アクィンクム

  

紹介

 アクィンクムはハンガリー最大のローマ遺跡である。当時もパンノニアの中心都市であり軍団駐屯地として栄えたが、 2000年後の今もハンガリーの首都である。地勢的に便利かつ確保しなくてはならない場所なのだろう。
 左の写真はゲッレールトの丘から北へ向かってブダペスト中心部の主にブダ側を撮影したもの。
 ちょっと見づらいけど左側岸に王宮の丘があり、王宮のドームらしきものが見えているのがわかると思う。その王宮の丘の向こ うにぼんやりかすんで広がる市街がオーブダ地区でありアクィンクム遺跡はオーブダ地区から北へ向かって展開している。ドナウ の右岸に見えているのは国会議事堂。アクィンクムはこういうロケーションのところにある。
 下パンノニアの初代知事はハドリアヌスで106年-108年に勤務していたとのこと。この頃は1軍団だけの駐在で、214 年以降2軍団となった。379年までは在任知事が
 確認できる様である。アクィンクムには主に第2軍団か第3軍団が駐在していたとのこと。
 遺跡は主に4箇所に散らばっている。
 
マリオット近くの24時間ツーリストインフォメーションIBUSZの南側にコントラ・アクィンクムという砦跡がある。ただの 土台しかなくあまり期待してゆくところではないと思うけど。
 次いでブダ側へ渡り、BATTHYANY駅から北へ向かうHEV(郊外電車)の駅2つめだったか3つ目だったかで下車する と西側の駅前広場に写真右上の円柱がある。
 更に駅は高速道路の高架下にあるのだが、この高架下になんとローマ遺跡がある。
それが右の写真と下の写真である。高架下の遺跡は一般見学用に開放されているわけではない様子でたまたま偶然見つけたもの。 しかも見学してよいのかよくわからず、更に浮浪者でも住んでいそうであんまり気持ちのいい場所ではなかった。 しかし規模は 小さくは無い。
 この駅の西側にあるバス通りを南へ500m程行くと扉写真の円形競技場跡に出る。

 
 結構巨大。写真には写っていないが一部2階席部分が残っていて、写真を撮影した場所がまさにそこ。ちゃんとトンネルと階段 が残っている。
 この円形劇場跡はマジャール人が9世紀にやってきた時アッチラ王の宮殿跡だと信じ込んだとか。

 写真下中と右がアクィンクムの遺跡。最初に下車した駅からまた数駅目だったと思うが「Aquincum」駅下車。駅 の東側が直ぐ遺跡。300m四方に展開しており中央には出土遺物を展示した博物館がある。
 現代でも通用しそうな円形ガラスのテーブルやガラスのトレイなど日用品が上手に展示され(デパートのデコレーションを 思い浮かべるといいかも)当時の生活水準の高さをうまく伝えてくれている。

 一番下の写真はaquibcum駅の西側に平行して走っている道路の向こう側(つまり西側)にある円形闘技場の放置 遺跡。

 

旅行情報
 
遺跡見取り図
  アクィンクム遺跡はHEVの路線に沿って2,3キロ南北に展開している。
 ロケーションとしてはドナウの中州のマルギット島の西から西北方面にある。ブダの王宮を基点としても2,3キロから4,5 キロ程度のあたりであると思う。
 有料遺跡では「PANNONIA HUNGARICA ANTIQUA」というハンガリーのローマ遺跡の100ページ程度の冊子が売っている。カラー写真とカラー地図、復元イラスト入りで今は英語版が出ている 筈である。私が行ったときは「2週間後に英語版が出る」とのことであったが、2週間も待っていられる筈も無く今手元にあるの はマジャール語版なので地名以外は殆どわからない。もし英語版があったら是非購入することをお薦めします。そしてコピーとら せてください。早くインターネットショッピングで買える時代が来て欲しい。。。

ハ ンガリーの地図はこちらを参照してください

註:上記写真は現像屋が下手だったため写真全体が黄ばんでおり、実際は灰色の石が黄色く見えています。
左上のドナウの写真だけコンピュータで色調補正し実際に目にした景色に近い色にしてあります。時間があればいづれ残りの 写真も補正するか、もう一度現像し直す予定です。

旅行日記

アクィ ンクム博物館作成のページ