古代ローマ歴史映画「ロムルスとレムス(公開時題名「逆襲!大平原」)」(1962年)

    1962年イタリア製作。1964年日本公開時の題名は「逆襲!大平原」となっていて、全然ローマ創成期の話とは思えない題名です。 本作は、米国ターザン映画のスターゴードン・スコットと米国人だがイタリアのソード・サンダル映画でスターと なったスティーヴ・リーヴスという両スターの競演が話題となった作品とのことです。 スティーヴ・リーヴスがローマ創設者ロムルス、ゴードン・スコットが弟のレムスを演じています。

 筋の概要は、Goo映画紹介に記載がありますので、ここでは、映画紹介に記載されていない 部分を中心にご紹介したいと思います。

 ソード・サンダル映画ということであまり期待せずに見たのですが、ローマ創生の物語を適当に作るわけはなく、結構良くでき ているように思えました。

 冒頭、ロムルスとレムスの母、レア・シルウィアがアムーリウス王の兵士達に追われ、テヴェレ川沿いの湿地帯に逃げ込み、川 に双子の赤子を流すところ。物語のイメージそのままの映像。

 映像的には、一歳になるくらいまで狼に育てられていたようです。狼が川で双子を見付ける場面から、狼を見つけて射殺した牧 夫が双子を見つける場面に飛んでしまったので、狼が具体的にどのように育てていたのかがわかる場面が無かったのが少し残念。

 古代ローマのソード・サンダル映画お約束の戦車競争は流石に時代錯誤だからか、同等の場面は、障害競走となっていました。 燃える薪が一定間隔で置かれた競争路を、数頭の馬で駆け抜けるというもの。無理が無い設定です。

  この競争祭典に紛れてとレムスに率いられた叛乱軍が暴動を起こし、ロムルスはアムーリウス王の娘ジュリアを誘拐して逃亡。結 局兵隊に見つけ出されてロムル スは拷問にあい、王宮横の闘技場で、熊と対決させられることになります。その木造の闘技場。継ぎ接ぎだらけで立派ではないと ころも割りとリアルな感じ。

 左側が闘技場に面した王宮のベランダ。王族や貴族が観戦しています。ロムルスは熊を打ち倒すものの、王の命令で射殺される ことになるのですが、レムスと配下がまたも暴動を煽動し、王を殺害。ロムルスはまたもジュリアをさらいます。

 右上はアルバ・ロンガや近隣のサビニ族の将校の甲冑。右端の甲冑の縁は毛皮に見えます。かなり奇抜な感じに見えますが史実 はどうだったのでしょうか。調べてみたいところです。
 
  その後ロムルスとレムスは住民のキャラバン隊を率いて移住の旅をするのですが、途中で移住先の意見が食い違い、幹部の投票の 結果、ロムルスに従うことにな ります(Goo映画紹介ではロムルスとレムスがジュリアを争ったとありますが、レムスにはタラペヤという恋人がいて、しかも ジュリアを争った場面が無いこ とから、Gooの記載は誤りかも知れません)。

 納得できないレムスは、自分に従う半数の住民を率いて旅を続けますが、火山地帯に侵入してしまい、突然の噴火に住民達は壊 滅してしまいます。一方ロムルスが率いた部隊は、無事目的の土地に到着し、追ってきたサビニ族とは、ロムルスが犂で境界線を 引いて和解する。

 このままエンドクレジットが出そうな雰囲気でしたが、そこに一人噴火を生き残ったレムスが、兄を恨んで復讐にやってきて、 ロムルスと対決。ロムルスが勝って幕。

 凄く盛り上がるとか、ドラマチックな展開とか、映像的に見るべきものがあるという感じの作品ではありませんでしたが、SS 映画である割りには歴史映画として見ても無理が無い映像だった点が気に入りました。

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古代ローマ歴史映画一覧表はこち ら


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