構造と展開 本講座の編集方針と構成 3 交流と比較 時代区分論 岸本美緒 15 はじめに 15 一 本講座における「時代区分」 17 二 構造 三 システム 20 四 発展 27 五 明清知識人の時代観 31 おわりに 34 地域区分論 −つくられる地域、こわされる値域 古田元夫 37 一 方法としての地域 37 二 つくられる地域−東南アジア 43 三 こわされる地域 46 世界史と日本史の可能性 −近代日本人の見た歴史のリアリティ 山内昌之 55 一 世界史の試み −内藤湖南と宮崎一定の問題提起 55 二 近代資本主義の二重性 −トックヴィルとロッシュの挑発 61 三 世界史と日本史の政治リアリズム −陸奥宗光の場合 67 四 『文明論の概略』の世界史 −福沢諭吉の脱亜論再考 72 五 日本史と世界史の構造転換 −久米邦武の観察 77 境界と局所 社会史の視野 福井憲彦 85 はじめに 85 一 テーマの斬新さと視覚の刷新 87 二 プラクシスとプラチック 92 三 時空の多元性と差異に敏感な歴史像 96 四 社会史から社会文化史へ 103 自然環境と歴史学 −トータル・ヒストリを求めて 川北稔 109 はじめに 109 一 自然環境と経済成長 109 二 中核地域の開発と環境破壊 116 三 プランテーションの燃料問題 122 おわりに −「マルサスの復権」をこえて 129 ソーシャル・サイエンス・ヒストリィと歴史人口学 斎藤修 133 はじめに 133 一 史学史とソーシャル・サイエンス・ヒストリィ 134 二 三つの柱 −数量経済史の場合 137 三 歴史人口学 141 四 ひろがり 148 五 展望 152 ジェンダーとセクシュアリティ 本村凌二 159 一 同性愛と「友愛の共同体」 160 二 「友愛の共同体」の功罪 163 三 ローマの女性観 167 四 まなざしの変貌 172 五 家族を再生する力 178 おわりに 181 論点と焦点 歴史の叙法 −過去と現在の接点− 鶴間和幸 187 はじめに 187 一 歴史記述のスタイル 188 二 歴史叙述と感性 194 三 過去と現在の距離 199 四 中国古代の歴史意識 204 おわりに 208 史料とはなにか 杉山正明 211 はじめに 211 一 さまざまな史料群 212 二 歴史研究と史料の関係 221 三 あたらしい史料研究の時代へ 226 コンピュータと歴史家 斎藤修 243 一 歴史家の仕事とコンピュータ 244 二 コンピュータの何が新しいか 252 三 データベース 254 四 結語 260 歴史の知とアイデンティティ 樺山紘一 265 はじめに 265 一 客観/主観の二元性 266 二 三つの立場 268 三 継承された三つの立場 271 四 ドイツ思想界での継承 275 五 歴史への三つの視角 279 六 二○世紀の歴史家たちにとって 281 七 三極構造としての歴史学 285 はしがき(前川和也) 構造と展開 古代メソポタミアとシリア・パレスティナ 前川和也 3 一 メソポタミアとその周辺 3 二 「都市革命」へむかって 11 三 初期メソポタミアの時代 14 四 前二千年紀の世界 20 五 前一千年紀の世界 23 六 史料としての粘土板文書 26 古代エジプト 屋形禎亮 31 はじめに 31 一 古代エジプト文明の構造 33 二 古代エジプトの歴史展開 41 イラン系王朝の時代 春田晴郎 61 はじめに 61 一 前史・ハカーマニシュ朝 67 二 セレウコス朝・アルシャク朝 73 三 サーサーン朝 81 四 その他の地域 87 境界と局所 「肥沃な三日月地帯」の外側 −ヒツジ以前・ヒツジ以後の内陸部乾燥地帯 藤井純夫 97 一 ヒツジはるか以前 99 二 ヒツジ以前 101 三 ヒツジ直前 102 四 南進モデル 110 五 ヒツジ直後 111 六 ヒツジ以後 118 おわりに 122 ナカダ文化論 −ナイル河下流地域における初期国家の形成− 高宮いづみ 125 一 初期国家の形成とナカダ文化 125 二 ナカダ文化と周辺文化 126 三 ナカダ文化社会の構造化 129 四 ナカダ文化の地域統合 140 エマル市とヒッタイト帝国 −シリアの都市社会における自治と支配− 山田雅道 145 一 エマル文書の発見 145 二 エマルにおける王宮と市共同体 147 三 ヒッタイトによるエマル支配 154 四 視覚化される権威 159 旧約聖書と古代イスラエル人の自己理解 池田裕 163 はじめに −自分はだれか 163 一 民族の海の中のイスラエル 164 二 外からの目 171 三 普遍と特殊 177 おわりに 185 論点と焦点 初期メソポタミア社会論 前田徹 191 はじめに 191 一 初期メソポタミア社会論研究史と問題点 192 二 シュメール王権の発展 196 三 統一王権と都市 198 四 家産体制 202 おわりに 207 ピラミッドと古王国の王権 畑守泰子 211 一 王権理念とピラミッド 211 二 ピラミッド複合体の変遷 213 三 葬祭関連領地と供物供給網 219 四 古王国後半のピラミッドと国家行政 224 結び 229 アメンヘテプ三世とその時代 近藤二郎 233 一 アメンヘテプ三世の誕生から結婚まで 234 二 当時の国内情勢 −アメン神官団との対立 236 三 当時の国際情勢 240 四 テーベとマルカタ王宮 242 五 アメンヘテプ三世の死と王墓 245 六 アメンヘテプ三世とアマルナ時代 248 前二千年紀西アジアの局外者たち −ハビル、ハバトゥ、フプシュ− 月本昭男 253 はじめに 253 一 ハビル問題 254 二 ハビル問題の新局面 257 三 テル・レイラン文書に登場するハバトゥ 260 四 社会集団としてのフプシュ 264 アッシリアの自己同一性と異文化理解 渡辺和子 271 はじめに 271 一 アッシリア学におけるアッシリアとバビロニア 272 二 歴史的自己同一性 276 三 宗教的自己同一性 280 四 共存と交流 292 五 異文化理解と異民族対策 292 おわりに 298 ハカーマニシュ朝ペルシアの交通・通信システム 川瀬豊子 301 はじめに 301 一 幹線道路の整備 303 二 通信網の整備 307 三 帝国共通語・鋳貨の制定 310 おわりに 313 はじめに(鶴間和幸) 構造と展開 中華の形成と東方世界 鶴間和幸 3 はじめに 3 一 歴史の視点 4 二 中華と東方世界 8 三 文明の時代 19 四 都市国家から中華へ −三つの地域の拡大− 44 五 地域から統一への視点 57 おわりに 71 境界と局所 農耕社会と文明の形成 岡村秀典 77 一 地域と文化の区分 77 二 農耕のはじまり 80 三 農耕社会の成立 83 四 社会の複雑化と地域統合 87 五 初期国家の形成 96 禹の伝承をめぐる中華世界と周縁 工藤元男 103 はじめに 103 一 出土文字資料よりみた禹の諸相 105 二 アジールの神としての禹 109 三 禹の初源をもとめて 112 四 羌寨における禹の伝承と古跡 114 五 古羌人の遷徒と成都平原の古城址119 むすび 122 草原遊牧文明論 林俊雄 125 はじめに 125 一 騎馬遊牧民の出現 126 二 スキタイ 130 三 匈奴 136 おわりに 147 論点と焦点 殷周時代の王と諸侯 平勢隆郎 153 はじめに 153 一 殷王の田領地と周代の湯沐の邑 155 二 殷周王室の族的構造 160 三 殷周時代における県の性格 163 四 春秋時代のおける県の性格 165 五 封君の出現 169 おわりに 172 戦国時代における都市の発達と秦漢官僚制の形成 江村治樹 179 はじめに 179 一 戦国時代の都市の性格と地域性 179 二 三晋諸国の都市住民と官僚 187 三 秦漢帝国の官僚制の特質と都市 195 むすび 202 中国古代の貨幣経済と社会 佐原康夫 205 はじめに 205 一 貨幣経済論の系譜 206 二 古代専制国家における貨幣と財政 211 三 富と社会、そして貨幣経済 218 おわりに 224 漢代郡県制と水利開発 藤田勝久 227 はじめに 227 一 華北の郡県社会と水利開発 230 二 江淮・長江流域の郡県社会と水利開発 235 三 漢代の地方統治と豪族・農民 241 おわりに 248 二一世紀の秦漢史研究 −簡牘資料− 富谷至 251 はじめに 251 一 簡牘の発見と研究史 253 二 木簡と竹簡 258 三 書物簡と帳簿簡 263 四 文字の統一 −その真の意味するところ− 268 おわりに −二一世紀への橋渡し− 273 生産技術と環境 原宗子 277 はじめに 277 一 「[土娄]土の成立と農耕技術 278 二 衣料品生産技術と環境 291
三 金属生産技術と環境 294
おわりに 297 はしがき(本村凌二) 構造と展開 地中海世界と古典文明 古山正人/本村凌二 3 はじめに 3 一 青銅器時代のギリシア 5 二 前古墳期ギリシアの国家と社会 14 三 アレクサンドロスとヘレニズム時代 27 四 地中海世界の征服と支配 36 五 権力と支配−共和政から帝政へ 51 六 ローマ帝国の変貌 66 境界と局所 異形のギリシア世界 −シチリア 桜井万里子 85 はじめに 85 一 シチリアのギリシア植民市建設 −新世界の創生 89 二 ギリシア本土との遠近 −デルフォイとオリュンピアの求心性 96 三 混交と共生 −僭主たちとシチリアのアイデンティティ− 100 おわりに 108 ギリシアとローマの狭間 平田隆一 −エトルリア 113 一 イタリアとエトルスキ−問題の所在 113 二 エトルスキとギリシア 118 三 エトルスキとローマ 123 四 エトルスキの社会と文化の独自性 129 五 まとめ 133 アフリカの古代都市 −カルタゴ 栗田伸子 137 一 研究史のなかのカルタゴ 137 二 西地中海とカルタゴ 141 三 カルタゴとアフリカ 151 論点と焦点 孤立農場論の射程 −もうひとつのポリス市民像をもとめて− 周藤芳幸 167 はじめに 167 一 孤立農場の発見 170 二 古典期アッティカの居住形態と孤立農場 174 三 孤立農場の遺跡と特徴 178 四 孤立農場の生態学 181 五 孤立農場の生産物と労働力 184 六 孤立農場とアテネ市民の心性 185 民主制の罪と罰 −美徳から犯罪へ− 橋場弦 191 はじめに 191 一 デロス同盟と会計検査官 194 二 ペリクレスとアカウンタビリティ 198 三 ペリクレス死後の展開 202 おわりに 207 舞台の上の民主政 中村純 211 はじめに 211 一 古典劇上演の場 213 二 国制の変転と喜劇の上演 217 三 喜劇と政治 224 結び 227 ヘレニズム土着王国の反撃 −ポントス国王ミトリダテス六世と土着農民の場合 田村孝 231 はじめに 231 一 ポントス王国について 231 二 小アジアにおける村落共同体 234 三 村落の自立性 240 四 農民の実態 241 五 ローマの進出と土着民 243 六 ミトリダテス戦争と土着村落 245 結び 248 多神教と個人救済 −ローマ共和政期の宗教事情 毛利晶 251 はじめに 251 一 祈願と奉納 254 二 ラティニウムのvotive religion 256 (一)南の神域 258 (二)東の神域 262 おわりに 270 ローマの家族 樋脇博敏 273 一 問題の所在 273 二 世帯の規模 276 三 世帯の世代深度 278 四 世帯の出自構成 280 五 共和政期の家族 284 六 家族感情と家のサイクル 288 支配の果実と代償 −ローマ奴隷制社会論− 坂口明 295 はじめに 295 一 「ローマ奴隷制社会論」へのアプローチ 298 二 「外なるもの」としての奴隷 301 三 「利得を生み出す財」としての奴隷 304 四 威信の表現としての奴隷所有 307 五 奴隷の「人間性」 370 結び 316 ローマ皇帝政治の進展と貴族社会 南川高志 321 はじめに 321 一 元老院議員身分 −その帝国統治における機能 323 二 元老院貴族の社会 329 三 騎士身分とその多様性 333 四 帝国統治体制の変化とその意義 336 おわりに 340 はしがき(本村凌二) 構造と展開 帝国と支配 本村凌二 3 はじめに 3 一 帝国とはなにか 6 (一)インペリウム(Imperium) 6 (二)帝国 12 二 帝国の生態 18 (一)ローマ帝国 −共同幻想としての生態 18 (二)秦漢帝国 29 三 帝国の残像 40 (一)帝国主義 40 (二)専制支配 47 おわりに−帝国の未来 55 交流と比較 中国古代の法と社会 飯尾秀幸 63 はじめに 63 一 出土秦律にみえる国家支配の原理 66 二 出土秦律からみえる郷里社会の構造 75 三 中国古代における出土秦律の位置 79 おわりに 83 ローマ帝政期における帝国貴族と地方名望家 −帝国支配層と社会流動− 浦野聡 85 一 二元的帝国支配体制と社会流動の枠組み 86 二 支配層の流動性を高める諸要因 88 三 支配層をめぐる社会流動の現実と政治文化 98 アレクサンドロス大王からヘレニズム諸王国へ 森谷公俊 116 一 アケメネス朝の征服と継承 116 二 アレクサンドロスの帝国 −「東西融合論」批判 121 三 後継者戦争における支配の正統性 128 四 ヘレニズム諸王国への道 132 アメリカ古代帝国の生成 −インカをめぐる諸問題− 網野徹哉 141 はじめに 141 一 帝国の始源 144 二 インカの「帝国的」発展の諸様相 150 三 帝国の成熟と崩壊 157 論点と焦点 秦漢帝国と豪族 重近啓樹 169 はじめに 169 一 国家の支配とその特質 170 二 国家と豪族 175 三 豪族と郷里社会 182 おわりに 193 中華帝国の遺産 愛宕元 197 はじめに 197 一 王朝革命と禅譲儀礼 199 二 統治システム 204 三 中華帝国と儒教 210 四 漢字と「文化的伝統」 213 雄弁家と民衆 −帝国形成期ローマの政治文化 砂田徹 221 はじめに 221 一 雄弁術の重要性 224 二 コンティオ−「雄弁家にとっての最大の舞台」 229 三 コンティオにおける雄弁家と民衆 236 四 帝国支配との関連−むすびにかえて 241 皇帝礼拝と解放奴隷 島田誠 245 はじめに 245 一 皇帝礼拝の起源 246 二 皇帝礼拝の成立 253 三 皇帝礼拝の諸相 257 四 解放奴隷と皇帝礼拝 262 おわりに 265 イスラーム帝国としてのオスマン帝国 鈴木董 269 一 オスマン帝国の基本的性格 269 二 オスマン帝国の形成 271 三 前期オスマン帝国から後期オスマン帝国へ 290 ハプスブルク帝国 −アウスグライヒ体制の論理・構造・展開 − 大津留厚 297 一 アウスグライヒ(オーストリア=ハンガリー二重国家体制)の成立 297 二 アウスグライヒ体制の構造 307 三 アウスグライヒ体制の展開 314 おわりに 318 はしがき(山崎元一・石澤良昭) 構造と展開 はじめに 山崎元一・石澤良昭 3 南アジア世界 山崎元一 11 序−史料と研究史の概略- 11 一 古代国家の形成と展開 15 二 社会・経済史の展開 30 三 宗教史の展開 42 四 ムスリム政権の成立と展開 50 東南アジア世界 石沢良昭 61 序−世界歴史の文脈で東南アジア史を語る作業−61 一 東南アジア古代世界 70 二 東南アジア古典世界 84 三 東南アジア中世世界 −歴史の大転換− 109 境域と局所 インド諸港と東西貿易 蔀勇造 133 はじめに 133 一 一世紀中頃のインド諸港 134 二 古代の東西海上貿易 145 おわりに 153 イスラーム教徒のインド侵入 稲葉穣 157 はじめに−インドへの道− 157 一 八世紀におけるムスリムのシンド征服 159 二 十一世紀以降の征服−アフガニスタンから北インドへ− 167 おわりに−海と陸のイスラーム化− 177 東南アジアにおけるイスラームの展開 弘末雅士 181 一 問題の所在−イスラームと地域世界 181 二 イスラーム受容史 183 三 イスラーム世界と非イスラーム世界の介在者 188 四 王権の高揚と中東イスラーム世界との交流 192 五 地域世界の形成 195 六 まとめと展望 198 論点と焦点 インダス文明論 小西正捷 203 はじめに 203 一 インダス文明の概念と地域性 205 二 インダス文明の起源と終末 212 三 多様な接近と残された課題 216 四 インダス文明の継承 220 ヒンドゥー祭祀の形成と展開 永ノ尾信悟 225 はじめに 225 一 祭場の変容−マンダパ、クンダ、マンダラ− 228 二 献供の変容−プージャとホーマ− 238 おわりに 243 初期ラージプート集団とその政治システム 三田昌彦 245 はじめに 245 一 ラージプートの出現 246 二 初期ラージプート政体 255 おわりに 264 古代デカンの国家 −カダンバ朝を中心に− 石川寛 269 一 問題の所在 269 二 カダンバ朝少史 273 三 統治体制と宗教 280 四 デカン諸国家の歴史的役割 286 古代・中世タミル地方における王権と国家 辛島昇 291 一 近年におけるインドの王権研究史 291 二 シュタインの分節国家論 293 三 ヴィジャヤナガルの王権とナーヤカ達 296 四 南インド・タミル地方における王権 304 五 今後の研究のために 307 東南アジア基層文化論 田村克己 309 はじめに 309 一 「基層」と「表層」 310 二 精霊信仰と王権 312 三 山地民と平地民 315 四 「山」と「水」 319 五 外からの「力」 322 経済システムと技術 −アンコールとパガンの水利事業− 斎藤照子 327 はじめに 327 一 クメール勢力の拡大、アンコールの経済システム 329 二 ビルマ勢力の拡大、パガンの経済システム 332 三 アンコールの水利システム 335 四 パガンの水利システム 341 五 クメールとビルマの水利システム -類似と対比− 347 六 アンコールとパガンの没落−東南アジア古代の終焉、中世の開幕− 348 ジャワ古代史の再構築 −シーマ定立の政治経済学− 深見純生 353 一 ジャワ王朝史の再構成 333 二 中部ジャワ時代 −シュリー・マハーラージャの出現− 358 三 シーマ定立の政治経済学 365 おわりに 372 はしがき(佐藤彰一) 構造と展開 序章 古代から中世へ −ヨーロッパの誕生−佐藤彰一(3) 一 西ユーラシア空間点描 −古代後期− 3 二 エノトスと国制 17 三 権力・統治構造と支配のパラダイム 28 四 社会構成および生産と交換の諸相 39 五 聖性と識字世界の広がり 52 境界と局所 第一章 ケルト外縁とイングランド −ウェールズの場合− 永井一郎(81) はじめに 81 一 ウェールズの従属化過程 82 二 ウェールズにおける王権と王の裁判権 93 おわりに 103 第二章 都市コンスタンティノープル 井上浩一(109) はじめに 109 一 古代末〜中世初期のコンスタンティノープル 110 二 国際都市コンスタンティノープルの再生 115 三 ロシア人とコンスタンティノープル 119 おわりに 126 第三章 地中海のノルマン人 高山博(131) はじめに 131 一 地中海の古き秩序 133 (一)地中海政治秩序の変動 133 (二)南イタリア−地中海の焦点 136 二 ノルマン人の南イタリア征服 139 (一)ノルマン人国家の形成 139 (二)ノルマン・シチリア王国の成立 141 三 地中海のノルマン王国 142 (一) シチリア伯領から地中海帝国へ 143 (二) 統治システム 145 (三) 異文化接触と十二世紀ルネサンス 152 おわりに 154 論点と焦点 第四章 古代末期のガリア社会 後藤篤子(159) はじめに 159 (一) ガリア・セナトール貴族層の形成 160 (二) 五世紀前半のガリア社会 166 (三) 五世紀後半のガリア社会 179 おわりに 184 第五章 初期キリスト教論 松本宣郎(187) はじめに 187 一 原始キリスト教時代 188 二 キリスト教徒迫害の問題 190 三 キリスト教徒とローマ帝国社会 195 四 古代末期社会のキリスト教徒 202 第六章 ピレンヌ・テーゼとビザンツ帝国 −コンスタンティノープル・ローマ・フランク関係の変容を中心に− 大月康弘 (213) 一 「ヨーロッパ中世世界の誕生」 −ピレンヌの構想とアラブ勢力− 213 二 コンスタンティノープルの威光 −キリスト教世界の伝統的関係− 218 三 コンスタンティノープルの焦燥 −ローマ・フランク関係の形成− 224 四 コンスタンティノープルの残光 −新しい関係のもとで− 232 エピローグ 237 第七章 フランク王国の国家原理 森義信(241) はじめに 241 一 フランク国家の特性 241 二 言語の多様性と言語政策 242 三 法の多様性と法の支配 252 四 多様な人的紐帯 258 おわりに 264 第八章 ヴァイキング社会論 熊野聡(267) はじめに 267 一 農民 269 二 社会関係の創出 277 三 都市的集落 279 四 「都市」と「農民」 284 五 互酬経済と流通経済 287 第九章 都市・農村関係論 森本芳樹(291) はじめに 291 一 中世初期都市・農村関係論の成立 −ピレンヌ批判の定着− 292 二 中世初期都市・農村関係論の拡充 −総合的叙述を目指して 294 (一) 近年におけるヨーロッパ学界の状況 294 (二) フランク中心部の研究 −ヘントを例として− 296 (三) フランク王国周辺関係の研究 302 結論 311 はしがき(江川温) 構造と展開 ヨーロッパの成長 江川温 3 はじめに 3 一 中世盛期・末期の領主と農民 4 二 都市の成長 19 三 戦士たちの社会 30 四 教会と信仰 40 五 広域統治と民族意識 50 六 西欧カトリック圏の拡大および隣接世界との交渉 61 境域と局所 ハンガリー王国の再編 鈴木広和 79 はじめに 79 一 アンドラーシュ二世の「新制度」と金印勅書 82 二 貴族の呼称と一門意識 84 三 モンゴル軍襲来とベーラ四世の改革 87 四 王国分裂と一二六七年法令、「貴族の県」 91 五 大貴族の強大化と「身分制」 97 むすび 97 中世フランドル伯領 斎藤絅子 101 一 フランドルの地誌的景観 101 二 フランドルの誕生 102 三 最盛期のフランドル伯領 −フランス・大都市との均衡− 106 四 フランスの攻勢とフランドルの苦悩 112 五 ブルゴーニュ家による支配 − 中央集権主義と地方自立主義の相克− 118 六 中世フランドルの終焉 118 中世スペインのマイノリティ −ムデハル 林邦夫 125 はじめに 125 一 ムデハルの出現 127 二 ムデハルの境遇 −カスティーリャ王国の場合 128 三 ムデハルの追放 136 終わりに 140 論点と焦点 人間と自然の死生論 池上俊一 147 はじめに 147 一 人間の生と死 148 (一) 生と死の統計学 148 (二) 生から死へ 151 (三) 死に向き合う人間 157 二 生命の源としての自然と超自然 161 (一) 動物 161 (二) 植物 165 (三) 超自然 169 フラテルニタス論 河原温 175 はじめに 175 一 起源と形成のモチーフ 176 二 組織・構成員・財政 181 三 活動形態 184 四 教会・都市・兄弟団 −コントロールとスポンサーシップ 195 結び 197 ドイツにおける領邦形成と貴族社会 服部良久 201 一 帝国と領邦 201 二 国家統合と共同体 203 三 ブルンナーのラント概念と領邦研究 204 四 人的団体としてのラント 207 五 オーストリアにおけるラントの成立 209 六 ラントの多様性 215 七 結びにかえて 218 イングランド −ヨーロッパ形成期におけるその位置と構造− 鶴島博和 221 問題の所在 221 一 ローマ世界の再構造化とブリテン島 −五−七世紀 222 二 イングランド王国成立への道 −七−十世紀 229 三 「イギリス人」の王国の成立 −十−十一世紀 234 四 イギリス人の王国から「イングランド」王国へ −十一世紀−十三世紀 おわりに 247 イタリアの都市と国家 斉藤寛海 251 はじめに 251 一 都市の発展 253 二 フィレンツェの展開 260 おわりに 271 十字軍 八塚春児 275 序 275 一 基本的説明 276 二 宗教的情熱と世俗的利害 283 三 非東方十字軍 285 四 十字軍の終期 291 ビザンツ帝国論 和田廣 295 はじめに 295 一 ギリシア正教会的ローマ皇帝 297 二 現実の国政運営 305 おわりに 314 はしがき(妹尾達彦) 構造と展開 中華の分裂と再生 妹尾達彦 3 はじめに 3 一 多様性の出現 −三〜五世紀 19 二 普遍の創造 −六〜八世紀 34 三 固有の形成 -九〜十三世紀 56 おわりに 76 境域と局所 草原とオアシスの世界 梅村坦 85 はじめに 85 一 草原における可汗称号のひろがり 86 二 オアシス世界の充実 95 おわりに−草原からの遠近法 103 南の海域世界 −中国における南海貿易と南海情報− 桃木至朗 109 序 −中国史と南海史 109 一 南海交易の概況 110 二 中国と南海情報 116 三 十三・十四世紀の中国と南海 128 朝鮮地域史の形成 田中俊明 131 はじめに 131 一 三−十四世紀朝鮮における境域の変遷 −「朝鮮地域」の形成 132 二 四つの地点からみた王朝史 146 三 民族意識の諸相 −「朝鮮民族」の形成 152 稲作の東アジア史 北田英人 161 はじめに 161 一 史前江南の低湿地稲作と塩潮進入 162 二 歴史時代初期江南の低湿地稲作の展開 164 三 三−六世紀江南の低湿地稲作の停滞 166 四 八−十三世紀江南の低湿地稲作の発展 169 五 東アジア稲作の特質 174 六 東アジア稲作の形成 177 おわりに 181 論点と焦点 北朝国家論 川本芳昭 187 はじめに 187 一 孝文帝による改革以前の北魏 190 二 「部」体制国家の形骸化と中国王朝への転身 193 三 同化と中華の理解をめぐって 195 おわりに 202 南朝国家論 中村圭爾 205 はしがき 205 一 南朝成立の前提 206 二 江南社会の変貌と特質 210 三 南朝国家の歴史的性格 218 むすびにかえて 223 皇帝祭祀の展開 金子修一 227 はじめに −本章の意義− 227 一 後漢−西晋の郊廟制度 229 二 南北朝の郊祀制度とその運用 232 三 唐代における郊廟郊祀の展開 247 おわりに 252 北朝・隋唐支配層の推移 吉岡真 255 はじめに 255 一 北魏の支配層 257 二 西魏・北周の支配層 268 おわりに 283 中国専制国家財政の展開 宮沢知之 287 はじめに 287 一 伝統的財政観 −財用と量入為出− 288 二 唐清間、専制国家財政の展開 292 おわりに 302 宋代士大夫政治の特色 近藤一成 305 一 問題の所在 305 二 中国世界の統合システムとしての科挙 310 三 王安石の科挙改革 318 四 蔡京の天下三舎法 322 民間信仰の形成 丸山宏 327 はじめに −問題提起− 327 一 唐宋変革と民間信仰・宗教の変化 331 二 道教儀礼と民間信仰の時代区分論 338 おわりに −道士の存在形態をめぐって− 346 |