はしがき(樺山紘一)
構造と展開
普遍と個別 ― 二○世紀文化へ向けて― 樺山紘一
3
一 時代の区分 3
二 空間の区分 6
三 構図の区分 8
四 登位と退位 ―短い覇権 9
五 動揺と解体 ―確実なものへの疑義 14
六 越境と浮遊 ―動きから出会いへ 17
七 身体と生活 ―個なる価値の復権 21
八 超越と深層 ―不可視との交信 24
九 周縁と自立 ―差別と従属をこえて 27
一○ 手段と媒体 ―メディア領域のグローバルな増殖 29
一一 実体と基体 ―動かぬものの価値 33
交流と比較
「社会科学」と「文化史」の相克 ―歴史のための感覚論― 上山安敏 39
はじめに 39
一 ドイツとアメリカの学術交流 40
二 ランブレヒトと国際化・大学運営 43
三 講壇とフェイトン(文芸批評) 46
四 ライプイツィヒ学派と科学論 48
五 ウェーバー、ランブレヒト、ライプツィヒ学派 50
六 ランブレヒトの思想の現代性 54
結び 感覚主義の文化史と社会科学としての宗教学 58
混血文化の対位法 ―オルティスとカルペンティエール 今福竜太
63
一 キャリバンの召喚 63
二 『タバコと砂糖をめぐるキューバ的対位法』 66
三 対位法的文化論の共振 71
四 『キューバの音楽』 74
五 混血文化論としての詩 80
電子メディア時代の情報 ―普遍言語と地球ネットワーク― 西垣通
85
はじめに 85
一 情報技術は何をもたらしたか 87
二 イメージ情報をあつかう 92
三 地球ネットワーク上で流通する言語 98
むすび 103
中華文明と「少数民族」 武内房司 107
はじめに 107
一 「夷」から「漢」へ 108
二 郡県化の後に 114
結び ―再び土司論にむけて 124
論点と焦点
大衆文化の想像力 佐藤健二 131
一 大衆文化の発見 ―他者としての群集 131
二 パラダイムのブリコラージュ ―大衆文化の多元性 139
三 大衆文化の歴史社会学 148
合理的思想の動揺 内山節 153
一 近代社会と民衆 153
二 ヨーロッパ的ローカリズムの普遍化 155
三 合理的理性に対する懐疑 158
四 二○世紀の大衆社会 162
五 近代哲学の終焉 167
六 近代思想と市場経済 170
七 関係的存在の発見 172
デザインと身体感覚の変容 北山晴一 175
はじめに 175
一 身体と社会、身体と個―文明化の問題として 177
二 視覚の突出と衣服 182
三 問題系としてのモード 184
四 事例研究としてのヴィオネ論 186
結び ―学習装置としての消費 202
芸術・機械・創造 ―芸術の可能性と現代― 伊藤俊治 207
一 機会技術と芸術 207
二 マシーンとマスメディア 211
三 芸術の新しい役割 215
四 芸術の技術の融合 218
五 創造の新しい位相 224
思想としての女性 ―<女性>史、<ジェンダー>史、それとも?―
荻野美穂 229
はじめに 229
一 「女」の発見と可視化 230
二 ジェンダー概念の登場と変容 234
三 「女」は存在するのか 240
四 「言語論的展開」を超えて 244
幸福と所有 鷲田清一 ―消えた二つの主題― 249
一 <危機>という言説 249
二 幸福論の消失 253
三 幸福主義と反幸福主義 256
四 幸福論の再浮上 263
五 プロパティと近代社会 266
六 所有から贈与へ 271
「アジア」という価値 佐藤慎一 277
はじめに 277
一 西洋の「力」と中華文明 279
二 民国期の東西文化論 283
三 マルクス主義と中国的環境 291
結び ― 改革開放路線と儒教的価値の再評価 293
総目次 1
付・月報総目次
文献索引(日本語文献/中国語・朝鮮語文献/欧文その他の文献)