原題「Il colosso di Rodi/英題The Colossus of
Rhodes」1961年スペイン・仏・イタリア製作。ずっと観たいと思っていて、ようやく観れました。字幕の無いイタリア語版だったのですが*1、本作
は日本でも公開されているとのことで(邦題「ロード島の要塞」)、あらすじはGoo映画サイトに記載があります。 本作に関しては、古代世界の七不思議のひとつ、ロードス島の巨人像コロッサスがどのように映像化されているのか、どのような意味 合いで登場しているのかに 興味がありました。筋の方は予想通り、いかにもソード・サンダル映画のそれで、特に言葉がわからなくても観ていて推測できてしま う程度の話です。最後に突 然嵐と大地震が起こって町と巨像が崩壊するのはSS映画のお約束とはいえ、あまりに唐突過ぎな感じ。今回は、その巨像と町の映像 の画面ショットをご紹介し たいと思います。 *1 その後英語字幕のsrtファイルを見つけたのですが、特に無字幕版ベースのこの記事を修正する程の内容ではないので、記事 の加筆は行いませんでした。 まず、ロードス島の巨像の全体から。像は港に建っていて、二つの波止場にそれぞれの足を置き、間を船が抜ける形式になっています (このイメージは16世紀 頃に書かれた想像図のようで、実際には(像が存在していたとしても)通常の立像のようにひとつの台座の上に両足が乗っていたと考 えられているとのこと。 こちらは、設計者のところにある、ロードス島と像の模型。 その像の足元にある入り口。右足の台座の下に小さく、白い服の人がいます。大きさがわかります。 こちらも足元。階段の上に、入り口があります。 また、反対側の台座の部分にも入り口があります。像の足の中に螺旋階段があり、胸元の部屋まで上がる構造となっているようで す。 像の胸元には扉があり、ここで、像が胸元に両手で持っている火を炊く碗のところに出ることができます。 胸元の碗に油が流し込まれ、火が炊かれているところ。 胸元の碗から、火のついた油を落として、船を焼く場面。 胸元の部屋。胸の扉を開閉する機械と、油を流しだす機械があります。 更に、頭の中にも部屋があり、目の部分から外を見ることができるようになっています。 また、耳元にも扉があり、ここから肩の部分に降りられるようになっています。 その肩と腕の部分で格闘をする主人公たち。 更に、頭頂部分が開閉し、油を放り出して、周囲の敵兵に攻撃する、という使い方も出てきました。 という具合に色々見せてはくれましたが、最後は地震であっさりと海に向かって倒れて終わり。もう少し活躍できなかったものかと 少々物足りなさを感じました。 ロードス島のアゴラ(広場)付近。夜なので薄暗いのですが、まあ、こんな感じ。 なぜかギリシア圏なのに、円形闘技場があります(闘技場はローマ帝国西方都市で作られたが、東方ギリシア語圏には殆ど普及しな かった) ロードス島の市街地。結構雰囲気が出ていました。 最後は、フェニキアのバール神と思われる地下神殿。スティーヴ・リーヴス版「ポンペイ最期の日(1965年)」や「サムソンと デリラ」などで登場する悪神崇拝の悪役と同じパターン。そして天災で崩壊するのも同じ。 巨人像の登場以外は、典型的なソード・サンダル映画でした。 DVDはこちら(英語) VHS(日本語版)はこちら。 IMDbの映画情報はこちら。 古代ギリシア歴史映画一覧表はこちら。 |