古代ローマ歴史ドラマ「ローマン・ミステリーズ(オスティア物 語)」
(3) 第六話から第十話の紹介




 第六話 カプアから来た剣闘士たち 

 第二シーズンからは、西暦は表示されなくなる。ドミティアヌスはまだ皇弟で、第七話でサトゥルヌス祭(12月)が描かれるた め、80年の話だと思われる。

 カプアから船でやってきた剣闘士一団がオスティア港に到着する。全員立ったままほぼ満員状態では、座って休むこともできなさそ うで違和感があるが、こんな感じで剣闘士一団が船からはみ出しそうな古代のモザイクが残っているので、その雰囲気を出そうと演出 したものなのかも知れない。港についた一団は、集まった人びとに皇弟に試合をお見せするために来たのだと口上を述べる。



 団員には黒人もいて、眺めていたヌビアは、その黒人が兄ではないかと言う。ジョナサンは、フラビア家の奴隷コーデックスに頼ん で円形闘技場に剣闘士を見に行くが、ジョナサンが腕に奴隷のマークをつけられてしまっていた(前回第三話)ことで奴隷と間違われ てしまい、また、奴隷のコーデックスのがたいが非常によいことから、二人とも他の剣闘士と一緒にされて剣闘士の訓練をさせられる ことになってしまう。ジョナサンは、皇帝からもらっていた奴隷解放の指輪も取り上げられてし まった。剣闘士のひとりにコーデックスの知人のレナードがいたおかげで、無茶で危険な訓練にあわずに、レナードに教わることが出 来た。一方ヌビアは、剣闘士一団の黒人が兄ではないかと思い、確かめたくて円形闘技場へ赴くが、闘技場横の養成所の門の兵士に、 ここへ入れと声をかけられそのまま奴隷と一緒にされて、剣闘士の家事賄い奴隷にされてしまう。奴隷がひとりで町をふらふら歩いて いると、うっかりしていると、脱走奴隷と間違えられ、直ぐに自由民に仕事をさせられてしまう様子が描かれている。左下はコーデッ クス(左手前)と剣の練習をするジョナサン。右したは、円形闘技場でばったり会ったヌビアとジョナサン。



 ルーパスは、ジョナサンとコーデックスが剣闘士を実にいったことを知っていたので、フラビアに、円形闘技場に探しに行くと伝え て闘技場にゆくが、丁度虎の檻の係りの人が虎に怪我をさせられて欠員となっていたため、ルーパスは虎の世話をさせられることに なってしまう。虎の檻の清掃や餌やりなどをさせられる。他にもストリートチルドレンの少女達は、競技前の前座の踊り子として働か されるのだった。子供が無駄にうろうろしているとろくなことにならない。フラビアは、ルーパスが戻ってこないので野菜業者の荷車 に隠れて、闘技場に侵入する。ところが、見つかってしまい、フラビアは踊り子に加えられてしまうのだった。

 踊り子の子供達(全員フラビアより年少)にまじって踊るフラビア。ヌビアに再会する。

 フラビア 「お兄さんに会えた?」
 ヌビア  「うん。でもジョナサンがグラディエーターになってた」 
 フラビア 「はあ?」

 虎の世話をしていたルーパスは、剣闘士団の興行主と皇弟側近が虎の檻の前で皇弟暗殺の陰謀の会話をしているのを聞いてしまう。 二人はルーパスを見かけるが、「あいつはしゃべれないから大丈夫だ」なんていっているが、この二人の陰謀者は脇が甘く、武器庫に 入り込んで見ていた(見学?)ヌビアにも皇弟暗殺の陰謀を聞かれてしまうのだった。ヌビアは陰謀を兄に伝え、ルーパスはジョナサ ンに伝えた。

 皇帝午前試合当日。前座でハープ一人が奏でる貧相な音楽と詩にあわせて適当に踊るフラビア(左下)。もうやけくそな感じ。俄か 踊り子たちのへたくそな舞と音楽に皇弟も退屈そう。小さい闘技場で、皇弟貸切なので観衆はいない。



 そこに次の見世物の虎が入ってくる。悲鳴をあげる少女達。ヌビアが入ってきて落ち着いて見詰めながらささやきかけると虎は動き を止める。その 隙に逃げ出す 踊り子の少女達。感心する皇弟。虎は退場。続いて剣闘士たちの戦い。左右の並びの剣闘士に分かれて団体戦を行なう。ジョナサンも 鉄兜をかぶって参加している。



 ところが、試合開始直後、ヌビアが兄だと推測している黒人剣闘士がアリーナからするりと出て行ってしまい、観客席上方に現れ、 剣闘士を弓で射る。レナードは刺されるが、ジョナサンは皇弟の観覧席まで辿りつき、ドミティアヌスに暗殺の陰謀を暴露する。こう してまたもフラビア一味は(今回はフラビアは殆ど活躍していないが)皇帝家暗殺の陰謀を打ち砕いたのだった。ドミティアヌスは功 績としてヌビアの兄を解放するのだった(下右が次代皇帝の皇弟ドミティアヌス)。



 こうして一件は落着し、皆が虎の檻のところに戻ってみると、ルーパスは虎の餌をひとりで全部食べてしまっていた(左上は、フラ ビア家の新居。アトリウムに小さな花壇があり、その奥に二回へゆく大きな階段がある)。以前の、玄関を入ってする居間があった家 とは段違いに広い家である)。

   
 第七話 フラビア・ジェミナの12の試み

 サトゥルヌス祭の期間中のこと(装束的にはあまり12月という感じはしない)。町は祝祭用の売り出しや踊りで盛り上がってい た。かっぱらいはいつものことで、サトゥルヌス祭中は大目に見られていたらしいとはいえ、今回のルーパスは手当たり次第に出店の 商品をかっぱらっている。フラビアの父親マーカスは再婚を考えている様子。フラビアの家の庭で、ヌビア、アリスト(コリントス出 身のギリシア人家庭教 師)、父の恋人カルティリア・ポプリコラ演奏し、マーカスが聴き入っている。



 カルティリアがフラビアのタンバリンを使って演奏していたのに、思わずフラビアはタ ンバリンを取り上げてしまう。親父に怒られたフラビアは、部屋に戻るとタンバリンを床にたたき付け、寝台に臥せって泣く のだった。この直後からフラビアは、カルティリアを財産狙いの嘘つきだと決めつけるのだった。

 その頃港では夜のうちに到着し、誰も乗っていない幽霊船が話題となっていた。ルーパスは、どこからか到着した船に興味 を示し、こっそり乗り込んで怪我をしている若い男を見付ける。怪我人をモデルカイ家に連れて帰り、モデルカイが手当てす るが、深夜、荒くれ男たちの一団が怪我男を回収しに来る。彼らが”幽霊船”の船員達なのだった。

 一方森に山菜摘み?に出たフラビア家の奴隷コーデックスは、怪物に出会い驚き一目散にフラビア家に戻ってくる。その時 フラビア家では、フレスコ画家が家の中のあちこちの壁に神話にまつわる多くの絵を描いていた(下左)が、戻ってきたコー デックス は、絵をみて卒倒しそうになるのだった。下右は、お祭りの間、遊びに来ていたプリクラ(第二話)とチェスのようなゲーム をするヌビア。白と黒の石を、碁盤の目の刻まれた石版においてチェスのように駒を動かしている。コーデックスがあった怪 物の正体の話題が出るが、いつもであれば謎解きに率先して関心を示す筈のフラビアだったが、この夜は父親の再婚問題でか りか りしていて、「そんなくだらないこと、大した話じゃないわよ」と言ってプリクラを怒らせてしまう。



 フラビア家の庭ではサイコロあてゲームが行なわれる。めいめいがサイコロの数字を挙げて、最後にフラビアの父がサイコロを振 る。参加しているのはモデルカイ、カルティリア、ヌビア、コーデックス、フラビアとルーパス、プリクラ。6の目までしかないの に、思わず「8」と予想してしまうコーデックス。



 一応サトゥルヌス祭にかこつけて、父マーカスが再婚候補カルティリアを皆に紹介するとい うことだったのが、優勝したフラビアは、「さあ、みんな用事があるんだからら引き上げましょ」といい、さっさと引き上げてし まう。この頃になるとカルティリアのことを財産目当てに加え、魔女呼ばわりするフラビア。

 町の占い師のおばあさんに、いじわるな目付き、薄い唇、やせっぱちの女を知らないかと尋ねたところ、占い師のばあさんはそ れでわかってしまう。。。。婚姻苗字がヴィビアだとわかる。結婚してるの!?結婚詐欺を確信するフラビア。
 今回のちょっといじわるフラビア。左から、「こんな感じの女」2枚、その次「期待を込めて返事を待つところ」、右端が当の カルティリア。



 カルティリアの住居を突き止め、プリクラ、ルーパスとともに、”魔女の家”を訪れるフラビア。家につくと、ルーパスが勝手 に窓から忍び込んでしまい、フラビアとプリクラはどうす るものかと玄関の前で立ち往生してきたところに、カルティリアの母ヴィビアが帰ってきてしまう。とっさに、カルティリアにお祭りの贈り 物を届けにきたんです!と嘘をついたところ、家に招き入れられてしまう。それとなくカルティリアのことを聞き出そうとするフ ラビアは、カルティリアの夫は既に亡くなっていることをヴィビアから聞き出す。ルーパスは家の奥で薬品調合室を見つけ てくる。ヴィビアの目を盗んで調合室に入ったフラビアは「彼女が前夫を毒殺したのよ。そして今度はお父さんの財産を狙って再婚しようとしているんだわ」と 決め付け、机の上にあった薬の調 合リストを見て、カルティリアがマッシュルームを父親への土産に持ってきていたのを思い出し、毒殺だと確信する。大急ぎで家に戻 り、カルティリアがまさに父にマッシュルームを食べさせようとしているところを跳ね除ける。激怒する父!「来月ローマにい く。そこで後見人を紹介するから選べ。もう大人だからな。しばらく部屋に 篭ってなさい!」と厳しく言い放たれるのだった。

後半

 フラビアは、「その女は結婚してるの!カエルとか使ってヘンな薬を作ってるの!」と食い下がる。父マーカスは気づかなかっ たが、カルティリアの顔色が変わるのだった。

 ヌビアはモルデカイからも森の怪物の話を聞き、郊外の森に狩りに出ているアリストのことが心配になり探しに行くと、男の遺 体 を発見する。心配は深まり更に森の奥にいくと、無事なアリストを見付けることができたが、同時にライオンを見つけてしまう。 ヌビアが見詰めるとライオンは離れていったので、とりあえず二人は逃げる。

 プリクラとルーパスは再度占い師の元にゆき「ボー」という言葉を教えてもらう。「何それ?」「さあね。お代は貰うよ」「意 味わかんないのに」「インスピレーション代だよ」

 というわけで、取り合えず「ボー」は「ボート」のことで、幽霊船だと解釈した二人は、港に幽霊船を調べにゆき、幽霊船の船 長がポプリコーラという名前で、カルティリアの前夫であり、、幽霊船とは、剣闘競技に出場する猛獣の運搬船で、猛獣達に逃げ 出されてしまっため、乗組員全員で森を 捜索中であることを突き止め、戻ってフラビアに伝える。ポプリコーラはついでに 「(カルティリアは)なんだ、今オスティアにいるのか。ローマの元老院議員には飽きたのか」「前婦には毒を盛られたんだ」と 余計なことまでしゃべってくれる。フラビアは、”フラビア家が仕事上の用がある”と書いた手紙をルーパスに持たせて幽霊船に 放り込ませる。ポプリコをうまくおびき寄せたフラビアは、父マーカスとカルティラ、ポプリコを鉢合わせすること に成功。ポプリコとカルティリアはお互いを見て驚き、カルティリアは泣いて去る。

 取り合えずフラビアの、妄想は正しく、陰謀は成功したかに見えたが、後味が悪い。父親に「一人にしてくれ」と言われ、ヌビ アが止めるのにも関わらずフラビアは森へ頭を冷やしに でかけるが、案の定ライオンに遭遇してしまう。驚いて逃げる途中で転んで石に頭を打って意識を失ってしまうフラビア(ヌビアを置いて全速力で逃げるところ が。。。今回ちょっと意地悪だったので自業自得なとこもあるかも)。丁 度そこに、ライオンの捕獲に来ていた幽霊船一団は、ライオンの捕獲に成功するが、フラビアを助けてくれない。そこにミノタウルスの兜を被り、”森の怪物” として人を寄せ付けないようにして潜んでいたタウロスという黒人がやってくる。実は、彼も幽霊船団の仲間で、猛獣相手の剣闘 士だった。コーデックスが遭遇したのはこの人物だったようである。彼がフラ ビアを家まで運んでくれるのだった。丁度その頃、フラビア家に、カルティリアとその母ヴィビアが事情の説明に来ていた。カルティリアは意識を失い苦しむフ ラビアを看病し、翌朝フラ ビアは回復することができた。

 回復したフラビアにヴィビアが告げる。若い頃離婚してその後女で一つで娘を育ててきていろいろと苦労した。だから娘には、 新しい恋人には、「前夫は死んだ」と嘘をつくように言った、と。ミノタウルスのタウルスも、カルロス・ポプリコーラは猛獣剣 闘の座長で最悪な奴だった。元奥さんのカルティリアは親切でよい人で、我々は彼女が彼の元を去ってほしいと感じていた、と話 す。

 一件落着な風になり、皆で町へでて祭りを見に行くことになる。が、広場でフラビアは、ポプリコーラに襲われて しまう。少し唐突な展開だったが、カルティリアの前歴を暴露してもマーカスは心変わりしなかったようなのが面白くなかったようだ。カルティリアやタウル ス、プリクラなどに助けられ、ポプリコーラを漁網で捕らえることに成功する。ポプリコーラは降参 し、一味とともに引き上げる。フラビアたちが港にゆくと、幽霊船に動物達が戻され、ポプリコーラは官憲に逮捕され連行されていた。

 最後はフラビア家で皆で踊る(この部分、少し意味がわからなかったのですが、結構意味深な終わり方。カルティリアが、アリ ストとヌビアとマーカスに「恋は冷めた?」と声をかけるのだった。まるで、本当にカルティリアが彼らに恋の魔法をかけたかの ように。そこで冒頭の場面を思い起こすと、アリスト、ヌビア、カルティリアがマーカスの前で演奏していたのだった。もしかし てこの場面で本当に魔法にかけたのではないか?と疑ってしまう終わり方だった。結局マーカスの恋は冷めてしまったようなのだ けれど)。

 題名の12の試練とは、神話に登場するヘラクレスの12の試練のことで、意味的には、フラビアが12個の試練を持つのでは なく、単純に「フラビアの試練」という意味合いになるようです。最後の画像は、フラビアの父が用いていたそろばん。





第八話 ロードス島のコロッソス(巨人)

 日中街中で子供たちが誘拐される事件が発生する。その中にはルーパスの友達もいた。

 ロードス島へ出航予定の父マーカスの商船。詩人フラックスと彼が雇った黒人従者、法律 家バトー、鳩をいれた鳥篭を もった太った髭の男などが有料で乗船する。フラビア家の商船は旅船も兼ねているようである。フラビアは父親に、誘拐犯を追跡 するために乗船したいと父親を口説く。なんとか乗船したフラビア一味(ジョナサン、ヌビア、ルーパス)だったが、出発直前に故意 に荷物の縄が斬られ、あやうく父親が怪我を負いそうになる事件が発生する。どうやら船に謎の敵が乗っているようだ。乗客があやし いと考えたフラビアは、バトーの荷物を漁っていて誘拐された子供の人数が書かれている書類を見つけてしまう。そこにはオスティア で12人、ネアポリスで20人、シラクサ8人などと記載されていた。そこをバトーに見つかってしまい、厳しく叱られる。彼はこの 3年間子供の誘拐事件を調査していたのだという。バトーはフラビアに組織の紋章である蛇の印を教え、これでスパイを見つけろとい い置いて去る。

 それでも懲りずに乗客の荷物を探るフラビアと、フラビアに引っ張られたヌビアは、サイラスという老船員の荷物から蛇のマークが 描かれた紙を発見する。

 

 老船員は知らないと主張するが、とりあえず柱にしばりつけ様子をみることに。夜、火災発生する。陰謀者は老船員ではないのか、 老船員以外にもいるのか。。。

 途中立ち寄った港町の市場でフラビアたちは蛇のマーク入りの布を見る。聞くと、それはロードスから来たものだという。フラビア は、これは首領が誘拐団にロードス島へ集合をかけているのではないかと推測する。一方ルーパスは、この付近で誘拐されオスティア に連れてこられたらしい。昔住んでいた家を訪ねるルーパス。知り合いのおばさん(ばあちゃんかも)と再会し、母の居場所を尋ねる と、ルーパスがさらわれて心を痛め、ロードス島の神殿に入ることにしたのだと 言われる。

 再び船は出港し、ロードス島に向かうが、老船員の証言で髭の男が疑われる。髭男は突然ジョナサンにナイフを突きつけ人質にと る挙動に出るが、 あっさり取り押さえられて柱に縛り付けられる。髭男が落としたメモには、「火事は失敗した。もう一度やれ」と いう指令が書かれていた。その夜、嵐に遭遇。帆をたたまないと転覆 する事態に陥るが、高波が何度も甲板を押し流しうまくいかない。それと見たルーパスは縄梯子を伝ってマストに登る。帆をたたもうとし たとき、雷がルーパスを直撃する。が、ルーパスは無傷で、何故かその直後嵐は止むのだった。

 ロードス島に到着。島は遠目からもよくわかる巨像が沢山林立していた。島の町の市場では、巨像人形が売られている。



 フラビアたちは、彫像売りの子供達に蛇の印を見せたらところ、子供達は逃げ出してし まう。オスティアには市街に坂がないが、ロードス島のこの町には坂があるところが凝った映像で嬉しいところ。町を歩く巫 女の衣装も東方風。



 盗賊の首領(マグナスという名まえ)を探していたフラビアたちは、盲目の少女メンドゥーサと出会い、その名を口にしてはいけな いと警告を受ける。一方フラックスの従者の黒人と ヌビア が蛇の紋章にある家を見つける。すかさずルーパスが窓から忍び込むと、そこは少年少女を奴隷として働かせている羊毛工場だった。



 バトーに羊毛工場のことを告げるが、バトーは証拠がないと捜索できないという。そこで、バトーとフラックスの知恵を借りて作戦 を練ったフラビア、ジョナサン、ヌビア、黒人の少年が奴隷のふりして、バトーが彼らを工 場に売 りに来たという設定で工場に入り込み隣の部屋にいる首領と交渉する。バトーらは価格の交渉をしようとするが、「ここでは交渉などしない。私の言い値で買う だけだ」と追い返される。

 港でマーカスは、旧知の商人サクセスと再会する。サクセス氏は船に乗り込んできて、柱に縛られていた男を解放する。実はこの 商人が 黒幕だった。少年たちを買い取らなかったのは、フラビアの顔を知っていたので、マーカスと話をして状況を探るためだったのだ。サクセスの部下たちに囲まれ たフラビアたちは、さらわれてきた他の少年少女たちとも船に乗り込んでくる。その中にはオスティアでさら われた友達もいた。一緒にどこかに連行する計画のようだったが、フラビアや少年少女たちの機転であっという間に形成逆転、サクセス とその部下を縛り上げてしまうのだった。このあたりは、いかにも痛快少年少女冒険ドラマといった感じ。 

 一方ルーパスのもとに、盲目の少女メンドゥーサがやってくる。どうやら知り合いらしい。メンドゥーサは、ルーパスの口に手をあ てて、ルーパスが母親を探していることを知るが、生死は知らないといって去る。ルーパスはこっそり後をつける。メンドゥーサは ルーパスがつけてきていることを知っての上で、巨像の頭の廃墟で、こんな感じの不思議な人物に引き合わせる。この人物は、ルーパ スの母は既に亡くなっている、私の元に留まりなさい、などと要するにルーパスを言いくるめて誘拐しようとするが、ルーパスは戦 い、結構あっさり勝ってし まう。子供にとっては油断も隙もない時代なのだった。





 ルーパスはメンドゥーサを連れて船に戻ってくるが、なんと老船員はメンドゥーサの孫だった。二人は再会を果たし、メンドゥーサ の両親も生きて娘を待っていることを知るのだった。その後、ロー ドス島の神殿(上右)を訪ねたルーパスは、世俗とは縁を断って神域で勤務する母親とは直接会うことができず、睡眠薬を飲まされて 眠らされたまま、母と再会するのだった。

 こうして事件は解決したが、詩人フラックスと法律家バトーは何の役にも立たなかった。が、詩人はちゃっかり最後にフラビアに詩 を贈るの だった。



第九話 コリントスからの逃亡者

 今回は、フラビアの家庭教師アリストの話。

 3年前のコリントから始まる。フラビアの父マーカスはギリシアのコリントスで夜強盗に襲われ、アリストに助けられ、それが縁で アリストはオスティアに来たのだった。

 ある日、庭でフラビアたちとボール遊びをしている時に手紙がきてアリストは顔色をかえ出ていく。面白がってあとを付けていった フラビアたちは(ヌビアとジョナサンは悪趣味いだからよせと一応とめたがフラビアに押し切られた)、アリストが港の父のもとへい き、コリントへいきたいと強く依頼するが、父は拒否し、口論となる。それを目撃してショックを受ける。深夜家に戻ってきたアリス トは、父を刺して逃亡してしまう。フラビアたちは、コーデックスや警官団に応援をもとめてアリストを探す。

 ヌビアは、隠れているアリストを見つけて差し入れするようにとルーパスに食事を渡して使いに出す。フラビアとヌビアは馬車を調 達し、コーデックスの御者で、近郊の農家を尋ねてアリストを探しまわる。その後、野原に祭壇を作り神に父の回復を祈る。その祭壇 にはルーパスが残したメッセージがあった。コーデックスが居眠り運転をして道から逸れてしまったので、コーデックスは馬車で休憩 し、ヌビアとフラビアが御者を務める。馬車が上り坂に差し掛かったおり、二人がちょっとしたことで諍いをしている隙に、手綱がほ どけ、馬が二頭とも外れて走っていってしまった。荷車が後ろ向きに坂を下り出し、どんどん加速してゆく。懸命にブレーキをかける 三人。ブレーキあったんだ(あたりまえか。しかし今まで考えもしなかった)。なんとか止めることができた。調べてみると、手綱は 斬られていた。丘の遠くにちらりとアリストの姿が見える。野原の祭壇で祈祷している時、馬車を遠くに止めておいたので、その時に アリストが仕掛けたのかも知れない。。。。

 一方ジョナサンは、フラビアの父の看病をしている時に、アリストの元に来たギリシア語の手紙を見つける。ジョナサンは、それを 前回登場した老船員のもとへ持ってゆき読んでもらう。”老船員は船長を襲え””アリスト”という僅かな部分だけ読めた。どうや ら、アリストに、マーカス船長を襲うよう、指示した手紙のようである。アリストへの疑惑は高まる(ジョナサンの家は医者でお金に は余裕があるのだから、町のギリシア人教師にでも心づけを払ってちゃんと読んでもらえばよかったのに)。


 感染症を併発し重態に陥ったマーカスは、3年前襲われた夜のことがフラッシュバックしてうなされ、しかも3年前の襲撃者の顔は アリストだった!そのマーカス船長の寝室の壁には、カーテンが描かれている。他にも柱が描かれていたりする。

 

庭の壁にも木々が描いてある。



 ヌビア、フラビア、コーデックスが泊まった宿屋に深夜アリストがやってくるが気づかれて逃げる。最初は宿屋ではなく廃屋かと 思ったが、廊下に規則的にランプがついているので宿屋のようだ。宿屋から逃げたアリストをルーパスが見かけて後をつける(ルーパ スは、川で魚をとったりして凌いでいた。もしかしてアリストのための差し入れには手をつけていないのかも知れない)。

 翌日、ルーパスが野原の中の井戸の側面に描いた地図に従って森の中のアリストの隠れ家(横穴式石棺のような場所)に向かうフラ ビア達。ナイフを手にしたコーデックスを先頭にフラビア、ヌビアたちが入ってゆくと、なんと同じ顔をした二人が格闘中。コーデッ クスはアリストの方を殴って縛り上げてしまう。ニセアリストが横穴の入り口を石柱でふさいでしまい、アリスト、フラビア、ヌビ ア、コーデックスは閉じ込められてしまう。しかしルーパスはそれをを外から見ていた。ルーパスは荷馬車を運転して町へ戻る。アリ ストは、3年前の真実を告げる。フラビアの父を襲ったのは、双子の兄で、助けたのが弟の自分だったと。3年前マーカス船長を襲っ た時に逮捕されてしまい、脱走してマーカス船長に復讐するために襲撃したということらしい。

 アリストの兄はマーカス船長に止めをさすため、フラビアの家にいくが、マーカスは死んだとジョナサンが答える。ルーパスが先に 戻り、ジョナサンと謀った芝居だった。ルーパスのおかげで閉じ込められたフラビアたちの元にも助けがきた。最後にコーデックスと アリストが兄の隠れ家を襲撃し捕まえる。船長は回復し、めでたしめでたし。ルーパス大活躍の回でした。



第十回 エルサレムから来た奴隷少女

 森で狩りをしている時に、荼毘をみかけるジョナサン。葬儀に立ち会っていた女性がな にやら叫んで逃げ出すのを目撃する。



 モデルカイ家。ミリアムのお腹が大きくなっている。近々子供が誕生する様子。ミリアムの友達の女奴隷のヘファスィバが モデルカイ家に駆け込んでくる。狩に出ていたジョナサンが戻ってみると、その女性は先程森で見かけた女性だった。ヘファ スィバの主張によれば、主人ディーヴェスが亡くなる直前に彼女を奴隷から解放してくれた、という。しかし、その時のこと を証言してく れる人はひとりしかおらず、彼女はその人物の名前を知らないという。特徴は、額の左側に痣があることだという。このままでは新しい主人と結婚させられてし まいそうだ、と訴える。ジョナサンはヘファスィバに一目惚れな様子。

 町の中心広場で痣のある男を捜すフラビア、コーデックス、ルーパスとヌビア。ルーパスは、どじな太っちょの神殿への鶏 卸売商フ ロー ディウスと知り合う。以下フローディウスが裁判所に張り出した張り紙(この作品では文字は英語なのに、ここではラテン語が使われている。内容を知りたかっ たので翻訳。ちょっと意味不明な感じですが、恐らく最後のVariaが、多様な(Diversity)とdive(潜 水)を引っ掛けているのだと思われます。あらすじでは省略しましたが、彼は2度、広場の泉に落っこちる場面があり、周囲 から笑われる場面があります。お前の「多様な仕事」って「水に潜ることか」という感じで笑いをとってしまった、というこ となのかも)

AULIUS PROBUS FLODIUS : HARUSPEX MERCATOR SACRARUM GALLINARUM ET ORATOR ; PERITISSIMUS AD HOROSCOPOS OPERAQUE VARIA.
 
アリウス・プロブス・フローディウス:神聖なる鶏の卸業者にして弁論家:占星術に熟練せしもの、多様な仕事を引き受けま す

 聞き込みにより、パピーリオという名の男だということが判明するが、パピーリオ自身はなかなか見つからない。パピーリ オとは蝶の意味とのこと。そんなお り、フラビアは、第八話で登場した詩人のフラックスと町でばったり再会する。弁論家になったらしい。ロードス島の時に弁論家になるといっていたのかな?フ ラックスは、これは僕の最初の案件となる。少女は明日には解放されるだろう、と安請け合いして去ってゆくのだった。



 フローディウスが、ノニウスとパピリオの文書をもって役所から出てくる。関係者(ヘフズィバ、ルシウス・ノニウス・セ ラ(冒頭で埋葬されたディーヴェスの遺産相続者)、判事、フラビアたち(フラックス、モルデカイ、ヌビア、ルーパス、 ジョナサンなど)が役所の前に集まり、パピーリオを召喚し、判事立会いのもとにヘフスィバの奴隷解放の証明を行なうとい うことのようである。鶏占い師フローディウスが役所の前でパピリオの文書(住所が書いてあるのかも知れない)を読み上 げ、ヘフスィバはパピーリオの住居を訪ねる。心配したモルデカイとヌビアは後をつける(上がパピーリオの住むインス ラ)。インスラについたふたりは手分けしてパピーリオの家を探す。ヌビアがパピーリオの部屋に入ると、パピーリオが何者 かに刺されてい た。絶命直前に、「他の6人を探せ・・ハーキュレーの元で」と謎の言葉を口にして絶命するパピーリオ。

ヌビアの叫びを聞き、モルデカイが入っきて検死する。ついでモルデ カイは、広場に戻り、フラビアたちにパピーリオ刺殺を伝えるが、それを聞いていたルシウス・ノニウス・セラ は、「その女が殺ったのだ!」 とヘフィスィバを指し、判事は警官のブルートゥス(前回マーカスが刺された夜アリストを追った警官団のリーダー)に容疑者としてヘフツィバを逮捕させるの だった。


 以下左からフラックス、フローディウス、ヘフィスィバ、判事、ノニウス(隻眼)




 フラビア家に顔色を変えたアリストが飛び込んでくる。官憲がやってきている!ヌビアを逮捕に来る!奴隷としてヘフィ ツィバに協力してパピーリオを殺害したという容疑のようである。ノニウスはヌビアは奴隷だと主張し、ローマ法では、奴隷 解放の登記にあたって税金を納めることになっているが、父親のマーカスさんは登記したのだろうか?。父は不在でフラビア にはわかるわけもなく、取り急ぎヌビアを逃がす。ブルートゥス率いる警官団がヌビア逮捕に来たが、フラビア達はとぼけ る。ブルートゥスは、「おまえらユダヤ人はトラブルメーカーだ」と当時のローマにおけるユダヤ人観のひとつを口にする。 森 の 中の廃屋に逃げ込むヌビア。追跡するブルートゥスら警官団の制服がちょっと素敵。



 結局ヌビアはつかまり、ヘフィスィバと同じ牢獄に入れられてしまう。

後半

 ミリアムが保釈金を払ってヘフスィバを保釈させる。フラビアが家の中を引っ掻き回して、絵の裏側の隠し場所から蝋板を 取りだし、それをブルートゥスのもと にもって いって、看守が読むと何故かヌビアを釈放する。奴隷解放証書が書き変えのできる蠟板だとは思えないので、このドキュメントが何なのかはわかりませんでし た。


7)裁判





 ロードス島のときに出てきた法律家マーカス・アルトリウス・バトーがノニウスに雇われ、告発担当弁護士を務め、ガイウ ス・バレリウス・フラックスがヘフ ツィバ側の弁護人を務める。バトーは、ヘフツィバがディーヴェスに奴隷解放と引き換えに結婚を迫られ、拒絶したことから、ヘフツィバが主人を殺害したと主 張する。以下が法廷の様子。右下画像の右上億にヘフツィバが座り、木枠の右外側が傍聴席、木枠の下外側が裁判官席(三 名) の座席となっている。画像中央奥にフラックスら弁護側が座り、画像左側にノリウスら告発者側が座っている。左下画像は、 双方の論者の持ち時間を計る水時計。続いてフラックスが弁護に立つが、詩を読み上げるような口調と身振りで弁論演説を初 め、まったくなっていない。傍聴者は脱力してしまうのだった。しかも時間内に話終えることもできなかった。告発者側から も失笑が漏れる。



 法廷の別のカット。下左画像は上右画像と同じ方向からのもの。下右画像は、 ヘフィスィバの後ろから、裁判官席に向かって見たところ。左木枠の外側が傍聴席。フラビア達もここで傍聴してい る。



 水時計拡大図。水がめに流れ込んだ水が、銅像を浮かび上がらせ、目盛りを上に向かって進める。目盛りの刻みが時間を示 す。



 その日の公判は終わり、裁判所を出たところ でミリアムは産気づく。そこにルーパスが持ってきた蠟版を読んだフラビアはデルフィーナ号が戻ってきたこと知る。ルーパスは港に向かい、海に飛び込み、ミ リアムの夫であるガイウスにお産が始まったことを知らせる。子供は無事生まれた。双子。しかしミリアムは亡くなってしま い、葬儀が行なわれることになる。



 ジョナサンが弔辞を読み上げる。葬儀の帰り道すがら、叔父は早く家に戻りたい、というが、父マカースは、他に6人の証 人を見つけなければならないので、まだ帰れないという(死亡届けの手続きのことらしい)。「6人」という言葉にひっか かったフラビアが父に問うと、ローマの法では7人の証人が必要であるとの解説をする。ヌビアとフ ラビアは、パピリオの最期の言葉「他の6人を探せ」が、7人の証人を意味しているのだと気づく。フラビアがフラックスにそのことを伝えると、思わず感謝 に父が見ている前でフラックスはフラビアの唇にキスをしてしまうのだった。

 2回目の公判

 ジョナサンは、サイコロを左手でいじっているノニウスを見て、彼がヘフツィバが犯人だと最初に指摘した時も左手で指差 したことに気づき、この点をフラックスに進言する。ルーパスはフラビ ア、コーデックスをヘラクレス神殿に連れてゆき、パピーリオの口にした「ハーキュリーの元で」とは、ヘラクレス神殿のことではないかと示す。法廷に蠟版を もってフラビアが戻ってく る。神殿に遺言状の蠟板あったのだった。内容を読み上げるフラビア。ヘフツィバの奴隷解放が明記され、ノニウスにはローブ一枚しか遺されていないことが判 明する。判事は、ヘフツィバは奴隷では無いことは判明したが、殺人の無罪はまだ出ていない、と告げる。ノニウスは、この 蠟板計画書であって、執行したものではないと主張 する。ここでフラックスは、凶器の短剣は右手で使うようデザインされているが、傷口は左利きの人物の犯行によるもので、犯人は左利きの男、即ちノニウスで あると主張する。

 最後に(この部分はよく聞き取れなかったのですが)判事が、わたしはノニウスの保護を放棄する。誰かノニウスを奴隷と するものはいないか?法廷に問いかける。ルーパスが、居眠りしているフローディウスをつつくと、目覚めて思わず立ち上 がってしまう。判事に名前を問われて、アウス・プロブス・フローディウス!と名乗ってしまったフローディウスは、ノニウ スの主人となるのだった。

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古代ローマ歴史映画一覧表

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