新版岩波講座世界歴史シリーズの目次(3)第十九巻から第二十九巻


第 十九巻 移動と移民
第 二十巻 アジアの<近代> 
第 二十一巻 イスラーム世界とアフリカ
第 二十二巻 産業と革新
第 二十三巻 アジアとヨーロッパ
第 二十四巻 解放の光と影
第 二十五巻 戦争と平和
第 二十七巻 ポスト冷戦から二一世紀へ
第 二十八巻 普遍と多元
第 二十九巻 〈別巻〉総目次・文献索引

第十九巻 移動と移民

はしがき(杉原薫)

構造と展開

   近代世界システムと人間の移動     杉原薫     3
     はじめに                       3
     一 「移民の世紀」の形成と構造         6
     二 「大西洋経済」の発展とヨーロッパからの移民 21
     三 アジアからの移民と地域ダイナミズム    36
     むすび                        51

交流と比較

   ユダヤ移民とアメリカ社会     野村達朗         65
     一 アメリカ合衆国と移民労働力         65
     二 ユダヤ人のアメリカ移住            67
     三 ロシア帝国のユダヤ人             70
     四 ニューヨークでの経済生活           74
     五 階級的解放を求めて              80
     六 アメリカが与えたもの              83

   オーストラリアにおけるアイルランド系移民
     ―聖パトリックの日に見るアイデンティティの変遷 ―    藤川隆男  87
     はじめに                        87
     一 豊な移民たち                   88
     二 パブリック・アイデンティティ           91
     三 多元的アイデンティティ              94
     四 マルチカルチュラル帝国主義のもとで     98
     五 真のオーストラリア人として           102
     おわりに                         106

   強制移民としての大西洋奴隷貿易     室井義雄    109
     はじめに                         109
     一 研究史の現在的地平               110
     二 <大西洋システム>と奴隷貿易         113
     三 大西洋奴隷貿易とアフリカ社会         123
     むすびにかえて                     139
 
   インド人年季契約制は奴隷制の再来であったのか     脇村孝平    143
     はじめに                          143
     一 移民の世紀                      145
     二 奴隷制と年季契約制                147
     三 再版奴隷制説の検討                152
     四 シルダール・家族生活・農民化 ―モーリシャスの事例を中心として―  157
     五 年季契約制の廃止                 161
     おわりに                          165

   一九三〇年代の華僑通商網と日本     籠谷直人     171
     はじめに                           171
     一 一九三○年代のアジア国際通商秩序       173
     二 英領マラヤにおける華僑と印僑           178
     三 アジア通商網の多様化                181
     四 アジア通商網と日本人織布業者の回復      185
     五 日中全面戦争後の華僑通商網           188
     まとめにかえて                       195

論点と焦点

   古代末期地中海世界における人の移動と社会変容     足立広明  201
     はじめに                      201
     一 民族移動期研究の抱える諸問題     203
     二 ゴート人の移住と定住 ―ポーランド沿岸から黒海北岸まで― 206
     三 バルカンの一○○年 ―三七六年から四七六年年のゴートとビザンツ― 209
     むすびにかえて ―古代末期における移動、移民、エスニシティ   222

   古代中国における移動と東アジア     関尾史郎  225
     はじめに                       225
     一 非漢族の中国内徙と魏・西晋王朝     228
     二 「五胡十六国」の中国支配と徙民措置   234
     三 漢族徙民の発生と移動            240
     四 周縁における移動と東アジア        247
     おわりに                       251

   朝鮮人の国外移住と日本帝国     水野直樹    255
     はじめに                       255
     一 帝国本土への移住              256
     二 帝国領土外への移動・移住         264
     おわりに ―在外朝鮮人のネットワーク―   271 
 
   日本における中国人亡命政客と留学生     中村哲夫   277
     はじめに                       277
     一 光緒新政と日本への留学熱         278
     二 亡命政客とその文化性向          283
     三 明治漢学と中国的「近代」の形成     287
     むすび                       296

   イスラーム世界の巡礼     後藤明         299
     はじめに                      299
     一 イスラーム前のメッカ巡礼         299
     二 メッカ巡礼のイスラーム化         303
     三 イスラームの聖地としてのメディナ    308
     四 イスラームの「聖地」エルサレムの誕生 310
     五 イスラーム世界の聖者崇拝        312
     六 エジプトからの巡礼団と参詣       318
     七 多目的な巡礼の旅            318
     八 近代、現代の巡礼            319


第二十巻 アジアの <近代> 

はしがき(浜下武志)

構造と展開

   アジアの〈近代〉     浜下武志       3
     はじめに                 3
     一 アジアの歴史的地域秩序とその変容 10
       (一) 十九世紀の東アジア世界 ―交易ネットワークを中心に―  11
       (二) 海域からみた近代アジア                      22
     二 ヨーロッパとアジア         29
     三 民族・国家・地域          32
     四 移民と広域地域関係        39
       (一) アジアの<近代>論からアジアの<地域>論へ   39
       (二) 広域地域秩序と国際関係 ―日本を題材に― 42
       (三) 清末華夷秩序の展開    51
     五 まとめと展望             59

境域と局所

   台湾と日本の植民地支配     栗原純      69
     はじめに                    69
     一 戸口制度の成立            71
     二 共通法と内台共婚問題        74
     三 法三号と共婚問題           77
     四 共婚法と戸籍制度           82
     五 徴兵実施と戸籍制度          84
     おわりに                   88

   イギリス植民都市の形成     ―シンガポールと華南の複合的地域関係― 可児弘明     93
     はじめに                   93
     一 自由放任主義の港と町        97
     二 ヒトからみた複合的な地域関係   100
     三 漢字看板のあふれるイギリス植民地 107
     四 香港の海域的な広がり        111
     むすび                    113

   一九世紀東南アジアの村落  ―ベトナム紅河デルタにおける村落形成―   桜井由躬雄  119
     はじめに                   119
     一 地域としての紅河デルタ       125  
     二 紅河デルタ「伝統的」村落の形成  129
     三 ラン歴史の共時性           132
     四 ラン・バックコックにおける「伝統的」村落社会の形成 135
     おわりに                   142

論点と焦点

   太平天国と歴史学     ―「客家ナショナリズム」の背景― 菊池秀明     151
     はじめに                     151
     一 近現代中国の激動と太平天国史研究 152
     二 太平天国と客家の関係 ―太平天国史研究をめぐる新動向― 155
     三 「客家ナショナリズム」の成立と太平天国 163
     おわりに                     169

   朝鮮ナショナリズムの展開       糟谷憲一   171
     はじめに                     171
     一 衛正斥邪派および開花派の形成    172
     二 閔妃政権の開花政策への転換     175
     三 清の宗主権強化政策への抵抗運動  180
     四 一八九四−九六年の変革        184
     五 初期義兵と独立協会           187
     六 義兵運動と愛国啓蒙運動        191
     おわりに                     195

   清末の都市と風俗 ―天津史のばあい―    吉沢誠一郎  197
     一 清末都市社会の形成と風俗      197
     二 風俗の内実                200
     三 風俗を改良する             211
     小結                      216

   イギリスのインド支配とカースト     藤井毅       221
     一 問題の所在 ―カースト発見の歴史環境―  221
     二 カーストの意識化過程              224
     三 キリスト教会とカースト              228
     四 カースト観の類型                 238
     五 植民地官僚とカースト              240
     まとめ                          241

   フィリピン革命 ―単一国家と連邦制のせめぎ合い―     池端雪浦    245
     はじめに                        245
     一 革命の概要                   247
     二 パナイ島の連邦主義             252
     三 マロロス政府の対応             258
     四 在俗司祭の支援               262
     まとめ                        266
  
   近代の日本と「アジア主義」     並木頼寿     269
     はじめに                      269
     一 想像の畏敬から実体験へ         272
     二 「文明」と「野蛮」               276
     三 大陸への恐れと「文明日本」の差別化  278
     四 大アジア主義の歴史的意味        283
     おわりに                      288


第二十一 巻 イスラーム世界とアフリカ

はしがき(小松久男)

構造と展開

   危機と応戦のイスラーム世界     小松久男       3
     プロローグ                      3
     一 分離と統合                   4
     二 従属と変容                   20
     三 タリーカとジハード               40
     四 イスラームとナショナリズム         56
     エピローグ                     74

   オランダ植民地支配末期におけるジャワ・ウラマーの政治関与 
      ―層としてのウラマーの結集(NU)とイスラーム法解釈の展開―   中村光男     81
     プロローグ                     81
     一 「ウラマーの覚醒」              84
     二 植民地体制との関係 ―層としてのウラマーの結集 89
     三 日本占領期における大転換と独立戦争=聖戦決議 91
     四 「父親代わり」としてのスカルノ大統領の権威 92
     エピローグ ―NUとパンチャシラ        94

   ウンマと中華の間  ―清朝治下の新疆ウイグル社会―   王柯     97
     はじめに                      97
     一 「招服」から「征服」へ            98
     二 分割統治とベク制             100
     三 満州族皇帝の民              104
     四 カシュガル・ホージャ家のジハード    109
     五 「新疆建省」とウイグル社会の変容   113
     おわりに                     116

   タンズィマート改革期のボスニア・ヘルツェゴヴィナ     江川ひかり   119
     一 問題の所在                 119
     二 ボスニアにおけるチフトリキ        121
     三 土地紛争の発生と調停努力       127
     四 結びにかえて                136

   マフディー運動の域内連関    ―十九世紀東スーダンと中東・アフリカ世界  栗田禎子 ―  141
     はじめに                      141
     一 十九世紀中東のイデオロギー状況とマフディー運動 142
     二 マフディー運動と世界資本主義体制の中のスーダン 155
     三 結びにかえて                 162

論点と焦点

   「周縁」からみた近代エジプト ―空間と歴史認識をめぐる一考察―     加藤博   169
     はじめに                     169
     一 近代エジプトは近代日本の反面教師  170
     二 近代エジプトの歴史的意義づけをめぐる論争 174
     三 「周縁」からみた近代エジプト       178
     おわりに                      186

   宗教学者の権威の確立とイランの近代  ―二つの革命の底流―    嶋本隆光  189
     一 問題の所在                 189
     二 十九世紀イランの社会・経済的条件と宗教学者 191
     三 ウラマーの権威の確立への序曲  ―十八世紀末まで 194
     四 ベフベハーニーと理性重視の立場の勝利 198
     五 オスーリー派の勝利とモジュタヘド    200
     六 アンサーリーの経歴             202
     七 アンサーリーの業績             204
     八 アンサーリー以後 ―二つの革命の底流 208

   オスマン海軍の一九世紀 ―近代化をめぐって―    小松香織   211
     はじめに                       211
     一 オスマン海軍の近代化政策         212
     二 アブデュルハミト二世時代のオスマン海軍 214
     おわりに                       226

   中東における国際人脈の形成   ―ヒトの移動の光と影―  橋本光平  229
     はじめに                       229
     一 十九世紀末の民族大移動          230
     二 絹から移民へ                  232
     三 「アメリカ」へ                  233
     四 「リトル・シリア」の光と影           235
     五 移民と経済                   239
     六 移民とエスニシティの強化          241
     おわりに                       244

   一九世紀の西アフリカにおけるイスラーム化と植民地化
       ―トゥクロール帝国を中心に―     岡倉登志  247
     はじめに                         247
     一 トゥクロール帝国 ―由緒正しいイスラーム帝国」の盛衰
     二 ラービフ帝国とソコト帝国の「内乱」       258
     結びにかえて                      262

   スーダンの「部族」と「民族」 ―「未開」社会のダイナミズム―     大塚和夫   265
     一 問題の所在                    265
     二 部族社会論                    267
     三 ヌエル社会の十九世紀と二○世紀      269
     四 「部族」と「民族」再考              276
     五 結びにかえて ―歴史学と人類学      282


第二十二巻 産業と革新

はしがき(斎藤修)

構造と展開

   産業革命    ―工業化の開始とその波及    斎藤修    3
     はじめに                            3
     一 英国の産業革命                     4
     二 諸国民の工業化                     22
     三 帰結                            45

交流と比較

   機械工場の世紀  ―二○世紀アジアにおけるその情景―    尾高煌之助   61
     はじめに                            61
     一 工場制工業の歴史的前提               62
     二 機械生産の在来的ルーツ               65
     三 アジア的機械工場の世界               78
     四 工場文化のアジア的様相               80
     五 機械工場興隆の究極的要因             82
     
   模倣と着想  ―J・ウェッジウッド、森村左衛門、もう一つの産業化―     鈴木良隆  87
     一 製陶業の産業化と二人の実業家          87
     二 ジョサイア・ウェッジウッドにおける東洋       88
     三 森村左衛門の事業構想における西洋       94
     四 もう一つの産業化と製陶業              99
     五 むすび  ―もう一つの産業化と企業者      105

   パリ万国博覧会労働者委員会   ―産業家と労働者エリート―   木下賢一   109
     はじめに                           109
     一 パリ万国博覧会労働者代表             111
     二 労働者委員会                     115
     三 ウジェーヌ・タルタレ                  118
     四 労働者評議会                     124
     おわりに                           127

   殖産興業の日韓比較     梁義模               131
     はじめに                           131
     一 産業政策の比較                    133
     二 産業政策の基盤の比較                135
     むすび                            145

論点と焦点

   もう一つの「工業化」    ―在来的経済発展論の射程―  谷本雅之  151
     一 関心の所在                      151
     二 「中小経営」の存在形態               152
     三 在来的経済発展の論理 ―織物業の事例から 162
     四 展望                           170

   都市化と交通     馬場哲                    179
     はじめに                           179
     一 都市化の進展と「都市給付行政」の成立     180
     二 都市公共交通の発達                185
     三 市街電車と都市化                  194
     おわりに                           197

   徳から作法へ  ―消費社会の成立と政治文化     草光俊雄   201
     はじめに                           201
     一 奢侈論争、徳と作法                  204
     二 公共圏の成立と文化                  211
     おわりに                            216
 
   ジェンダーとエスニシティ   ―英国の場合   奥田伸子   221
     はじめに                            221
     一 既製服と絨毯 ―事例研究              222
     二 資本主義の発展とジェンダー             227
     三 エスニック・マイノリティの近代経済史        233
     四 エピローグ                        241

   リテラシィから学校化社会へ     松塚俊三            245
     はじめに                           245
     一 リテラシィの急激な上昇とその私的誘因      247
     二 公共政策とリテラシィ                  252
     三 自由主義国家の教育                 254
     四 学校化社会に向かって                260
   
   企業と個人の関係史   ―「市場」と「共同体」の間で   田中洋子   267
     はじめに                           267
     一 イギリスにおける歴史的条件            269
     二 アメリカにおける歴史的条件            274
     三 日本における歴史的条件              278
     四 ドイツにおける歴史的条件             283
     おわりに                          288


第二十三巻 ア ジアとヨーロッパ

はしがき(山内昌之)

構造と展開

   アジアとヨーロッパ  ―日本からの視角―    山内昌之  3
     一 日英同盟と日露戦争  ―日本・イギリス・ロシア―    3
     二 日露戦争と第一次世界大戦の間  ― 一つの歴史空間としてのアジア―    14
     三 総力戦としての第一次世界大戦 ― アジアとヨーロッパのとの結合―      29
     四 パリ講和会議からワシントン会議へ  ― ヨーロッパとアジア太平洋の平和―  38
     五 ロシア革命とシベリア出兵 ― 平和の失速 ―                    47
     おわりに  ― 国際協調体制の挫折 ―                          54

境域と局所

   境域の経済秩序    ―上海ネットワークと黄海交易圏  古田和子   63
     はじめに                                  63
     一 黄海交易圏の登場                         64
     二 世紀転換期の変化                         70
     三 通貨圏の選択                            73
     まとめ ―「勢力圏」へ―                        77

   新聞のなかのイラン立憲革命     黒田卓      83
     はじめに                       83
     一 バクーにて                   84
     二 テヘランにて                  92
     三 ラシュトにて                  100
     おわりに                      106

   アメリカ合衆国におけるアジアとヨーロッパ
       ― アジア移民とヨーロッパ系アメリカ人の遭遇と葛藤―     竹沢泰子  111
     はじめに                            111
     一 ヨーロッパ系アメリカ人との遭遇とアジア移民排斥 113
     二 人種化された「アジア人」                126
     むすび                              132
 
   ミンダナオの近代  ― フィリピン国家形成下のマイノリティ―   早瀬晋三   135
     はじめに                             135
     一 近世国家マギンダナオの繁栄              136
     二 近代世界の侵入とマギンダナオの衰退        142
     三 近代植民地国家の成立とマイノリティ         145
     むすびにかえて                         151

   インドの植民地化問題・再考     中里成章           155
     一 十八世紀再検討論と植民地化問題          155
     二 再検討論の検討                     163
     三 ザミンダーリー制の導入と定着            166

論点と焦点


   公共圏の変容と転換   ― 第一次世界大戦下のドイツを例に ―  木村靖二  183
     はじめに                              183
     一 開戦前後の「愛国的高揚」                 184
     二 戦時動員と国民意識                    194
     おわりに                              202

   ファイズッラ・ホジャエフとその時代
       ― 二○世紀初頭中央アジアにおける民族・社会主義・イスラーム―    帯谷知可    207 
     一 ホジャエフの歩み                       207
     二 革命と反革命のあいだ                    212
     三 「ブハラ」「トルキスタン」「イスラーム」そして「ウズベク」 218
     四 「民族」と「国家」の誕生 ― 一九二四年中央アジア民族別国境画定 222
     おわりに                               227

   東欧独立国家の形成     ―「民族革命」の矛盾― 柴宜弘    231
     はじめに                               231
     一 帝国の崩壊と「民族革命」                  233
     二 国家の再建 ―ポーランドの場合―            237
     三 新国家の建国 ― チェコスロヴァキアとユーゴスラヴィアの場合 ― 241
     四 大幅な領域の拡大 ― ルーマニアの場合 ―      246
     むすびにかえて                           249

   モンゴル人民革命党とコミンテルン
          ― コミンテルン駐在代表ルイスクロフの更迭問題をめぐって―    生駒雅則  253
     はじめに                               253
     一 モンゴル人民党とコミンテルンの接触           254
     二 コミンテルン代表ルイスクロフのモンゴル派遣      258
     三 ルイスクロフとリンチノの対立と両者の更迭        264
     四 モンゴル人民革命党に対するコミンテルンの指導強化 269
     おわりに                               274

   帝国日本の形成     酒井哲哉                    277
     はじめに                               277
     一 植民地統治モデルの場合 ―藩閥と政党―       278
     二 植民地統治体制の確立 ― 同化主義とその批判者たち 286
     おわりに                               295
 
   東アジアとキリスト教文明     坂本多加雄              299
     はじめに                               299
     一 前史 I ― 十六世紀から十八世紀 ―           301
     二 前史 II ― 十九世紀 ―                  308
     三 二○世紀初頭の東アジアとキリスト教           315
     むすび                                322


第二十四巻 解放の光 と影

はしがき(木畑洋一)

構造と展開

   危機と戦争の二〇年     木畑洋一        3
     はじめに                     3
     一 世界恐慌の衝撃              5
     二 ナチズムとスターリニズム        13
     三 戦争への道                22
     四 第二次世界大戦             31
     五 戦後改革と冷戦             44
     おわりに                    58

   ソ連における朝鮮人強制移住  ―ロシア極東から中央アジアへ―   岡奈津子 65
     はじめに                    65
     一 一九二○−三○年代のロシア極東における朝鮮人 66
     二 強制移住                 73
     三 中央アジアでの生活          82
     四 結びにかえて              88
    
   シオニズムとアラブ問題
         ―ベングリオンと労働問題における民族分離主義を中心に―    鴨下まり子  91
     一 序                      91
     二 分離と共存のはざまで          92
     三 パレスチナとアラブ問題         93
     四 キブーツとアラブ問題          98
     五 アラブ住民移送問題をめぐって    110
     六 結び                    116

   大東亜共栄圏と戦争責任   ―第二次世界大戦の被害者と加害者―  倉沢愛子  119
     はじめに                      119
     一 日本の占領と東南アジアの脱植民地化 ―「解放史観」の背景 121
     二 日本の宣撫工作              127
     三 「今すぐ独立を!」 ―独立準備調査会議事録から 132
     四 結びにかえて                137

論点と焦点

   コミンテルンと東方・植民地     栗原浩英     143
     はじめに                       143
     一 コミンテルンにとっての東方         145
     二 国益・権力闘争と革命            151
     三 辺境の革命                  157
     おわりに                       160

   中国国民政府論  ―未完の訓政       安井三吉   163
     はじめに                        163
     一 孫文の国民政府構想              164
     二 胡漢民の訓政論と蒋介石独裁への道    168
     三 国民大会と地方自治              172
     むすび                         180

   インド・パキスタン分離独立   ―中央の論理・地方の論理―  井坂理穂   185
     一 序 ― 研究動向と本稿の試み        185
     二 ベンガル州と分離独立             188
     三 ハイダラバード藩王国のインドへの統合   198
     四 結びにかえて                   203

   イランとソ連の狭間で ―アゼルバイジャン国民政府の一年―     徳増克己   207
     はじめに                        207
     一 舞台の形成                    208
     二 アゼルバイジャンにおける地方政権の出現 214
     三 アゼルバイジャン国民政府崩壊への道   221
     おわりに ― 事件の評価と余波―        225

   人種主義・戦争・ホロコースト      石田勇治     229
     はじめに                        229
     一 近代の思考原理としての人種主義とその社会的政治的機能
        ―階級・ナショナリズム・反セム主義・人種衛生学―   230
     二 ナチ体制におけるユダヤ人政策の急進化 234
     三 ナチの人種主義と親衛隊           237
     四 第二次世界大戦とホロコースト        242
     おわりに                        247

   歴史現象としてのファシズム  ―その定義をめぐる問題を中心に―   馬場康雄  253
     はじめに                        253
     一 ファシズム現象の捉えがたさ          254
     二 「本質」論                      259
     三 帰納法的定義法                 260
     四 権力構成論                    262
     五 機能―構造分析                 263
     六 結びにかえて                   265
 

第二十五巻 戦争と平和

はしがき(油井大三郎)

構造と展開

   世界史のなかの戦争と平和     油井大三郎       3
     はじめに                         3
     一 戦争の定義と起源                 4
     二 原始的戦闘から古代の戦争へ         13
     三 騎士・十字軍から常備軍へ           30
     四 国民軍の誕生と戦争被害の増大        44
     五 世界大戦と「総力戦」の世紀           60
     六 世界平和の模索                  71

交流と比較

   何が裁かれ、何が裁かれなかったのか
        ―ニュルンベルク裁判とドイツ人によるナチ犯罪裁判の問題―     芝健介  79
     はじめに                         79
     一 ニュルンベルク国際軍事裁判IMTとその評価 82
     二 ニュルンベルク継続裁判NMT           88
     三 管理理事会法第一○号をめぐる攻防      93
     結びにかえて                       96
    
   戦争の記憶        吉田裕                99
     はじめに                         99
     一 敗戦と占領―記憶の抑圧            100
     二 占領の終結 ―記憶の解放           104
     三 国民意識の両義性                106
     四 高度成長の時代 ―記憶の風化        109
     五 「終戦記念日」の設定               111
     おわりに                         115
 
   国際機構と平和波動     最上敏樹             119
     一 方法の問題   ―国際機構を「歴史する」とは何か 119
     二 国際機構の思想的「進歩」             124
     三 波動について ―三つの類型           128
     四 飽和と放射 ―終わるものと始まるもの     132
     おわりに                          143

論点と焦点

   中国古代の戦争と平和     湯浅邦弘           149
     はじめに                         149
     一 戦争の記録と思索                 150
     二 軍事思想の展開                  154
     三 中国文武観の成立と戦争神の変容       158
     四 平和論と戦争論の行方              161
     おわりに                         165

   神の平和と神の戦争     ―ヨーロッパの形成と拡大―  山内進   167
     一 キリスト教と戦争                  167
     二 アウグスティヌスにおける「正義」とい「聖戦」  168
     三 神の平和と十字軍                 171
     四 北の十字軍                     174
     五 ドイツ騎士修道会                  177
     六 ホスティエンシスの理論              180
     七 ヨーロッパの拡大                  182

   コンキスタドールと中南米植民     高橋均        185
     一 従来の征服者観                  185
     二 レコンキスタの生活理想              187
     三 事業家としての征服者               190
     四 新しい都市に住む新しい領主           193
     五 征服者胸算用                    197

   戦争と女性・女性と軍隊     大久保桂子        205
     はじめに                        205
     一 男の戦争・女の平和?             207
     二 軍隊に生きる女性たち             212
     三 包摂から排除へ                 218
     おわりに                        223

   「人権の祖国」の植民地戦争     杉本淑彦      227
     はじめに                        227
     一 「文明化の使命」論の喧伝           228
     二 民衆と「文明化の使命」論           233
     三 民衆の耳目をふさぐもの            236
     四 知ることの力                   238
     おわりに                        243

   戦争と革命と平和     ―シベリア出兵をめぐって― 原暉之    245
     はじめに                       245
     一 対外膨張策としての北進策          247
     二 緩衝国としての極東共和国          253
     おわりに                        261
    
   戦争の世紀と非暴力   ―マハートマ・ガンディーとインド民族運動―   長崎暢子  263
     はじめに                       263
     一 インドの植民地化と民族運動における「暴力」 264
     二 ガンディーの非協力運動             266
     三 ガンディーの非暴力思想 ―不殺生と真理  268
     四 行動としての非暴力                272
     五 ガンディーと第二次世界大戦          275

   ムジャーヒドたちのたたかい、シャヒードとしての戦死     山岸智子  283
     一 イスラームとしての戦争              283
     二 ジハードの新解釈                 287
     三 革命のジハード                   289
     四 シャヒード論の地平                292
     五 「イスラームの家」はさらに遠く ― 一九八○年代以降 295
     六 結びにかえて                   298


第二十六巻 経済成長と国際緊張
はしがき(古田元夫)

構造と展開

   経済成長と国際緊張の時代     古田元夫          3
     はじめに                          3
     一 前半期(五○−六○年代)の展開        8
     二 転換期としての六八-七三年           28
     三 後半期(七四−八○年代)の展開        32
     結びにかえて   ―世界史における国民国家   45

境域と局所

   ヴェトナム戦争と時代精神の変容     坪井善明     55
     一 異なる結論                     55
     二 ヴェトナム戦争とは?               61
     三 ヴェトナム人の身体感覚と普遍志向      63
     四 ホーチミンの役割                 65
     五 テクノロジー対素手の闘い            69
     六 六○−七○年代の時代精神の変容      74
     七 ヴェトナム自身の変容               77
     おわりに                         80

   キューバ・ミサイル危機   ―冷戦とデタントの交錯点―    湯浅成大   85
     はじめに                         85
     一 危機の十三日間                  86
     二 ケネディを取り巻く人々              95
     三 危機管理はうまくいったのか           99
     まとめ ―冷戦の中のキューバ危機         103

   韓国の「冷戦型開発独裁」と民主化     木宮正史    109
     一 世界史の中の韓国経験              109
     二 「冷戦型開発独裁」                 111
     三 韓国における「冷戦型開発独裁」の成立と展開 113
     四 「冷戦型開発独裁」から民主化への移行 ― 一九八○年代 123
     五 ポスト冷戦・「世界化」の中の民主化 ― 一九九年代     125
     六むすび                         127

   イラン・「イスラーム」革命からイラン・イラク戦争へ     高橋和夫   131
     一 イラン革命                      131
     二 イラン・イラク戦争                  146
     三 「イスラーム」革命と湾岸戦争           153

論点と焦点

   朝鮮戦争から中ソ対立へ ―国家統一・経済建設と革命支援の相克―    石井明   159
     はじめに                          159
     一 台湾の解放を目指して               161
     二 台湾から朝鮮半島へ ―戦略重点の移動    164
     三 鴨緑江を渡る ―朝鮮戦争への介入       166
     四 朝鮮戦争の影響                   169
     五 中国軍事顧問団のベトナム派遣          172
     六 過度の対ソ依存から対ソ反発へ          177

   中国プロレタリア文化大革命     天児慧             181
     はじめに  ―構造相関的アプローチの提起     181
     一 文革への序曲                     185
     二 文革の発動と展開                  188
     三 文革の収拾                      197
     おわりに                          202
  
   中東戦争とパレスチナ問題      臼杵陽          207
     序 戦争の三○年                   207
     一 アラブ・ナショナリズム再考            209
     二 中東戦争とナーセル時代             213
     三 パレスチナ解放運動とアラブ・イスラエル紛争 218
     四 石油ブームとエジプト・イスラエル平和条約への道 220
    
   東南アジアの経済発展と政治変動     浅見靖仁    227
     はじめに                         227
     一 開発独裁以前の政治と経済           229
     二 「開発独裁」下の政治と経済           235
     三 開発独裁の行き詰まり              247
     おわりに                         247

   戦後日独の経済成長とアメリカのドル危機     猪木武徳   251
     はじめに                         251
     一 ドイツ経済の復興と成長             252
     二 米国経済のライバルとしての日本       258
     三 米国のインフレーション             262
     四 日独の対応のちがい ―結びにかえて    268

   ラテンアメリカの工業化と政治変動     恒川恵市    275
     一 二○世紀初頭のラテンアメリカ          275
     二 大恐慌と寡頭制支配の衰退           278
     三 ポピュリズム政権の登場             281
     四 ポピュリズムの矛盾と権威主義体制への転換 285
     五 累積債務危機とグローバル化・民主化     289

   福祉国家の成立と展開     岡沢憲芙           295
     一 福祉国家の系譜と北欧型福祉社会の登場   295
     二 福祉国家スウェーデンの成立           305
     三 福祉国家の成熟と展開               313


第二十七 巻 ポスト冷戦から二一世紀へ

はしがき(山内昌之)

構造と展開

   ポスト冷戦から二十一世紀へ    ―文明論的解釈の試み―  山内昌之    3
     一 失われたユートピア ―自由主義と「平等の空虚さ」          3
     二 日米欧三極構造体制 ―中国の挑戦                 14
     三 民族問題と犯罪 ―二十一世紀最大の野蛮行為          24
     四 イスラームと西欧の対話は可能か  ―ジェンダーの不平等   37
     五 環境と人口と開発 ―人類おいちばん大事な富と犠牲       44
     六 国家の変容と政治的無関心 ― 三つのプログラム        51
 
境域と局所

   台湾海峡の変容 ―「アメリカの平和」のディレンマ     若林正丈       63
     はじめに   ― 台湾海峡における「アメリカの平和」          63
     一 アメリカの「台湾関係法」と中国の「平和統一」政策          66
     二 「台湾関係法」と台湾の民主化                      70
     三 中台実務接触と外交合戦 ―中台新関係のジレンマ        75
      むすび                                      79

   中東和平とアラブ・イスラエル関係の変容     立山良司           83
     はじめに ― アラブ・イスラエル関係の中東和平プロセス       83
     一 九○年代における中東和平プロセス                  85
     二 「問題の再パレスチナ化」とイスラエルの変容             90
     三 アラブ世界の変化と和平拒否思想                   95
     四 今後の課題                                101
     
   アパルトヘイトの終焉     松野妙子          105
     一 アパルトヘイトの歴史             106
     二 「急展開」の背景                110
     三 「交渉による変革」の実態           116
     四 一九九四年の総選挙              122
     おわりに                        122

論点と焦点

   天安門事件とソ連解体     国分良成        127
     はじめに                      127
     一 天安門事件の実相と背景         129
     二 ソ連解体と「和平演変」批判        136
     三 「南巡講和」と「社会主義市場経済」   141
     おわりに                      144

   「アメリカの世紀」の終わり?     古矢旬         147
     はじめに                       147
     一 「アメリカの世界化」 ―普遍文化の形成 150
     二 「アメリカの世紀」の開始           155
     三 「アメリカの世紀」の歴史的意義と限界   162
     おわりに                       173

   社会主義は二〇世紀に何を残したのか     袴田茂樹   179
     はじめに                       179
     一 社会主義の理念と現実            180
     二 壮大な実験の遺産               184
   
   民族問題の過去と現在  ―旧ソ連地域の経験から―    中井和夫         199
     一 ナショナリズムの世紀?            199
     二 ソ連の経験                    201
     三 ソ連解体後の民族問題            204
     四 多民族性の喪失と回復            208
     五 民族自決と民族関係             211

   リベラル・デモクラシーと自由    ― 歴史と現在 ―  松本礼二   219
     はじめに                       219
     一 自由主義と民主主義             220
     二 全体主義の挑戦と自由主義の危機    225
     三 冷戦と自由民主主義体制の確立     228
     四 社会主義の崩壊とネオ・リベラリズム   231
     五 経済の世界化と自由民主主義       235
     
   国際NGOの行方  ― 二○世紀システムの破綻と二十一世紀への模索   ―  村井吉敬 239   
     はじめに  ―国際NGOの「現場」        239
     一 国際NGOと地球市民             240
     二 二○世紀システムの破綻と国際NGOの台頭 242
     三 欧米の国際NGO ―オクスファムを事例として― 246
     四 第三世界の国際NGO            249
     五 日本での国際NGO              253
     むすびにかえて                   256

   不戦共同体の形成とASEANの経験     山影進   259
     はじめに  ―地域主義を見る視点        259
     一 東南アジアの逆説                261
     二 ASEAN前史                    264
     三 不戦共同体をめざして             267
     四 真の共同体への課題              270
     おわりに ―欧州と東南アジア           274

   二〇世紀末の日本経済     吉川洋          277
     はじめに                       277
     一 高度成長から七○年代へ          278
     二 八○年代 ―「ジャパン・アズ・ナンバーワン」 284
     三 九○年代 ― 失われた一○年       291

   地球環境と歴史の未来  ―人口増加と環境の稀少化―    石弘之   299
     はじめに                       299
     一 人口の南北問題                300
     二 人口増加の脅威                302
     三 人口増加の悲劇                303
     四 拡大する人口戦争               305
     五 環境の稀少化と国家崩壊           308
     六 どこへいく二一世紀の地球          313
     
   演劇的空間としてのロシア革命     石井規衛    317
     はじめに                       317
     一 幕開き ―二月革命―            321
     二 ボリシェヴィキの演劇的介入         324
     三 舞台の拡張 ― 一九一八年三月ブレスト・リトフスク講和条約以降― 330
     おわりに ―現代世界と「一九一七年」     330


第二十八巻 普 遍と多元

はしがき(樺山紘一)

構造と展開 

   普遍と個別   ― 二○世紀文化へ向けて―      樺山紘一        3
     一 時代の区分                               3
     二 空間の区分                               6
     三 構図の区分                               8
     四 登位と退位 ―短い覇権                       9
     五 動揺と解体 ―確実なものへの疑義                14
     六 越境と浮遊 ―動きから出会いへ                 17
     七 身体と生活 ―個なる価値の復権                 21
     八 超越と深層 ―不可視との交信                  24
     九 周縁と自立 ―差別と従属をこえて                27
     一○ 手段と媒体 ―メディア領域のグローバルな増殖      29
     一一 実体と基体 ―動かぬものの価値               33

交流と比較

   「社会科学」と「文化史」の相克   ―歴史のための感覚論―    上山安敏   39
     はじめに                        39
     一 ドイツとアメリカの学術交流          40
     二 ランブレヒトと国際化・大学運営        43
     三 講壇とフェイトン(文芸批評)          46
     四 ライプイツィヒ学派と科学論          48
     五 ウェーバー、ランブレヒト、ライプツィヒ学派 50
     六 ランブレヒトの思想の現代性         54
     結び 感覚主義の文化史と社会科学としての宗教学 58

   混血文化の対位法  ―オルティスとカルペンティエール     今福竜太     63
     一 キャリバンの召喚                63
     二 『タバコと砂糖をめぐるキューバ的対位法』 66
     三 対位法的文化論の共振            71
     四 『キューバの音楽』               74
     五 混血文化論としての詩             80

   電子メディア時代の情報  ―普遍言語と地球ネットワーク―     西垣通   85
     はじめに                        85
     一 情報技術は何をもたらしたか         87
     二 イメージ情報をあつかう            92
     三 地球ネットワーク上で流通する言語     98
     むすび                        103

   中華文明と「少数民族」     武内房司        107
     はじめに                       107
     一 「夷」から「漢」へ                108
     二 郡県化の後に                 114
     結び ―再び土司論にむけて          124

論点と焦点

   大衆文化の想像力     佐藤健二           131
     一 大衆文化の発見 ―他者としての群集  131
     二 パラダイムのブリコラージュ ―大衆文化の多元性 139
     三 大衆文化の歴史社会学           148

   合理的思想の動揺     内山節            153
     一 近代社会と民衆                153
     二 ヨーロッパ的ローカリズムの普遍化    155
     三 合理的理性に対する懐疑          158
     四 二○世紀の大衆社会             162
     五 近代哲学の終焉                167
     六 近代思想と市場経済             170
     七 関係的存在の発見              172

   デザインと身体感覚の変容      北山晴一     175
     はじめに                       175
     一 身体と社会、身体と個―文明化の問題として 177
     二 視覚の突出と衣服               182
     三 問題系としてのモード             184
     四 事例研究としてのヴィオネ論         186
     結び ―学習装置としての消費          202

   芸術・機械・創造  ―芸術の可能性と現代―     伊藤俊治   207
     一 機会技術と芸術                 207
     二 マシーンとマスメディア             211
     三 芸術の新しい役割               215
     四 芸術の技術の融合              218
     五 創造の新しい位相               224

   思想としての女性   ―<女性>史、<ジェンダー>史、それとも?―   荻野美穂  229
     はじめに                       229
     一 「女」の発見と可視化             230
     二 ジェンダー概念の登場と変容        234
     三 「女」は存在するのか             240
     四 「言語論的展開」を超えて          244

   幸福と所有     鷲田清一  ―消えた二つの主題― 249
     一 <危機>という言説               249
     二 幸福論の消失                 253  
     三 幸福主義と反幸福主義           256
     四 幸福論の再浮上               263
     五 プロパティと近代社会            266
     六 所有から贈与へ               271

   「アジア」という価値      佐藤慎一         277
     はじめに                      277
     一 西洋の「力」と中華文明          279
     二 民国期の東西文化論           283
     三 マルクス主義と中国的環境        291
     結び ― 改革開放路線と儒教的価値の再評価 293


第 二十九巻 〈別巻〉総目次・文献索引

   総目次 1
   付・月報総目次
   文献索引(日本語文献/中国語・朝鮮語文献/欧文その他の文献)



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