はしがき(佐藤次高) 構造と展開 イスラーム国家論 −成立としくみと展開− 佐藤次高 3 序−「イスラーム国家」を問う意味 3 一 イスラーム国家の成立 8 (一) 初期イスラーム国家の見方 8 (二) 「イスラーム国家論」の再検討 12 (三) スンナ派国家とシーア派国家 19 二 イスラーム国家のしくみ 24 (一) 国家と社会と法 24 (二) 軍隊と官僚 28 (三) 都市と農村と遊牧社会の統治 33 三 イスラーム国家の展開 38 (一) カリフと大アミールとスルタン 38 (二) イスラーム国家とイクター制 43 (三) マムルークと民衆 48 四 イスラーム国家の特徴 51 (一) 領域国家か個人国家か 51 (二) 王権の正当性 56 (三) イスラーム国家と商人・知識人・聖者 60 境域と局所 ビザンツ帝国とイスラーム 太田敬子 71 はじめに 71 一 イスラーム勢力の拡大とスグールの発展 73 二 スグール社会の形成と発展 −シリアのスグールの事例− 79 三 スグールにおけるムスリム社会 −特殊性とその限界− 84 むすびにかえて −スグールにおける人と物の移動− 89 マグリブ中世社会のユダヤ教徒 −境域の中のマイノリティ− 私市正年 97 はじめに 97 一 ユダヤ教徒の移住とマリーン朝期までの歴史 97 二 マリーン朝期のユダヤ教徒 106 おわりに 118 イスラームとモンゴル 北川誠一 127 はじめに 127 一 テグダル・ハンの改宗 129 二 ガザン・ハンの改宗 138 むすび 142 論点と焦点 イスラーム世界の参詣 −聖者とスーフィズムを視野に入れつつ− 大稔哲也 149 はじめに 149 一 イスラーム世界における参詣小史 151 二 エジプト「死者の街」の参詣慣行 160 三 「死者の街」とエジプト社会 170 四 むすびにかえて −参詣と聖者、スーフィーたち 175 イスラーム法と統治システム 柳橋博之 181 はじめに 181 一 統治の分類 181 二 権力関係 185 三 後見的作用 186 まとめ 197 イスラームの少数派とジャマーアの成立 花田宇秋 201 はじめに 201 一 問題の提起 201 二 ジャマーアの起源 203 三 少数派としてのハワーリジュ派 205 四 少数派としてのシーア派 216 おわりに 220 マムルークとグラーム 清水和裕 223 一 マムルーク朝マムルーク軍団とアッバース朝グラーム集団 223 二 奴隷軍人の起源 226 三 奴隷とイエ 237 おわりに 243 王権とイスラーム都市 −カイロのマムルーク朝スルタンたち− 長谷部史彦 247 はじめに 247 一 聖域都市の記憶と改造 −バイナル・カスラインとカサバ 248 二 スルタンと民衆の対話 −王権とルマイラ広場 253 三 大河文明の王権 −ローダ島とミスル運河 258 四 粗衣を繕纏うスルタン−「砂漠」− 261 おわりに 265 イスラーム社会とワクフ制度 岩武昭男 269 はじめに 269 一 イスラーム法上のワクフ −ワクフとは何か− 270 二 歴史上のワクフ 272 三 ワクフとイスラーム社会 277 むすびにかえて −ワクフ制度の広がり 287 サイイドとシャリーフ −ムハンマドの一族とその血統− 森本一夫 293 はじめに 293 一 サイイド、シャリーフの血統とその意味 296 二 ナギーブ制と血統の統制 305 おわりに 313 はしがき(杉山正明) 構造と展開 中央ユーラシアの歴史構図 −世界史をつないだもの− 杉山正明 3 はじめに −中央ユーラシア史とはなにか− 3 一 巨大な乾燥地帯における二分法 14 二 九世紀までの道程 −中央ユーラシアをめぐる歴史大流(1)− 31 三 多極化・流動化するユーラシア −中央ユーラシアをめぐる歴史大流(2)− 44 四 モンゴルによる大統合 −中央ユーラシアをめぐる歴史大流(3)− 61 五 新しい世界史への眺望 78 境域と局所 《シルクロード》のウイグル商人 −ソグド商人とオルトク商人のあいだ− 森安孝夫 93 一 オルトク問題解決のための新出土史料 93 二 ウイグル農業社会の土地共有 95 三 ウイグル商業文書中のオルトクとルビー 97 四 ウイグル・回回・ムスリム 101 五 ウイグル語の手紙と商業 103 六 一○世紀頃のウイグル=ネットワーク 106 七 ソグド商人からウイグル商人へ 108 八 オルトクの源流 111 九 モンゴル時代のウイグル=ネットワーク 113 おわりに 116 チベットとモンゴルの邂逅 −遥かなる後世へのめばえ− 中村淳 121 はじめに 121 一 アウルクチのチベット遠征 124 二 クビライとパクパ 130 三 アルタン・カアンとダライ・ラマ 137 四 十七・十八世紀の東アジア世界とチベット仏教 140 おわりに 143 ティムール朝とその後 −ティムール朝の政府・宮廷と中央アジアの輝き− 久保一之 147 はじめに 147 一 政府・宮廷と行政機構 150 二 政府・宮廷における最有力者の実像 160 おわりに 171 江南史の水脈 −南宋・元・明の展望− 中砂明徳 177 一 マンジの国 177 二 <伏流する>江南史 181 三 <取水地点> 184 四 流入と溢出 197 論点と焦点 とこしえなる天の力のもとに 小野浩 203 はじめに 203 一 モンゴル命令文と冒頭定型句 204 二 モンゴル時代のさまざまなヴァージョン 208 三 モンゴルとヨーロッパ 216 四 ポスト・モンゴル時代への影響 222 おわりに 224 ソグド語資料から見たソグド人の活動 吉田豊 227 はじめに 227 一 ソグド商人の活動とソグド語資料 228 二 遊牧騎馬民との関係 235 三 仏教ソグド語文献とソグド人 238 四 遅い時期のソグド語文献とテュルク族 243 おわりに 245 モンゴルとペルシア語史書 −遊牧国家史研究の再検討− 志茂碩敏 249 はじめに 249 一 これまでのモンゴル帝国史研究の誤り 252 二 ガザン・カン勅撰の『モンゴル史』 255 三 モンゴル帝国の国家構造 263 結び 271 キプチャク草原とロシア 川口琢司 275 はじめに 276 一 キプチャク平原世界の浮上 −ジョチ・ウルスというかたち− 276 二 十四世紀のジョチ・ウルスの変動 278 三 トカ・テムル家による草原再編 287 四 クリム・ハン国とロシア 292 初期明帝国体制論 檀上寛 303 はじめに 303 一 元・明革命の意義 306 二 明朝支配の意味 313 三 明初体制の実体 317 おわりに 322 ポスト・モンゴル時代のモンゴル −清朝への架け橋− 森川哲雄 325 はじめに 325 一 十四世紀後半から十五世紀のモンゴル 326 二 ダヤン・ハーン政権 332 三 アルタンの時代 336 四 清朝のモンゴル支配 339 おわりに 344 はしがき(樺山紘一) 構造と展開 遭遇と発見−異文化への視野 −異文化への視野− 樺山紘一 3 一 「発見」の時代の諸相 3 二 旅の世界史 −体験と言説 16 三 問題の構造のありか 32 交流と比較 二つのインカ帝国像 染田秀藤 −ラス・カサスとインカ・ガルシラソをめぐって− 43 はじめに 43 一 ラス・カサスの描くインカ帝国 44 二 インカ・ガルシラソの描くインカ帝国 52 おわりに 60 『東方見聞録』とその読者たち 大黒俊二 63 一 「見たこと」と「聞いたこと」 63 二 マルコとルスティケッロ 65 三 ブッチとボナグイージ 70 四 『驚異の書』 74 五 コロンブスとラムージョ 79 六 物語から事実へ、そして物語へ 84 ブレーメンのアダムと北方世界の「発見」 −『ハンブルク司教事績録』を読む− 甚野尚志 89 はじめに −「発見」の諸相 89 一 時間と空間の遠近法 −『ハンブルク司教事績録』の特色− 90 二 ハンブルク・ブレーメン大司教と北方世界への布教 93 三 大司教アダルベルトの時代 95 四 北方世界の記述 98 五 北方世界の「怪異」 101 結びにかえて 105 論点と焦点 古代ギリシア人のスキュタイ観 篠崎三男 111 はじめに 111 一 遊牧民の理想化 113 二 ヘロドトスの「スキュティア誌」 117 三 否定的ステレオタイプの完成 124 おわりに 129 異人は中国人によっていかに描かれたか 武田雅哉 133 はじめに 133 一 「人」と「鬼」 134 二 『山海経』図の誕生 136 三 近世中国の「外国人」図像 139 四 李時珍『本草綱目』の怪物論 142 五 近代中国の画報に見える「世界」の情報 145 おわりに 151 東アジアからの地理的世界認識 応地利明 155 はじめに −東アジアからのアジア認識− 155 一 「五天竺図」の世界認識 159 二 ヘレスフォード図の世界認識 164 三 「インドの発見」 167 四 インド洋海域世界とアラビア世界 171 おわりに −「混一疆理歴代国都之図」を読む− 177 中世中東世界から見たヨーロッパ像 −学術文献と文学作品を中心に− 杉田英明 181 一 ヨーロッパと中東の相互認識 181 二 ヨーロッパ認識の枠組 183 三 歴史資料のなかのヨーロッパ人像 189 四 遭遇と反撥 195 イブン=ハルドゥーンと歴史の発見 森本公誠 205 一 激動する地中海世界 205 二 野心家イブン=ハルドゥーン 214 三 苦悩するイブン=ハルドゥーン 220 四 歴史を動かすもの 223 太平洋「探検」とメディア 山中速人 229 一 「探検」のまなざしとしてのメディア 229 二 十八世紀の太平洋探検と印刷メディア 233 三 十九世紀の太平洋へのまなざし −博物館、博覧会、紀行写真− 237 四 二十世紀の太平洋へのまなざし −観光と映画− 241 五 擬似環境としての太平洋 −メディア観光産業複合体の形成− 245 人類へのまなざし −近世日本の想像力と視覚人類学の誕生− ロナルド・トビ 251 はじめに 251 一 内から差異をイメージする 254 二 すばらしき新世界 −万国の人々を望遠顕微鏡で覗く 255 三 百科全書的視座 −分類された他者の中に自己を位置づけるい 267 四 「万国」の視覚民族誌に向けて 270 はしがき(岸本美緒) 構造と展開 東アジア・東南アジア伝統社会の形成 岸本美緒 3 はじめに 3 一 明初朝貢体制秩序の解体(−一五七○年代) 10 二 新興軍事勢力の成長(一五七○年代−一六三○年代) 18 三 明清交代と十七世紀の局面転換 31 四 伝統社会の形成(一六八○年代−一八○○年) 44 (一) 華夷秩序の構造転換 44 (二) 土地・家・村 −伝統秩序の諸形態 56 おわりに 68 境域と局所 琉球王国の展開 ―自己変革の思念、「伝統」形成の背景― 高良倉吉 77 一 王国をめぐる厳しい状況 77 二 羽地朝秀の「内部闘争」 80 三 変貌を遂げる琉球社会 84 四 「琉球的」なるものの形成 91 モグール・ウルスから新疆へ ―東トルキスタンと明清王朝― 浜田正美 97 はじめに 97 モグール・ウルス 98 清朝の征服と東トルキスタン 110 おわりに 117 北方世界とロシアの進出 菊池俊彦 121 はじめに 121 一 ロシアの東方進出 122 二 ロシアのシベリア進出と毛皮 128 三 アムール河をめぐる露清関係 137 四 オホーツク海とカムチャッカ半島 143 論点と焦点 上座仏教と国家形成 石井米雄 151 一 上座仏教の東南アジアへの伝播 151 二 伝統的「仏教国家」の構造 155 三 ビルマにおける国家形成と上座仏教 158 四 タイにおける国家形成と上座仏教 161 五 十六−十八世紀における発展 166 おわりに 170 清朝国家論 石橋崇雄 173 はじめに 173 一 清朝支配の確立 179 二 多民族国家清朝の成立と清朝支配構造 186 三 華夷思想と『大義覚迷録』 189 おわりに 191 東南アジアの港市国家 鈴木恒之 193 はじめに 193 一 ネットワークの変遷 195 二 浮揚への諸政策 202 三 宮廷会議と寡頭支配 206 四 国王への集権化 208 おわりに 212 朝鮮の身分と社会集団 吉田光男 215 一 近世の身分構造 216 二 身分と「職役」 219 三 身分と人口 223 四 身分と地域 224 五 身分とリネージ 229 おわりに 233 「気質変化」論から「礼教」へ ―中国近世儒教社会における<秩序>形成の視点 伊東貴之 235 問題の所在 237 一 儒教研究のパラダイム転換 ―「解放」史観イデオロギーを超えて― 237 二 「気質変化」論とその帰趨 ―ソフト面における「礼教」化の必然― 242 三 朱子学から陽明学へ ―「礼教」化の視点から― 248 四 「礼教」化の諸過程 ―明清思想と「礼教」― 254 結びにかえて 261 地方社会と宗教反乱 山田賢 269 はじめに 269 一 十八世紀中国社会 270 二 「宗族」と地域 276 三 宗教結社 282 おわりに 291 はしがき(羽田正) 構造と展開 三つの「イスラーム国家」 羽田正 3 はじめに 3 一 オスマン朝 11 二 サファヴィー朝 34 三 ムガル朝 59 おわりに 80 境域と局所 イラン、トゥラン、ヒンド ―ペルシア諸文化圏の発展と変容― 近藤信彰 93 はじめに 93 一 書簡集の世界 95 二 勅令の世界 99 三 詩人伝の世界 103 四 地方史の世界 108 おわりに 112 ペルシア湾と紅海の間 福田安志 115 一 ポルトガルの進出 116 二 オスマン帝国の進出と二聖地メッカ、メディナ 120 三 アラブ人の海洋通商活動の再開 123 四 ワッハーブ派とサウード朝の勃興 127 五 ブーサイード朝とオマーンの海洋国家 135 インド洋とインド商人 長島弘 141 はじめに 141 一 十六―十七世紀のインドの商人と商人コミュニティ 143 二 十六―十七世紀のインド洋交易とインド商人(一) 147 三 十六―十七世紀のインド洋交易とインド商人(二) 155 四 十八世紀のインド洋貿易とインド商人―結びに代えて 161 論点と焦点 イスラーム法の刷新 ―オスマン朝における新賃貸契約制度の誕生をめぐって 林佳世子 169 はじめに 169 一 イスラーム法におけるワクフ賃貸契約 170 二 前史―十六世紀前半まで 172 三 イジャーレテイン契約の導入―十六世紀後半 174 四 イジャーレテイン契約導入の社会経済的背景 183 五 イスラーム法を変えるもの―結びにかえて 189 ユダヤ教徒ネットワークとオスマン朝 宮武志郎 193 はじめに 193 一 スファルディームとマラーノ 194 二 オスマン朝とユダヤ教徒 199 三 ナスィ一族とモーゼス・ハモン 201 四 モーゼス・ハモンとアマトゥス・ルスィタヌスの関係 209 結びに代えて 212 前近代イスラーム帝国における圧政の実態と反抗の論理 −一七八四年アレッポの事例から− 黒木英充 215 はじめに 215 一 都市騒乱の展開 217 二 圧政の会計簿 220 三 さらなる圧政と駆け引き交渉 225 四 むすびにかえて―都市の政治とイスラーム法官の役割 229 ムガル帝国の国家権力と土地制度 佐藤正哲 235 はじめに―問題提起 235 一 「ムガル王朝」の成立 236 二 皇帝権力の確立過程 240 三 貴族層の支配と軍事集団の構造 244 四 国家の支配と土地制度 250 おわりに ―結論と課題 254 ムガル朝とヨーロッパ人 小名康之 257 はじめに 257 一 ムガル宮廷とカトリック宣教師 258 二 ジャハーンギール時代とヨーロッパ人 263 三 ポルトガル人との対立事件 267 四 おわりに 273 日本人のアフリカ認識 ―アフリカおよびアフリカ人をめぐるイメージ形成とその変遷 ― 藤田みどり 277 一 はじめに―「暗黒大陸」という神話 277 二 日本におけるスタンレー探検記の受容 279 三 十六世紀の日本とアフリカ 281 四 江戸時代のアフリカ知識 284 五 明治初期日本人のアフリカ理解 290 六 結びにかえて 293 建築から見たイスラーム・環インド洋世界 深見奈緒子 299 はじめに 299 一 継承と発展 300 二 イスファハーンの建築と都市 311 まとめ 324 はしがき(松井透) 構造と展開 商人と市場 松井透 3 はじめに 3 一 市場とは 6 二 市場・情報・その具体相 17 三 貨幣商、「フロンティア商人」 33 四 世界史と市場 50 むすび 70 交流と比較 ソグド人の移住聚落と東方交易活動 荒川正晴 81 はじめに 81 一 移住聚落の形成と東方交易活動 83 二 北朝系諸王朝・隋代の移住聚落 85 三 唐帝国の成立と聚落 92 おわりに 100 東南アジアと「交易の時代」 大木昌 105 問題の所在 105 一 交易ルートと交易圏 108 二 市場と商人 113 三 交易の商品構成 118 四 東南アジアと交易の時代 123 結語 128 奴隷貿易からみたブラジルとアフリカ ―十八世紀ブラジルにおける「ゴールド・ラッシュ」と大西洋システム― 布留川正博 131 はじめに 131 一 「ゴールド・ラッシュ」と国内経済ネットワークの形成 134 二 奴隷貿易と奴隷商人 151 論点と焦点 古代ギリシアの商業と国家 前沢伸行 157 はじめに 157 一 研究史の整理と問題の所在 157 二 前五世紀・四世紀前半の穀物取引と商人 161 三 前四世紀後半の海上貿易と国家 169 むすび 176 ヨーロッパ商業空間とディアスポラ 深沢克己 181 一 概念と対象 181 二 経済活動の諸条件 183 三 離散過程と分布構造 189 四 商業発展と事業ネットワーク 196 五 文明史上のディアスポラ 203 中東イスラーム世界の国際商人 坂本勉 209 問題の所在 209 一 広域的な交易市場圏で卓越する非ムスリム商人 212 二 近代になって拡大する非ムスリム商人のネットワーク 219 商業の時代と民衆 ―「イズミル市場圏」の変容と民衆の抵抗― 永田雄三 235 問題の設定 235 一 イズミル市場圏の原風景 236 二 イズミル市場圏の成立 239 三 名士と民衆 244 四 国家権力の変質と国際経済への従属 252 おわりに 259 貨幣が語る諸システムの興亡 黒田明伸 263 一 見えざる合意 263 二 二つの貨幣 ―地域流動性と地域間兌換性 265 三 銅貨の世界と金銀貨の世界 270 四 分水嶺としての十三世紀 277 五 本位貨幣制と世界経済システム 280 「商人と国家」の経済学 ―経済史の地域性― 原洋之介 287 はじめに 287 一 市場経済論 289 二 市場経済発達史の非普遍性 293 三 経済史の地域性 300 はしがき(近藤和彦) 構造と展開 近世ヨーロッパ 近藤和彦 3 はじめに ―主権国家と啓蒙 3 一 近世ヨーロッパの歴史的諸前提 6 二 史料と統計 17 三 十六世紀の政治・文化・宗教 26 四 十七世紀の「危機」と調整 49 五 長い十八世紀における兵站競争 54 六 啓蒙と公共圏 65 境域と局所 オスマン帝国とヨーロッパ 新井政美 83 一 スレイマン一世時代のオスマン帝国とヨーロッパ 84 二 スレイマン以後のオスマン帝国とヨーロッパ 90 三 十八世紀のオスマン帝国とヨーロッパ 95 ロシア帝国とヨーロッパ 土肥恒之 103 はじめに 103 一 ロシアにおける西欧商人 105 二 ラテン文化圏の影響 113 結びにかえて 119 クリオーリョ・啓蒙・ナショナリズム ―スペイン帝国における言語のせめぎあい― 安村直己 123 はじめに 123 一 帝国支配のイデオロギーとクリオーリョ・アイデンティティ 125 二 公定ナショナリズム、啓蒙、スペイン・ナショナリズム 129 三 クリオーリョ・ナショナリズムと啓蒙 133 おわりに 139 論点と焦点 国家・教会・民衆 ―宗教改革と近世イギリス社会― 小泉徹 147 一 ドーチェスタの「改革」 147 二 改革を取り巻く状況 157 三 改革のもたらしたもの 161 四 改革・文化・国家 167 近隣関係・都市・王権 ―十六−十八世紀パリ― 高沢紀恵 171 はじめに 171 一 近隣関係と街区システム(一五五○− 一六五○年) 173 二 ポリスの侵入 180 三 教区と名望家 185 おわりに 191 バロック期のジェンダーと身体 ―国境地域ロレーヌから考える― 長谷川博子 195 はじめに 195 一 十七世紀の悲惨 199 二 産むことをめぐって 206 むすびに 218 近世共和主義 ―「君主のいる共和国」について― 佐々木武 223 一 政治、言葉、歴史 226 二 「コモンウェルス」 232 三 「イングランド共和国」の実在と「共和主義者たち」 ―「君主のいない共和国」― 237 結びにかえて ―「アメリカ共和国」の創造 ―ジョン・アダムズ、ニーダムに出会う 240 公共圏の成立 高橋順一 247 一 理論史的背景 ―「公共性」の概念史 247 二 近代初期における公共圏の諸相 258 三 公共圏の行方 263 はしがき(川北稔) 構造と展開 環大西洋革命の時代 川北稔 3 はじめに ―近代世界の転換 3 一 七年戦争と二重革命 7 二 イギリスの産業革命 13 三 アメリカの独立―最初のクレオール革命 30 四 フランス革命 41 五 パックス・ブリタニカの予感 55 おわりに 68 境域と局所 消滅した国家ポーランド 小山哲 75 一 「王たちの菓子」 ―問題としての「ポーランド分割」― 75 二 「自由の劇場」 ―ザクセン朝時代― 78 三 「クサンティペとの結婚」 ―スタニスワフ・アウグスト、バール連盟、第一次世界大戦― 四 「穏やかな革命」 ―常設評議会から四年議会へ― 88 五 「自由、全体、独立」 ―第二次分割、コシチューシコ蜂起、第三次分割― 94 六 「ポーランド未だ滅びず」 ―「貴族の共和国」の消滅と「ポーランド問題」の生成 98 ハイチ革命とラテンアメリカ諸国の独立 浜忠雄 103 はじめに 103 一 「カリブ海の真珠」 104 二 ハイチ革命の性格 106 三 ラテンアメリカ諸国の独立とハイチ 114 おわりに 123 開発原病の世界史 見市雅俊 127 一 問題の所在 127 二 伝染病の誕生と人口増大 128 三 アフリカにおける開発原病 130 四 病気の世界の環太平洋革命 ―黄熱病 138 五 開発原病論の系譜 141 六 まとめ 144 フランス革命・女性・基本的人権 ―「公教育」と統合/排除のメカニズム 小林亜子 149 はじめに 149 一 「一七八九年の人権宣言」と女性 152 二 政治空間への女性の参入 154 三 「一七九一年憲法」における公教育と女性 157 四 権利の平等と公教育 ―グージュとコンドルセ 160 五 「共和国」と女性の権利 165 六 「市民」としての女性 167 七 「共和国」の女性の表象 169 八 「一七九三年の権利宣言および憲法」と公教育 170 九 女性の運動の終焉 176 十 マリアンヌからヘラクレスへ 178 おわりに 180 論点と焦点 ロベスピエール現象とはなにか ―革命的ディスクールと政治文化ー 松浦義弘 187 はじめに 187 一 ロベスピエールのディスクール 189 二 ロベスピエールの言語行為の社会的インパクト 197 おわりに 210 近代家族モデルの成立 姫岡とし子 215 はじめに 215 一 血縁家族概念の成立 218 二 市民層の台頭と新しい価値観 220 三 近代市民家族の理念 222 おわりに 231 プロイセンにおける国家と学校 阪口修平 235 はじめに 235 一 旧プロイセンにおける民衆学校 237 二 過度期における国家と学校 244 おわりに 254 アメリカにおけるナショナル・アイデンティティの形成 ― 植民地時代から一八三○年まで ― 和田光弘 259 はじめに 259 一 植民地時代におけるアイデンティティ 260 二 独立革命期におけるナショナル・アイデンティティの生成 267 三 建国期から一八三○年代までのナショナル・アイデンティティ 296 おわりに 274 プランテーション奴隷の生と死 西出敬一 283 はじめに 283 一 砂糖プランテーションと黒人奴隷 284 二 奴隷の病気と死 291 三 マルーンと反乱 296 むすび 306 はしがき(福井憲彦) 構造と展開 ヨーロッパの世紀 福井憲彦 3 はじめに 3 一 工業化の過程と人びとの存在条件の変化 8 二 国是としての殖産興業・富国強兵 19 三 政治の転換・社会の変容 32 四 国民形成と文化の多様性 45 五 世界の一体化と知の変貌 60 おわりに 67 境域と局所 東欧のネイションとナショナリズム 南塚信吾 73 はじめに 73 一 ホブスボームとフロッホ 75 二 ネイションというアイデンティティ 79 三 ネイションの覚醒と運動 81 四 ナショナリズムとネイション・ステイト 87 カナダ連邦結成におけるイギリスとアメリカ 木村和男 97 はじめに 97 一 連邦結成への前提 98 二 南北戦争と連邦結成の強行 103 三 フランス系と沿海植民地による抵抗と本国の介入 107 四 大陸横断国家の成立トアメリカからの「認知」 111 むすび 115 アイルランドにおける自治運動の展開 ―保守派連邦構想から第一次自治法案まで 森ありさ 119 はじめに 119 一 アイザック・バットの連邦構想 121 二 教育制度改革、農地改革と自治 127 三 アイルランド国民党と第一次自治法案 133 おわりに 139 帝国主義と自由と人権 ―中東・イスラーム世界からの逆照射― 小杉泰 143 はじめに 143 一 自立の希望と帝国主義 144 二 フランス革命の影響 147 三 二重陣形の戦い 151 四 中庸の道 154 五 マッカ会議 158 論点と焦点 イギリス帝国とアジア 秋田茂 165 はじめに 165 一 イギリス帝国とインド 167 (一) イギリス東インド会社の廃止 167 (二) 「自由貿易帝国主義」政策の展開 168 (三) 「本国費」とインド財政 171 二 イギリス帝国と東アジア 173 (一) 中国とイギリス帝国 173 (二) 近代日本とイギリス帝国 178 三 「アジア間貿易」の形成とイギリス帝国 181 おわりに 184 国民国家と「伝統」の創出 ―一八七○−一九一四年、フランスの事例から― 工藤光一 187 はじめに 187 一 「共和主義的伝統」の創出 189 二 「祖国」の連続性と「祖国愛」の神話 ―ガリア人とジャンヌ・ダルク― 203 おわりに 213 国民形成と地域文化 原聖 217 はじめに 217 一 ロマン主義と辺境/地方 218 二 地方文化の変貌 223 三 地域の政治化 230 おわりに 237 都市と性の近代 ―ベルリン・ロンドン・パリ― 川越修 241 はじめに 241 一 近代ヨーロッパの都市化と首都 242 二 都市の近代 246 三 性の近代 250 四 第一次世界大戦と社会国家システム 254 おわりに 258 ジェンダー社会の成立、展開、フェミニズムからの挑戦 ― 十九世紀アメリカ史の一解釈 ― 有賀夏紀 261 はじめに ―ジェンダー社会とは 261 一 市民国家の成立、発展 ―政治のジェンダー化― 263 二 男の世界の成立 ―労働のジェンダー化― 270 三 女の世界 ―家族のジェンダー化― 276 おわりに ―フェニミズムの限界と新たな可能性 279 |