムハンマドの側室 にさせられた。非嫡子アブ ドゥッラーを生むが、アーイシャが妊娠したら離縁させられた。コルドバで生活を続けていたが、息子が処刑され、ムハンマドに詰り にゆく。上右端はアーイ シャ病没(第二十三話)、正妃として迎えられた武将ガーリブの娘。 ムハンマドの友人アリー(左と中央の二枚)。左端が若い頃、中央が最 終話。コルドバ大学で学ぶ地方出身者として第二話から登場し、二十九話で自発的に引退を申し出て粛清を免れた賢い人物。幼なじみ のアムル同様ムハンマドの 出世とともに出世し、これもアムルと同様一度もムハンマドと敵対せずに終わった人物。 上右は、ラフマン時代、町で横暴を起こす、スラブ人親衛隊への抵抗組織を作っていたコルドバ町人イブラヒーム。ドラマ「クライ シュの鷹」でバドルを演じて いた俳優さん。獄中でムハンマドと出会い、長年スラブ人親衛隊の管理下で徭役など懲役に服していたが、脱走後はムハンマドの部下 となって出世し、スラブ人 親衛隊を解散に追い込む。ヒシャーム即位後は、ヒシャームの扱いに反感を持ち、退官する。その後金物屋を経営しながらコルドバで 生活するが、ベルベル人親 衛隊と衝突し、再度獄中生活となるが、最後は釈放されて終わる。 キリスト教国の諸王達。左から、パンプローナ女伯トダ(ナヴァラ女王)(885-970年)。ラフマン三世の祖父 の妻の妹。その右はトダの息子、パンプローナ伯(ナヴァラ王)ガルシア・サンチェス一世(919-970年)、その右がレオン国王でトダの甥サンチョ一世(在956-958、960-966年)、その右が初代カスティー リャ伯フェルナン・ゴンサレス。レオン王国の家臣で実力者。 上右端がレオン王国オルドーニョ四世(958-960年)。ドナルド・サザーランドに似ている俳優さ ん。ドラマ「クライシュの鷹」でウマイヤ朝メルブ総督ナースィルを演じています。 下左端がレオン王ラミロ三世(即位時5歳)の叔母で摂政となったエルヴィラ。その右が成人後のラミロ三世。その右がナヴァラ王子(後のガルシア・サンチェス二世)と思われる人物。その右画像の左側がカスティーリャ 伯。右端は不明。 左二枚がスラブ人親衛隊長。左端がハキム時代。その右がラフマン三世時代。右画像の二人は、ハカム二世没後、ハカム二世の弟ム ギーラ擁立を企てた礼服工房 管理人ファーイクと金銀装身具工房管理人ジャウザルの二人。かなり早い段階からムハンマドに反感を持っていた。クーデタを企てた (第十九話)割りには処分 が軽く、ジャウザルは二十四話でヒシャーム暗殺を企て護衛兵に殺される。ファーイクは第十九話でコルドバを去る。 |