イラン歴史ドラマ「天への梯子」(1)第一話から七話(ティムール朝時代)


   2008年イラン製作。一話30分全21話。ティムール朝政権で活躍した天文学者ジャムシード・カーシャーニー(1380年頃から1429年)の生涯。ティムール 軍がイランのカーシャーン(テヘランとイスファハーンの中間くらいの都市)を略奪したまさにそ の日に生まれ、暗殺されるまでの生涯を描く。

 前回ご紹介したオマル・ハイヤーム同様、主人公は天文・数学者であることから、筋立てや設定に共通したところが見られます。

・どちらも実在のイラン人学者
・主人公が生れ落ちたその日に町はテュルク系遊牧民族の攻撃で陥落する(「オマル・ハイヤーム」ではセルジューク朝、本作では ティムール朝)
・その後主人公の生涯に渡ってテュルク系王朝がイランを支配する
・主人公は、成年になってその王朝に使えるようになる
・王朝の庇護で天文台が建設され、主人公はそこで天文の研究を行う
・王朝に反抗するテロ宗教団体が登場する
・男勝りのヒロイン

  個人的な推測ですが、ここまで似ていると、オマル・ハイヤームは本来イランが製作すべき題材だったところ、シリア・レバノンに製 作されてしまったので (2002年)、イランはアル・カーシャーニーを題材としたカウンターを製作したのではないかと思ってしまいました。とはいえ、 大きな違いもあって、かな り史劇度の高い「オマル・ハイヤーム」と比べると、本作では、主人公の少年時代はほのぼのドラマ的な部分、後半は活劇風な部分が あり、総じて娯楽作の要素 が高くなっています。イラン昔話のドラマ化という感じでしょうか。いかにもイラン作品という娯楽作品となっています。



第一話

 背景説明のナレーションから開始。ティムルラング イラン ザミーンと説明が出て、ティムールがイラン国侵攻時(1380年) の現イラン中部の都市カーシャーンが舞台だと説明される。

 イランのある町(7分25秒に字幕が出るが読めず)に侵攻したティムール軍は住民を殺戮して廻る。老人・女・子供まで徹底して 殺戮するティムール軍。累々と屍の横たわる町の街路をカーシャーン出身兵士のニザーミーと友人アリーの二人が家に向かっていた。
 

 ニザーミーが家に戻ると、妻と長男ホセインは殺されていたが、誕生したばかりの次男は生きていた。赤子を助け出した直後、ニ ザーミーはティムール軍兵士に胸を射られて負傷する(上右はティムール軍兵士)。

  その頃イラン中部の町カーシャーンのある家では次男の出産を迎えていた。難産の為夫である医師マスウードが帝王切開することにな る。そこに負傷したニザー ミーとその友人アリ・マンスールが助けを求めて来る(左が冒頭戦場となっていた町、右が出産を迎えたマスウードの家。妊婦は右手 奥に横たわっていてその前 に(恐らく)妹が座っている。部屋の真ん中に囲炉裏がある)。

 妹は瀕死のニザーミーの手から赤子を受け取りあやす。手術場面は興味深かった。下右は、麻薬で妊婦を眠らせるところ。中央は器 具の消毒。左は縫合用の針と糸。

 手術道具。

 手術は成功したものの、生まれた赤子は一度は息を止めてしまう。医師マスウードが神とムハンマドに祈り、赤子は息を吹き返すの だった。マスウードはニザーミーの胸から矢を抜き治療する。

 マスウードはその日の出来事を日記に記す。生まれた次男をジャムシードと名づけた。この場面も興味深い。筆記用具が。日記帳の 装丁も目を引くが、筆記用具は鉛筆のような形をしたペンである。

  左からニザーミー、マスウード(かその妻)の妹、ニザーミーの友人アリー、医師マスウード。ニザーミーはマスウードの妹と結婚 し、マスウードの隣の家に住 むことになるのだった。ニザーミーの赤子が主人公ジャムシード・カーシャーニーかと思ったが、どうやら違うようである。

 月日が流れ、6歳くらいになったジャムシードがマドラサ(学校)から元気に飛び出してくるところで終わる。

第二話

 腕白少年となったジャムシードは、授業態度が不真面目で学校で先生に足の裏をせっかんされ、更に自宅の地下におしおきでいれれ られる。
 庭の中央に地下室の天窓があり、隣の娘ヴィースが、地下室でわめいているジャムシードを眺めている。中庭を共有する二軒の家が 並んでいる構造。
 

 第4話でよりわかりやすい映像が出ていたので追加。広間の中庭に面した部分はアーチ式の窓となっていて、これ以外に普通の小窓 のついた部屋がある。

 この家屋の構造は興味深い。上右手柱の右側にも家屋がある。家の庭に面した壁には小窓ではなく、立ったまま出入りできる大きな 窓となっている。
 

  ある日ハドゥレ・ハトゥン(ハドゥレと聞こえたが間違いの可能性もある。以下取りあえずハトゥンと呼ぶ)と呼ばれる貴婦人がたず ねてくる。この人はどうい うわけか、ジャムシードを気に入っていて、ハトゥンの口利きでジャムシードは地下室から解放してもらえるのだった。それだけでは なく、ハトゥンはいくばく かの金子をマスウード家に預けていく。 左からマスウード、二人置いてハトゥン、マスウード妻。

  しかし解放されたばかりのジャムシードは早速ガラス瓶を割ったりしてまたもや地下室に閉じ込められてしまう。その時に天井から星 を見上げ、天井の格子を軸 に星の動きを観測し、観察した内容を木版(子供用学習用具だと思われる)に書き付ける。後年の大学者の片鱗を見せる場面。

 マスウードの妹と結婚したニザーミーの職業は鍛冶屋。アリーもそこで働いている。以下はその職場。右は職場にやってきたニザー ミーの娘ヴィースと話すジャムシード。ジャムシードはおしおきを兼ねて鍛冶屋(町の繁華街(市場)にある)を手伝わせられる。

 以下は町の繁華街(市場)。鍛冶屋もこの並びにある。

 ジャムシードはやってきた兄モイーに、木版を取り出して地下室の天窓から観察した星の動きを兄に話す。

 兄が家へ戻り、鍛冶屋の職人も出払った隙に、ジャムシードは薬品をいじり、出火してしまう。ニザーミーは戻ってくると職場が出 火していて唖然とするのだった。

  ジャムシードはまたもや地下室に閉じ込められるが、翌朝、母親が食事を届けに来ると、兄と一緒に脱走していることがわかる。ジャ ムシードとモイーの兄弟は カレーズ(地下水路)探検をするが、兄がロープで井戸(井戸といっても右画像のように地面に掘った穴である)を降りている途中で 支えきれなくなり、綱は ジャムシードの手をすり抜けて兄はカレーズの地下に落下し、そのまま地下水路を流されてしまう。

 兄はカナートが地上に出ているところまで流されてなんとか助かるが、家族は大騒ぎになり、またも地下室に監禁されるジャムシー ドなのだった。何やっても失敗が多い奴。しかしやさしい兄は夜またしても地下室に懲りずに食事を差し入れしてくれるのだった。

 市場で見世物を見る兄弟。樽の中の水に浮かべた磁石が一定の方向を指すとか、鉄の玉が水に浮くといった見世物を見るが、頭のい いジャムシードはその原理を既に知っているようで、けちをつけるのだった。

  市場を見学しているジャムシード兄弟と父のところにあわてた鍛冶屋の従業員が来合わせる。ティムール軍兵士が、武器の徴発をし に、ニザーミーの店の剣を略 奪していた。父マスウードは店に駆けつけ、ジャムシードは、モスクでウラマー(町の法学者)の説教を聴きに来ていたニザーミーに 知らせに行くが、モスクに 入ったジャムシードは、思わず説教に聞き入り、更に引っかかった内容をウラマーに質問し、ウラマーの面目を潰す。ジャムシードは かんかん激怒したウラマー はじめ、聴衆からも追っかけられる。シャイバーン(シャイターン=悪魔)とかウラマーに叫ばれるのだった。下左が説教の様子。右 がモスク。セットではな く、どこかの現存の町でのロケかも。



第三話

  市場の荷馬車に乗り込むジャムシード。その荷馬車は、ティムール朝兵士が町で徴発した武器を積んだ馬車だったため、そのまま町を 去ることになってしまうの だった。ところが隊列は郊外で山賊の待ち伏せあい、荷馬車を奪われてしまう。夜になってもジャムシードが戻ってこないことに家族 は騒然となり、逃げ込んだ 馬車が町を出て行くのを目撃した兄が両親達にそのことを告げる。カーシャーン市駐留軍隊長(アミール(太守くらいの意味)と呼ば れている)の元に父とニ ザーミーが赴くが、そこに、山賊に襲われたと、隊列の兵士が報告に来る。激怒するアミール。

 主人公の運命やいかに!?と一瞬思ったものの、ジャムシードは、山賊のところで略奪品である書籍を読んだりしていて全然困って ないのだった。盗賊団のボスに本の解説をしたりするジャムシード。

 一方ハトゥンのところにお願いにゆく妻達。ハトゥンが夫らしき人物(下左)に話す(この人物の名前や職務名は不明だが、雰囲気 的にはカーシャーン州総督(スルタンと呼ばれている)という風情。装束はティムール朝風。下右は盗賊団のボス)。

 夜間、カーシャーン駐留隊(守備隊)は、野営している山賊の一隊を急襲し、本拠地を聞き出す。その頃、盗賊団の首領に気に入ら れたジャムシードは、野営地から離れたところで首領と一緒に夜の星を見て語り合っていた。

 盗賊団が夜中、野原で祈祷(信心深い盗賊団である)をしている最中、カーシャーン守備隊がやってくるところで第三話終わり。




第四話

  盗賊団の本拠地を急襲したカーシャーン守備隊と盗賊団は戦闘となる。ジャムシードは、”守備隊”に人質にとられる。盗賊団は降参 し、ジャムシードは解放さ れ、家に生還するのだった。喜ぶ家族達。が、ジャムシードはまたも地下室に入れられ、兄が本を天井から差し入れるのだった(ジャ ムシードの帰還を喜ぶ家族 達。左から母親、ハトゥン、ヴィース、ハトゥン侍女、兄モヒー、ヴィース母、マスウード家の侍女)。


 捕縛された首領は拷問される。首領の処刑が決まり、町じゅうに太鼓を叩きながら罪人の公開処刑を布告してまわる布告使。左は広 場に作られた処刑場。町の民衆が集まっている。奥の建築物は町の内城(総督館)。左は、内城の上から処刑の様子を眺める総督と妻 ハトゥン達。

 内城の上から眺めた広場の様子。罪人が広場門から入ってくるが、両脇を民衆が取り巻いている。

  絞首刑の直前、ジャムシードは建物の屋上から首領を弁護する。注目がジャムシードに集まった隙を突いて、広場に進入していた盗賊 の部下達が襲撃、守備隊と 戦闘になる。盗賊兵の一人が屋上から矢で縛り首の綱を射る。城門を空ける部下。外から盗賊団の子分達が乱入。首領は逃げ切るの だった。首領は、町の城門で ジャムシードを振り返り、感謝を示して去るのだった。しかし処刑妨害の罪でジャムシードは牢獄入りとなる。

 ハトゥンがジャムシードを見 舞いに牢獄にやって来る。宮廷では総督(スルタン)のところに父とニザーミーが嘆願に来る。結局ハトゥンの支援もあってジャム シードは助かるのだった。と いうか、裁決の場で、ハトゥンが二階からこっそり見下ろしているのに総督が気がつき、ハトゥンの目を気にしながら、ジャムシード を許してしまう。総督はよ ほどハトゥンに弱いようだ。左がジャムシードが収監されている総督府。右が総督の執務室。マスウードとニザーミーが嘆願に来たと ころ。右手前の背中が総 督。

  自宅に戻ったジャムシードはまたも地下室に入れられるが(もう何度目だろう、数えるのも面倒なかんじ)、手づくりの簡単な観測機 を用意していて、天井の格 子を座標軸とし、天体観測を行うのだった。地下室は天体観測室となっていて、もはやおしおきというよりも、天体観測する為のたん なる機会となってしまって いる感じ。

  このように、第三話迄は、ジャムシードの腕白な少年時代とその冒険が描かれる。ラストで、ジャムシードはいきなり青年役になり、 夜間郊外の野原で、満天の 星の下、盗賊団首領と剣の練習をしている場面となる。以下、青年役となったジャムシード(左)、モヒー(中央)、ヴィース (右)。



第五話

 市場で測量機器屋を経営している青年ジャムシード。

  子供時代の趣味が職業になったようだ。ところが、店やってきた見知らぬ男と会話をしているうちに、男が高名なイタリア人学者カー ジーザーデー・ルーミー (またはカーディザー・ルーミーン(ルーミーは”ローマ”の意味))だと気づき、興奮したジャムシードはすかさず閉店にして、深 夜までルーミーと天文学に ついての議論をにふけるのだった。

 カーディザー・ルーミー(十六話でも再登場する)

  夜自宅に戻ると、盗賊団から使者が来る。盗賊団を疫病が襲ったのだ。ジャムシードと兄は盗賊の洞窟を訪れる。兄モヒーは父の後を 継いで医者になっているよ うである。モヒーは湯を沸かして衣服を殺菌するが、炊いた火が守備隊に発見され、洞窟は襲撃される。戦闘の混乱の中、ジャムシー ド兄弟は辛くも逃れるが、 月明かりの中守備隊長に顔を見られてしまうのだった。

 翌朝自宅に戻ると、家も疫病患者で一杯となっていて、父マスウードは総督府に出向いていた。総督とハトゥンの息子も疫病に倒れ ていたのだ。

 守備隊隊長が戻ってきて、ジャムシードと医者の父を捕まえ、総督に、ジャムシードが盗賊団と通じていると訴える。ジャムシード 親子が処罰されそうになったところに、ハトゥンが息子の容態悪化を知らせに来る。マスウードは総督の息子を診に行く。

 町は疫病患者が増加の一途をたどり、ジャムシードの自宅も病人で溢れかえる。町の街路では棺桶をかついで通る人々が目立つよう になる。町を挙げての緊急事態となっている。ジャムシードの母親も具合が悪くなっているようだ。

 なし崩しに解放されたジャムシードが盗賊の洞窟に戻ると、数多くの遺体だけが残されていて、生き残った盗賊団はどこかに移動し ていた。砂漠を走り盗賊団のキャンプを探したてたジャムシードは首領と会うことができたが、首領も意気阻喪している。

 町のモスクでは、聴衆は段々説教師の話を聞かなくなり、聴衆は減り始める。



第六話

  疫病だけではなく、旱魃でもあった。町の民衆はタライを掲げジャムシードとモヒー兄弟に率いられて大挙して郊外へ向かう。「アッ ラーアクバル」と叫びなが ら行進し、それを崖の上から見下ろす守備隊長と守備軍。ここで漸くわかるのだが、盗賊団は、単なる盗賊ではなく、ティムール朝か らテロ組織として扱われて いる地元の宗教団体でもあり、首領はその荒野の宗教教団の指導者だった。前回末尾付近の場面は、町のモスクでのウラマーの説教を 聞く人が減り、郊外の教団 の元に向かったということなのだった。恐らくシーア派系スーフィー(神秘主義)教団なのではないかと思われる(シーア派系とする のは、本作がイランのドラ マであり、町のウラマーに対して、教団が敬意を持って描かれているからである)。

 右は守備隊長、左は副官。守備隊長はテュルク・モンゴル装束だが、副官の装束は現地イラン人のものだと思われる。

 首領が天に祈り、地に付すと、涙が地面をぬらす。そこを守備隊が襲撃してくる。人々は大混乱に陥る。混乱の中、町から使者が来 て、ジャムシードに母の危篤を知らせる。急いで自宅に戻ったジャムシードは、母の臨終に間に合うのだった。

  郊外の墓地。次々と新しい墓が掘られ、棺桶が埋められている。守備隊長(アミールと呼ばれている)がジャムシード逮捕に来る。 「雨など降らぬではない か」、とせせら笑う守備隊長。その時、丘陵はるか彼方でにわかにかき曇り、雷鳴とともに雨が降り出す。歓喜する人々。不満気な守 備隊長。雨の中、ジャム シードは連行され、牢獄入りとなるのだった。

 兄モヒーはジャムシード救出を願いに教団の首領を訪ねる。彼は既に盗賊団と一緒には暮らしておらず、砂漠の岩場で修厳者・聖者 のように座っているのだった。首領は何も語らず、モヒーをただ見詰めるだけなのだった。

 何も得るところなくカーシャーンの町に戻る兄。以下はそのカーシャーンの城門。

  首領の修厳場から去ってゆくモヒーの後ろ姿を見るように、旅の一行が砂漠を横断している。旅の主人はアブドゥル・ラッフールとい い、カーシャーン総督府を 挙げた歓迎会が催されるので、高名な人物のようである。紹介で、リスボーンとかルーミー(ローマ)とか出ていたので、西方世界を 旅してきたのかも知れな い。左は総督府での歓迎の宴。ラフールはアイ・バヌーという若い女性を同行していて、これは娘か親族という感じ。アイ・バヌーは 総督夫人と打ち解け、宴で は満座の前で演説し拍手を受ける程の女性。

 その頃、ニザーミーの娘ヴィースは病気となり、うわ言でジャムシードの名を口にする。ヴィースはジャムシードの事が好きなの だった。


第七話

  病気になりうわごとにジャムシードの名前を口にする娘の姿に、父ニザーミーは、友人アリーとともに、ジャムシードを力ずくで救い 出す為総督府に忍び込む。 その頃総督府の宴席で客人であるアブドゥル・ラッフール、はマスウードの息子ジャムシード・カシャーンを話題に出し、牢獄から出 されるジャムシード。どう いう経緯なのか不明だが、あるとすれば第五話冒頭でジャムシードがあったイタリア人学者カーディザー・ルーミーンが西方世界に戻 り、そこでアブドゥル・ ラッフールと知り合い、ジャムシードの話しを出したのかも知れない。宴席に連れてこられたジャムシードはアブドゥル・ラッフール と対話する。左がラッフー ルとアイ・バヌー。右は、ニザームとアリーが総督府の城壁を乗り越えようとして鉤縄を放ったところ。

 ニーザーミーとアリーはジャムシードのいる牢獄まで来るが、ジャムシードは牢におらず、結局兵士達と乱闘になり、からがら総督 府から脱出する。宴席にも賊の知らせが来て宴会はお開きとなり、ジャムシードは元の牢獄に戻されるのだった。

 ところが、宴会中の対話で、アイ・バヌーはジャムシードのことが気に入ってしまったようで、密かに鍵を持って牢獄を訪れ、ジャ ムシードを逃がしそうとてくれる。取りあえず問題が大きくなるのを懸念したジャムシードは脱走を断る。

 マスウード家にハトゥンの使者がやってきて、ハトゥンが釈放の口利きをする、というようなことを家族に伝える。その話を密かに 聞いていて安心するヴィース。ヴィースが顔を出している窓はガラスが嵌め込まれているようだが、透明ではないので、材質がわから ない。

  兄モヒーがハトゥンの案内で総督に面会に来てジャムシードの釈放を願い出る。その時アイ・バヌーが腹痛になったとの知らせが。ア イ・バヌーの横にはハトゥ ンがいるので、これは仮病だと思われる。で、医者であるマスウードが呼ばれるが、彼は往診を断ったので、アイ・バヌーがマスウー ド家に運び込まれることに なる。娘を人質に取られたも同然のラフールの取り成しもあり、ジャムシードはアブドゥル・ラフールとともに家に戻ることができた のだった。喜ぶ家族。ア イ・バヌーはいつの間にかよくなっているのだった。これで仮病作戦だったことがわかる。ヴィースも回復している。

 その夜ラフールはジャムシードの家に泊まり語り明かす。

  ラフールは呪術師でもあるようで、サーサーイー、ササーイーというラフールの呪文に金縛りか呼吸困難な感じに陥るジャムシード。 ラフールが呪術の力を見せ 付けたということらしい。一息ついたところで、アイ・バヌーが給仕してくる。そのまま気を利かせたラフールが席を外し、アイ・バ ヌーとジャクシードが楽し そうに歓談するが、それを見たヴィースはショックを受けて果物を積んだお盆を落とし、二階の部屋に駆け上がるのだった。

第八回へ続く 

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