イラン歴史ドラマ「天への梯子」(2)第8-14話(ティムール朝時代)


  2008年イラン製作。ジャムシード・カーシャーニーの生涯。第8話から14話では1405 年頃から1424年頃を扱う。青年となったジャムシードが大ティムール朝の分立政権のひとつ、ウルグ・ベク(1394-1499 年)の支配するサマルカンドに赴く。

 以下登場人物一覧。

□ジャムシード・カシャーニー(1380-1429年) 本作の主人公。天文学・数学者。
□モイー  ジャムシードの兄。医者。ジャムシードと共にサマルカンドに移住する。
□エーラボン  ジャムシードの故郷カシャーン市の総督の息子。子供の頃は苛めっ子。成長後はジャムシードの親友となる。
□ヴィース ジャムシードの幼馴染。ジャムシードを慕っている。たおやかな女性。
□アイ・バヌー 旅の呪術師の娘。ジャムシードを巡ってヴィースと三角関係になる。勝気な女性。
□ラフール アイ・バヌーの父。呪術師。

□ミールザー・ムハンマド・ターラガイ・ビン・シャルーク(1394-1449年)。通称はウルグ・ベク・ミールザー。若くして サマルカンド政権の君主となり、1447年には大ティムール朝の大スルターンとなる。学者肌の人物。
□アブドゥッラティーフ  ウルグ・ベクの馬鹿息子。
□王妃ルカイヤ・ハトゥン・アルラト。アブドッラティーフの母。ハトゥンと呼ばれている。息子の為の宮廷陰謀家。
□宰相タルハン。だんだん王妃に取り込まれてゆく。
□隊長アッバース。カシャーン時代からジャムシードとそりが合わない。

□カーディザー・ルーミーン サマルカンド宮廷に使えるイタリア人高官。イタリアというよりも、ルーム(当時のイタリアやバルカ ン半島の古代ローマ帝国領の人々)という意味だと思われる。
□ジョルダーノ、イサベラ、ビエナ、ベルナルド  サマルカンドを訪れたイタリア人学者一家。

□ダルヴィーシュ教団指導者ウスマン。
 この時期中央アジアで勃興した神秘主義宗教団体には、ナクシュバンディー教団があるが、本ドラマの団体は太陽を崇め、テロ行為を行うな どの特徴があり、ナクシュバンディー教団とは別の教団だと思われる。

□市街のセットについて
 サマルカンド市街は赤茶色。カーシャーンは砂土色。風土の特徴がよく出ていた。


第八話

 アイ・バヌーとラフールはしばらくジャムシードの家に居つく。アイ・バヌーはいかにも勝気で顔の造作も大作りな美女。配役・演 出・演技・化粧総動員してヴィースと対照的に描かれている。

  ある夜、ジャムシードが郊外の母の墓で嘆いているとラフールがやってきて、墓の上に象牙のようなもので円を描く。円が燃え出す。 そこにジャムシードは母の 幻影を見るが、それは円の向こう側に立っていたアイ・バヌーだった。が、ジャムシードは母の幻影を見たと思い込んで気絶してしま う。

 ラフールは、宮廷でも呪術を用いて総督とその馬鹿息子に取り入ってゆく。妖しさはラスプーチンのように見えなくもない。

  ある日、ジャムシードが地下室で観測機をいじっていると、天井の格子からヴィースが覗く。地下室はすっかり研究室と化している。 ヴィースを招き入れたジャ ムシードは苦しげに、幼馴染としてアイバヌーが好きだと相談したようだ。悲しそうに(多分)「いいんじゃない」と言いおいて出て ゆくヴィース。

  ラフールとジャムシードが議論しているところに、激怒したヴィースの母が入ってきてジャムシードを大声でしかりつける。それを聞 いてたアイ・バヌーは部屋 から出てきて、煮え切らないジャムシードの態度に激怒するのだった。話しを聞いたラフールはバヌーとともに怒って帰ってしまう。 何なんだ!と弱りきるジャ ムシード。話を聞いた父マスウードも激怒するが、けなげなヴィースは取り成すのだった(下左、ヴィースの母親に叱られるジャム シード。背後に見えている中 庭のランプが興味深い。下右は、ジャムシード家から出て行くラフールとアイ・バヌーの後姿。向こう側に街路の街灯が見えている。 これも興味深い)。

  翌日総督府に出向いてラシードになにやら言い訳するジャムシード。そこにアイ・バヌーがやってくるが、ジャムシードを見て引き返 してしまう。ラフールは ジャムシードになにやら約束を与えるが、ジャムシードが帰った後、葉陰で話を聞いていた、ジャムシードを敵視している守備隊長と 目配せするのだった。


第九話

  守備隊長とラフールが馬でどこかにに向かっている。いつの間にかつるんでいる二人。アイバヌーとジャムシードは、ジャムシードの 母の墓にいる。仲直りした らしい。続いてジャムシードは、林で出店を出して民衆相手の相談所を経営しているラフールを訪ねる。ジャムシードは、仕事の斡旋 をラフールに頼んだらし い。受け入れて総督府で総督にジャムシードを推薦するラフール。どういうこっちゃ。何か腹に一物あるとしか思えない。

 夜、総督府の中庭 で、満座を前に(守備隊長もジャムシードもいる)、念力で篝火を消してみせるラフール。続いてティムールの霊を呼び出し、アイバ ヌーの口からティムールの 言葉を語らせる。総督は驚愕する(これで、この頃はティムール死後の話だとわかる)。ジャムシードは仕事を得ることができた模 様。どこかに総督の息子の付 き人として使節に出る仕事らしい。家に戻り、荷物を取り、涙ぐむ兄モヒーに別れを告げるジャムシード。眠っている父親には黙って 旅立つ。ジャムシードの実 家の構造が良くわかる映像が漸く登場。門を入って中庭を見たところ。左奥の地面上に地下室の格子天井が見えている。

 ランプはこんな感じ。

  総督の息子とどこかに向かうジャムシード。ところが郊外で野営しようとしたところ、ラフールと守備隊長及びその配下の兵士達に囲 まれる。抵抗するジャム シードと総督息子。やはり陰謀だった。ところが、そこに総督が軍を率いて駆けつけてくる。どうやら守備隊長とラフールの陰謀に気 づいていたらしい。こうし て総督の息子とジャムシードは助かる。翌日ラフールは公開処刑となる(妖術をつかって逃げることはできなかったようである)が、 守備隊長は逃亡に成功す る。それにしても、死刑執行人の描写は、どの地域・時代でも似たような描かれぶり。

 アイ・バヌーは単身馬を駆って逃走するのだった。

 そうして、はなはだ唐突だが、ジャムシードの結婚式となる。邪魔者アイ・バヌーがいなくなった為、めでたくヴィースと結婚する ことになったジャムシードなのだった。

 見知らぬ客がやって来る。おもむろに覆面を外したその人は、盗賊の首領だった(今は修厳者)。

 結婚式の宴会ではベルベル人の口笛みたいなものが発せられ、参加者は、色とりどりの布をはためかせ、花びらを花嫁と花婿に蒔き ながら踊るのだった。式の途中では総督とハトゥン、その息子も祝いにやって来る。なんともめでたしな展開となるのであった。

 賑やかな宴会の最中、ジャムシードは母の幻影を見るのだった(左がヴィース、右がジャムシード)。



第十話

  結婚してから何年か経ち、ジャムシードには子供が生まれており、ヴィースは二人目を妊娠中(左がその息子マフムード。右が老境に 入ったマスウード。これ は、第八話の映像とは反対方向から、つまり家の奥から門の方向を見た映像)。マスウードが座っているのが、ジャムシードの研究室 である地下室の天井。
 
 ヴィースは息子とともに、市場で鍛冶屋を経営する父ニザーミーの元に弁当を届けにゆく。左は市場の様子。金物商が映っている。 右は、かつてのジャムシード(第二話)のように、ふいごを動かしてニザーミーの仕事を手伝う息子のマフムード。

  その頃、新任のカーシャーン総督イスカンダール・スルタンが赴任してきて、ジャムシードや現総督の息子エーラボン(漸く名前判 明)達は郊外の天幕まで迎え に出向く。なんと、逃走したかつての守備隊長がイスカンダル・スルタン(下左)の側近として仕えていた。驚愕するエーラボンと ジャムシード、モイー。

  現総督の息子とジャムシードは、総督府に戻り、現カーシャーン総督にこの件を報告する。総督は、犬猿の仲の守備隊長がいるとジャ ムシードにとって災いとし かならない為、ジャムシードにサマルカンドに行くよう薦めるのだった。家に戻り、父親にサマルカンド行き相談すると、父は笑顔で 了承する。感謝するジャム シード。

 次いでジャムシードは母の墓を訪れ、別れを告げるのだった。

 エーラボンとモイーの2名を加えた ジャムシード家族3名+2名はカーシャーンを後にするが、郊外に出たところで、ジャムシー ドは、盗賊の首領に別れを告げたいと、一行を先に行かせて、一人聖者の首領に会いに行く。

  夜、ジャムシードが、サマルカンドまでの護衛隊兵士が駐留している野営地に到着すると、エーラボンと家族は到着していないことが 判明。兵士達とともに捜索 に出る。なんと、守備隊長が息子マフムードを人質にとって出てくる。ジャムシードは、子供の頃盗賊団を守備隊長が襲撃した折も、 守備隊長に人質に取られた ことが脳裏によぎる。更にモイーとヴィースも縛られており、エーラボンは血まみれ。守備隊長は、ジャムシードに跪き、膝立ちのま ま近寄るように命じるが、 そのとき月食が起こる。月食に動揺する部下を守備隊長がなだめた瞬間、ジャムシードと一緒に捜索に来ていた護衛隊隊長が隙を見て 守備隊長の首に矢を打ち込 むのだった。息子マフムードは救出できたが、エーラボンは既に命を失っていた。泣き崩れるジャムシード。兄モイーは、ヴィースを 診るが、子供は流産してし まったと告げる。

 エーラボーンを葬り、ジャムシード一家とモイーはサマルカンドを目指すのだった。

 この時登場した護衛隊長は、そのままサマルカンドに留まり、やがてはジャムシードの天敵となるのだった。づくづく武官と折り合 いの悪いジャムシードである。


十一話

 サマルカンドまでの道中は楽では無かった。雨でぬかるみに馬車の車輪がはまり、兵士・ジャムシード達で馬車を押したり(馬車に は体調の悪いヴィースと、息子マフムードが乗っている)と苦労しながら漸くサマルカンドに到着。

 丘の上から見下ろす兄弟と護衛隊隊長。中世サマルカンドの再現映像にちょっと感激(ほぼイラン東部バムの遺跡を下敷きにしている感じだけど)。

  そのサマルカンドでは、ジャムシードの天文学の本を抱えたティムール朝のサマルカンド君主ウルグ・ベク(サマルカンド総督(在 1409-11年)、マーワ ラーアンナフル(アム川とシル川の間の地域)君主(在1411-1447年)、ティムール朝君主(在1447-49年))が、興 奮した面持ちで、妻に「こ の本を書いたカーシャーニーがもうすぐ到着する」と言っている。科学や知識に興味のなさそうな妻は連れない。これがウルグ・ベク (妻にはミールザー・ベク と呼ばれているようである。ウルグ・ベクの本名はMīrzā Mohammad Tāraghay bin Shāhrokh(ミールザー・ムハンマド・ターラガーイ・ビン・シャールーク)。スルタンとも呼ばれている。父親のシャールークは、シャールーク・ シャーと呼ばれていた)。

 このサマルカンド到着はいつの事だろうか。ペルシア語Wikiでは、ジャムシードは1421年以後数年間はカーシャーンにい たらしいので、1421年以降となる。英語版Wikiで は1414年だと思われる記載がある。ウルグ・ベクには既にハイティーン(ローティーンかも知れない)の子供がいるから、そうだ とすると、ウルグ・ベク 30歳頃として、1425年頃となるが、第十三話で天文台建設(1420年)の話が出てくるので、取りあえずこのドラマでは、 ジャムシード移住の年を 1421年頃と考えておく。

 サマルカンド城門前で、宰相やイタリア人学者カーディザー・ルーミーン(第五話で登場し、ジャムシードと天 文学について語り合った学者)ら五人の高官と兵士達が揃ってジャムシード一行出迎える。大変な歓待ぶりである。左が城門の前の兵 士と宰相達。下で騎乗して いる三名の左端が、右画像のカーディザー・ルーミーン。前列中央が宰相タルハン。

 宮殿では歓迎の宴が催される。左下画像奥がウルグ・ベク夫妻など支配一族。右画像は反対側から映した広間(手前がウルグ・ベク の玉座)

 左から、ウルグ・ベク夫人ルカイヤ・ハトゥン・アルラト、ウルグ・ベク、宰相タルハン、護衛隊長アッバース。

  旅で消耗している妻ヴィースは宴には出てこない。尊敬の眼差しとともに抱擁してジャムシードを迎えたウルグ・ベクは、早速ジャム シードに学識を示すものを 書く様に命じる。左がジャムシードと挨拶するファンの目で見るウルグ・ベク。中央と左は、宴会の広間で演じられる武人達の舞い。

  ジャムシードは渡された紙になにやら書き込み、それをイタリア人カーディザーが見るのだが、カーディザーは非常に戸惑った様子。 チンギス・ハーンに関する 文章のようで、一体何が書いてあったのか、ペルシア語がわからないのが残念。紙はウルグ・ベクに渡され、読んだウルグ・ベクも心 穏やかな感じではなく、ベ クはそのまま退場し、会はお開きになってしまう。一方のジャムシードは傲慢すら感じさせる余裕の態度。後年の災厄の種は初日から 蒔かれてしまったのだっ た。


第十二話

 サマルカンドの町の様子。

 サマルカンド風帽子をかぶるマフムード。まだ調子が悪そうなヴィース。ジャムシードはイタリア人学者カーディザー・ルーミーン の講義を訪れ、学生教えたりする(左がカーディザー、右がジャムシード)。熱心に聞き入る学生達。

  建設現場や鍛冶屋を見て回るジャムシードとモイー。それまでは宮殿に間借りしていたが、市街に新しい家を探して引越しする。モ イー、ジャムシード、息子マ フムードは、家具を調え、掃除とリフォームをし、ヴィースを迎えるのだった。しかし新居でもヴィースはまだ寝込んでいるのだっ た。

  図書室で本を叩いてヒステリーを起こすウルグ・ベク。ジャムシードの書籍を読んでいて、どうしても理解できない自分に腹を立てて いる様子。王妃は、書籍ば かりに打ち込んでいて自分が放って置かれていることに夫にヒステリーを起こすが、ウルグ・ベクは、宰相の呼び出しをいいことに逃 げてしまう。腹を立てた王 妃が、机の上の書籍を叩き落とすのが、このドラマ中、この王妃の唯一の可愛い場面(以下、図書室。壁にびっしりと書籍が積まれて いる)。ウルグ・ベクは王 妃から逃げる時も書籍を小脇に抱えているのだった。

 以下は宮殿内部の中庭。ウルグ・ベクは左手のテーブルに座って宰相を迎えるのだが、この時も書籍を手放さない。

 王妃はタルハンに相談する。こうして段々反ジャムシード派が育ってゆくのだった。
 
  その頃、ウルグ・ベクの政権は、戦闘的宗教団体と思われる集団と揉めていた。郊外の宗教団体の陣営でウルグ・ベク政権と交渉が行 われる。その団体は、指導 者達も兵士達も皆黄色いマフラーをしているのが特徴的。少し調べたところではどの集団かまったくわかりませんでしたが、ホージャ という単語が登場している ので、スーフィー教団だと思われます。

  交渉にはウルグ・ベク、宰相、隊長、イタリア人学者、そして何故かジャムシードも同席する。ジャムシードは意見を求められ、地図 を提示した後、なにやら表 のようなものを書き上げる。外交官でも無いジャムシードが一体何の交渉をまとめようとしているのか、この部分もペルシア語がわか らないのが残念ですが、地 図と表となると、租税に関することではないかという気がする。いずれにせよジャムシードの案で交渉はまとまったのだった。下右が 交渉に出ていた宗教団体代 表者の中でも指導者格の二人で、右側の人物はウスマンという名前。



第十三話

 サマルカンドの町は市民が広場に総出で凱旋したような騒ぎでウルグ・ベク達を迎える。

 宮廷でジャムシードは表彰される。ガウンと帽子をスルタンから授かりスルタン自らに着せてもらう。固く握手。妃と隊長は面白く なさそう。スルタンの図書館に初めて入れてもらうジャムシード。窓からの採光だけで、室内ランプが無いのは、やはり火事対策の為 だろうか。

 ジャムシードをスルタンが信任してゆくのが面白くない表情があからさまな王妃。

 家ではヴィースが疲れた様子ながら掃除をしていたが、立ちくらみを起こしてしまう。帰宅してきたジャムシードを見てそのまま意 識を失ってしまう。

 ウルグ・ベク政府は、続いて天文台の土地選びを行う。郊外の平原にスルタン、王妃、宰相、隊長、イタリア人学者、高官達、兵士 達とともにジャムシードも来ているが、ジャムシードが反対意見を口にし、この候補地はお流れとなってしまう。またも不満気な王妃 と隊長。

  ウルグ・ベクにも馬鹿息子がいた(アブドゥッラティーフ。後のティムール朝君主)。カーシャーン総督の息子エーラボーンより一層 酷い(しかもエーラボーン は大人になってからまともになった)。スルタン馬鹿息子は、宮殿の門を入ったところで、無表情に立ち尽くす門番兵士の鼻を草でな でてくしゃみをさせようと したり、立ち去る風を装ってふいに門衛にナイフを突き立てたりする。門衛も読んでいて、表情も目線もぴくりともせずに盾をかざ す。続いて宮殿の庭の池辺で いじった虫が顔に飛び掛ってきて池に落ちて風邪を引く。風邪で寝込んだ馬鹿息子をモヒーが診るのだった。王妃は涙ぐんでいる。こ の息子の部屋には、鳥かご があり、オウムかなにかが飼われている。鳥かごで鳥を飼う風俗があったのだろうか。

 黄色マフラーの秘密結社がサマルカンド市内に潜伏し ていた。夜秘密集会が開かれる。一味に女性がいる。ジャムシード・カーシャーニーの名をウスマンが上げる。どうやら、前回の交渉 でのジャムシードの調停に 遺恨を持っているようで、ジャムシードの暗殺を提案する。団員は、剣を取り出し、前に置く。これが賛同の意思表示らしい。数名が 短剣を置く。一味の女性 は、「私にやらせてください」と主張し、覆面を取った。それはあの、アイ・バヌーだった。

  ジャムシードの安易な発言で天文台候補地が決まらなかったことから、ジャムシードが自分で候補地を探すよう命じられる。単身野原 を駆け巡って候補地を調査 するジャムシード。その一方ジャムシードは天文台の設計もしていて、図書館で図面を作成中にスルタンとイタリア人学者が訪れ、二 人は書きかけの図面を見て ジャムシードと意見のやり取りをする。建設候補地も決まり、ジャムシードはスルタンと高官達を候補地に案内する。

 王妃は宰相相手に、またもジャムシードが得点を稼いだことに愚痴っている。窓辺に立つ妃の横にティムール朝様式っぽい青いドー ムのモスクが見えている。



第十四話

 サマルカンド市街を太鼓を打ち鳴らして布告士が、住民に、天文台建設の労働者の招集を布告して廻る。覆面したアイ・バヌーも参 加する労働者の列に並んでいたが、建設現場にジャムシードがいるのを確認すると、列から抜ける。

 天文台建設の一方で、市中の学校で講義するジャムシード。講義中にスルタンの馬鹿息子(アブドゥッラティーフ)が入ってくる。 靴も脱がずにふんぞり返る馬鹿息子に、ジャムシードは、靴を脱げと怒るのだった。

  ジャムシードとモイーが町中で茶屋に入ったら、そこにいた人に罵られ、そこらの人に「ここにカーシャーニーがいるぞー」と大声を 出され、人々に石もて追わ れて頭を怪我して家まで戻る。なんだろう。天文台を建てることが重税とかに繋がっているのだろうか?それとも、ジャムシードの思 想が問題となっているのだ ろうか。以下は町の茶屋。店の前に椅子が置いてあり、店内はカウンターと奥の棚に飲み物瓶が置いてあるだけ。


  天文台の工事が開始されている。覆面をしたアイ・バヌーも働いている。ジャムシードを見つめるアイ・バヌー。夜、建設現場のャム シードの部屋に賊が入って くる。覆面をとった賊はアイ・バヌーだった。ジャムシードに切りかかるアイ・バヌー。ジャムシードはアイ・バヌーを油断させて剣 を奪い取るが、アイ・バ ヌーは、背中からもう一本の剣を取り出す。チャンバラになるが、盗賊首領に鍛え上げられたジャムシードは相当に強く、二本目の剣 も叩き落されてしまう。ア イ・バヌーの喉に剣をつきたてるジャムシード。そこにスルタンたちがやってきたので、ジャムシードとスルタン達は戸外で歓談す る。陰で聞いているアイ・バ ヌー。スルタン達が引き上げた後、お祈りをしているジャムシードを置いて、アイ・バヌーは無言で去るのだった。 


イスラーム歴史映画一覧表はこちら

BACK(イスラーム歴史映画一覧表)