中世チェコ歴史映画「ヤン・ジシュカ」

  1957年チェコ製作。中世末期チェコの宗教改革を描いた三部作の二作目(一作目の「ヤ ン・フス」の紹介はこちら)。フスの死後、蜂起した人々のリーダーとなったヤン・ジシュカの活躍を描く。下記がヤ ン・ジシュカ。

 ロシア語(チェコ語字幕)版を視聴。

 1419年のテロップから始まる。
  夜半、聖歌を歌いながら行進する数百名のフス派の人々。そのうちの一人に前回でも出てきたヨハンナが登場している。追っ手の兵士 の一団が来て、森に退避す るフス派の人々。犬を使った捜索で一人検挙される。川で動けなくなってしまったヨハンナを助ける一行に加わっていた騎士。

 翌日、フス派の洗礼式である、両形色拝領方式を野原で行う。

 プラハのテロップが出る。舞台はプラハに移る。宮廷に、何故かジシュカがいる。ヴエンツェル(ヴァーツラフ)王に訴える3名程 の騎士。王は追い払う。続いて宗教者達の話を聞くが、彼らも追い払う。そうしてワイン浸りになる王。王と会話するジシュカ。

 ワイン浸りの王と道化と護衛兵。

 家に戻り、家臣と会話するジシュカ。その後考えにふける。すると、市街をゆく白い旗を掲げた市民の行進を見る。フス派の行進の ようである。

 王の兵士が解散させようとする。何人かが検挙される。それを見て剣をとり部屋を出てゆくジシュカ。
 どこかの教会。泣く女性。集まる民衆。司教は何かをいい、市民を解散させるが、ジシュカが残り、司教と会話。
 教会の入り口で民衆を前に演説するジシュカ。

 市民に武器庫をあけさせ、市民が武器を持ち出す。

 フスの部屋は、今は若いカレル大学の神学生が使っているようである(フスも同大学の学生だった)。神学生達が会話している。

 武器を持った市民に語り掛ける神学生。この時ジシュカは隅で市民と一緒にいるだけである。神学生を先頭に、聖歌を歌いつつ、市 内を行進し、広場にいたる。

 神学生が市庁舎へ向かって声明を出す。市庁舎は屋根から石や木材を投げ落とし、市民に死傷者が出たことから、市民はジシュカ指 示のもと、市庁舎の扉を打ち破り侵入する。

こうして戦争が始まった。窓から市庁舎の役人が落とされる、プラハ窓外投擲事件である(下記写真の真ん中上に落とされている人物 が見えている)

 郊外の城で話を聞いたヴェンツェル。動揺する国王の道化が余計なことを言ったらしい。道化の腕を刺し、激昂のあまり、国王は心 臓発作を起こして死去してしまう。下記は王妃とその侍女(中央が王妃ゾフィー)。

 その王宮にシジュカと民衆軍がやってくる。国王崩御を聞き、帽子をとって痛むジシュカと配下の兵士。王宮の家臣とジシュカが会 話。

 演説するヤン。聖歌を歌う民衆軍。作戦会議のジシュカと神学生たち。

  王妃と道化、家臣は夜、船で川を下って脱出する。平原にはシグムント軍の天幕があり、多くの人々が下働きし、ジプシー女が曲を奏 でている。軍隊の駐留地は ひとつの町といえる程のもので、さまざまな職業の人が紛れ込んで来ることがわかる。その陣営の前には処刑された人々が晒されてい た。シグムントの天幕には タタール人幹部もいた。オスマンからの使者が来るが、シグムントは彼を殺してしまう。これがそのオスマン使者(左)。右はタター ル人のリーダー。

 プラハのヴィシェフラド城に単身ジシュカが乗り込む。ジシュカの説得に無血開城。市民軍が入城する。
 一瞬だけ、どこかの都市が燃え上がっている場面が映り、プラハ市内で負傷者を介抱するヨハンナが映る。しかしその負傷者は死去 してしまう。状況が悪化する一方のプラハ。プラハ市内の苦しい場面が描かれる。

 こうしたことを背景に、寝返る一派も出てくることになる。

  どこかの隠れ司令部。どっちの陣かしら。入ってきたフス派リーダーの一人、ヤン・ジェンスキーは刺され殺されてしまう。そこにさ らに扉を叩く音が。入って きたのは、ハプスブルクの家臣Wartenberk公爵(下記)。そう、これは、フス派の穏健派と、シグムントと結んだハプスブ ルク家との密会だったの だ。

 ジシュカが交渉で奪った城は、夜再度奪われてしまう。今度はプラハ市庁舎にハプスブルクのヴィレムの使者が来る。フス派穏健派 と正式な交渉に来たのだった。ほぼ最後通告のような脅しである。

 使者が退出した後、市庁舎では今後の方針を検討する。

−戦闘は、剣は最後にものを言う。そして彼らはより多くの剣を持っている。
−キリスト教は言葉ではなく、剣で戦うはず。
−我々は奴隷と羊のように死ぬようにすべきなのか?と司教。
−ここで和睦すれば、今までの支持者の暴力は許容されるという条件だ
−私達が優勢であるうちに、有利に和平を進めた方が得策だ
−敵と交渉することはない

など色々な意見が出る。
 
 そこにジシュカ軍が入ってくる。
「あなた方は何をしたんだ?ヴィシェフラドはWartenberkに寝返ったぞ!裏切り者め!」 とジシュカ。
「すべての善良な人々はプラハの平和を望む。ヴィシェフラドは停戦協定と引き換えにした」 と穏健派。
ジシュカ 「私たちの兄弟は、このために戦った?彼らはこのために血を流したのか?」
穏健派 「プラハの人々は流血に疲れている。彼は平和と秩序を望んでいる」
ジシュカ 「ヤン・ジェンスキーをどうした!」
穏健派 「ヤン・ジェンスキーと彼の仲間は最大の障害だった。時間が無かった」
ジシュカ。 「嘘をつくな、狡猾な交渉者め」

そして、神学生のリーダーの一人に向かって、「先生!あんたはどちら側につくんだ!」と詰め寄るジシュカ。
神学生 「私はすでに述べています。ジギスムントと大学の間で交渉します」
ジシュカ 「ジギスムントは、(条件を)受け入れるところと交渉しているだけだ」

 そして全員に向かって、「私達を裏切った、そうして私たちを恐れている。今後そのための代償を支払うことになる。ジギスムント はあなた達を跪かせるだろう!」
と言い捨てて部屋を出るジシュカ。

 ヤン・ジェンスキーZelivsky の遺体を囲む人々。神学生とジシュカが見守る。
ジシュカ 「彼らは私たちを取り囲み、町の全員が飢えるだろう」
別の男 「我々はタボール山に近い場所に集合しています。敵はそこを征服することはできないので、それを補強します」

 ジシュカは決戦の場所を探す。三方を沼地に囲まれた土地に陣取ることにする。装甲車に仕立てた馬車を並べて陣を作る。

 並べた荷馬車の間に大砲を据える。

 全体としてこんな感じの布陣。

 ハプスブルク同盟軍

 待ち構えるフス軍

 フス軍は、正面攻撃を跳ね除ける。そこで同盟軍は迂回して、側面から攻めようとするが、沼地に馬の脚を撮られて、馬を下りて歩 かざるを得ない。重装歩兵が沼地を歩けば、軽装農民にとっても敵ではない。一気に農民軍に殲滅され、こうしてフス派は国王軍を撃 退するのだった。

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フス戦争を描いた珍しい漫画。大西 巷一著『乙 女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(1) 』2014/01発売
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