2008年ハンガリー・チェコ・スロヴァキア・英国共同制作の、15世紀末から16世紀末
の実在の人物、ハンガリーの大貴族、バートリー・エルジェベー
ト(1560-1614年)の伝記映画です。数百人の処女の村娘を殺し、その血で満たした風呂に入ったとされる伝説の人物です
が、本作は、ハンガリー側が
製作に関わっていますので、まともな領主として描かれ、犯罪は使用人が独自に行ったもので、エリザベートの失脚と財産・所領の没
収の為、政治的意図を持っ
て仕組まれたものだった、という立場で描いています。エルジェベートの叔父はポーランド王になったステファン・バートリ
(1533年-1586年・在
1576-86年)。当事の中欧で権勢を誇った一族とのことです*1。次回は、残虐行為は事実であるが、それは愛ゆえの為であ
り、決して異常嗜好者ではな く、ただ、犯罪を政治的に利用された、との立場から描かれた「The countess(血の伯爵夫人)」(2009年)をご紹介
いたします。141分、本部構成となっています。本作は、2015年5月日本語版DVDが発売 されました。「ア イアン・メイデン
血の伯爵夫人バートリ」という題名です。 *1 「トランシルヴァニア―その歴史と文化(恒文社)」p100によると、16世紀中頃 のトランシルヴァニアには約80万人の人口がおり、中西部37県のうち、45%が大貴族16家族を占め、55%を1000の中小 貴族が占めていたとの記載があります。 本作は、冒頭下記、トランシルヴァニアに残る、バートリー・エルジェーベトの居城の遺跡が映され、1610年、城が破壊される場 面から始まります。本作 は、作中にも登場し、エルジェベートにも関わった修道士が、晩年に伝記を書きながら語る形式をとっています。下記チェイテ城の、 現在の遺跡が、CGで、か つての姿に復元されてゆく映像が登場します。娯楽作品としては、結構面白かったと思います。日本語字幕dvdか、有料ネット視聴 で日本語字幕が見れるよう になって欲しいと思います。 下記がバートリー・エルジェーベート IMDbの映画情報はこちら。 ハンガリー歴史映画一覧表はこちら。 以下あらすじと画面ショットです。 第一部 FERENC(フレンツ(バートリーの夫の名) 幼女のエルジェベートと少年フレンツとの結婚式。幼すぎる為、初夜は数年後となる。 教育の場面を過ぎ、数分後には祭りの日(初夜の日)となる。ベッドの下に伝記作家が(この伝記作家は、本伝を記載している修道士 とは異なるようである)。 そして更に数年が経ち、2人とも20歳前後になったものと思われる時、オスマンとの戦争勃発。夫も戦争に出る。スペイン軍の支援 をうけてオスマン軍を破 る。どことなくコサック風な感じのトランシルヴァニア軍。 1593年チェイテ城。 成年した夫婦。子供も生まれている。夫のフレンツに無理やり背後から犯され、犬にフレンツが噛み殺される夢を見るエルジェベート (以下エリ)。青い薔薇が 敷き詰められたベッドで埋もれている。しかし気づくと犬の死体でベッドは血だらけ。吐き気をもよおしながら、よろよろと部屋の外 へ出ると、夫は侍女とやっ ていた。それをみて泣き崩れるエリ。再び戦場。従軍書記も大砲の弾が飛び交う戦場で書いている。砲弾が飛び交う中でチェスなどし ている騎士達。 チェイテ城では顔に怪我のある侍女の肖像を書く青年画家。そのまま画家の上に乗っかってやるき満々の侍女であったが、そこに突然 エリがやってくる。粟を 食ってもう一方の戸口から出てゆく侍女。城館の庭園でエリの肖像画を描くことになる青年画家。続いて地元の町の様子が描写され る。 しかし青年画家は、中庭で肖像画を書いている時に、足を蛇に噛まれてしまう。急いで城内に運び込まれる画家(下記はチェイテ 城の中庭)。 鉄の先端を焼いて、足を治療する。夫の浮気相手の、目の周りに痣のある侍女キャサリン(画家の部屋でも画家を誘惑していた) は、侍女を呼び出す。 鞭を手にしていたので、折檻するのかと思っていたら、彼女に変な機械を渡すエリ。木箱のようなもので、侍女が受け取ると、ばね で刃が飛び出す。思わず驚いて落としてしまう。床に刺さる道具。 1594年エステルゴムの戦い。オスマン軍の陣地襲撃に成功するハンガリー軍。陣幕の中に裸の多くの女が。しかしそれはオスマン 側のおとりだった。天幕に かくれていたオスマン兵に逆に包囲されてしまうハンガリー軍司令官。オスマンにつかまったハンガリー軍は、城の中庭で斬首が続 く。ブーツに隠し持った金貨 でオスマン兵を買収するフランツ。 画家に広大な領地を案内・説明するエリ。馬車の後部座席には楽師が2人座っていて、音楽を奏でている。 鹿の群れを見つけ、銃で撃つエリ。 地下室に幼い娘と画家を案内するエリ。地下には、氷に閉じ込められた赤ん坊があった。なんだこりゃ。これを画家に書かせるのだっ た。画家が帽子に蝋燭を立 てて書く場面はちょっと不気味。八墓村か丑三つの村という感じ。油断しているうちに蝋燭の火で絵が燃えてしまう。画家の手を縛 り、綱を馬車の窓枠に縛り付 け、無理やり侍女と子供を連れてどこかへ行くエリ。画家が抵抗すると鞭で打ち据える。途中火あぶりの刑を目にする。 どうやら、Gyulafehérvár(現ルーマニアのアル・バユリア)にある城での、トランシルヴァニア貴族たちの会合に出 たようだ。下記がその城。 城の中にはルネッサンス絵画が。宴会で画家が即興で描く。庭には王たちの肖像の彫像が。ちょっと不気味。巨大なチェスのようであ る。 西ハンガリーのSARVARの城を訪れるエリ。中庭で侍女の拷問が行われているのを窓から見るエリ。エリが鬘を外したので、普段 のソバージュの長髪は、バ ロック風のかつらだったことがわかる。エリのヌードを描く画家。それを燃やすエリ。この時の2人は、殆ど愛人関係である。が、突 然村の方から鐘の音がし始 める。翌朝馬車で村まで出るエリと画家。村へゆくと、中央に司教や村人数名が集まっており、首筋に2つの傷跡がついた死体を見せ られる。首の傷をみて、侍 女に渡した、変な鋏を思い浮かべるエリ。死体を城の地下に運んででもらい、画家に解剖させる。それを隙間から覗き見し、恐怖に囚 われた侍女は、城壁の抜け 穴から外に出ようとしたところ、、犬に追われながら外へ脱出するが、脱出したところで、犬番のフィツコに捕まってしまう。 一方、野原で画家を裸にさせ、そのまま馬車で走り去ってしまうエリ。裸で追いかける画家。ユーモラスな場面である。 こうしてみていると、結構破天荒なだけの女性に見えなくもないが、解剖を目撃した侍女は、エリの書斎に連れてこられる。エリは侍 女の指輪を取り上げ、火で 指をあぶり、鞭で打つ。窓から逃げようとした侍女は墜落死してしまう。一応衝撃を受けている感じのエリ。しかし、これでまた新し い遺体が手に入ったことに なり、今度は臓器の絵を画家に書かせることにしたらしい。 城館で侍女の半数がトップレスななかピアノ(の元となったオルガン)を引くエ リ。そこに画家が入ってきて、痴話げんかのようになるが、仲直りしていちゃついているうちに夕方になる。何故か城内が騒がしい。 お祭り騒ぎとなっている。 夫のフランツが帰ってきたのだった。画家(カ ラヴァッジョという名前らしい)を追い出した直後、エリ部屋の窓に飛び移って 入ってくる夫フランツ。城内 では宴会となる。スペイン・ハプスブルク系とコサック・トルコ系装束が入り乱れている感じ。画家が、エリと子供達の肖像画を披露 している。 フランツが、画家の指に目をやると、エリの指輪をしているのがわかる。妻の浮気を疑い、画家がエリにボディペインティングをして いる想像をしてしまうフラ ンツ。いきり立つ夫にたいして、横に座っていた友人は、自分の指輪を開いて、中にある毒薬をワイングラスに入れ、それをフランツ に渡す。フランツは画家に 近づき、ワイン渡すが、酔っ払ったエリが、画家から取り上げて飲んでしまう。倒れるエリ。フランツが画家を跳ね飛ばし、寝室に運 ぶ。薬師が治療してようや くよくなるエリ。 良くなったと思いきや、今度は地下室の壁を壊して、薬師や侍女達と、閉鎖されていた地下室を探索するエリ。奥の石の扉 を押し開ける。しかし突然場面は変わり、自室で肖像画と鏡にうつった自分の顔をと見比べているエリ。薬師が薬をこねている。どう やら血が良い、とか吹き込 んでいるようにも見える。バートリーの手首をちょっと切って血を飲ませる薬師。 第二部 DARVULIA (薬師の名前) 10年後。1604年。再びオスマンとの戦闘が行われる。村を襲撃するオスマン軍。鳥かごを背中に背負って逃げる修道士。火に包 まれる村を城のバルコニー から家族や侍女たちと見るエリ。娘もいい年齢になっている。その時突然薬品室で爆発が起こる。あわててエリや侍女達がかけつける と、侍女2人が喧嘩をして いた。どうやら、薬品室で喧嘩をしているところ、薬瓶が割れて爆発したらしい。 場面は変わり、オスマン軍の去った後、村の教会の修理を する若い修道士。鳥小屋も作り直す。村の雰囲気が良く出ている場面である。戦禍にあった死体を運ぶ馬車が通過する。老修道士は ローラースケートを開発し、 馬車をつける修道士2名。チェイテ城に侵入し、修道士が追った遺体は、チェイテ城の外側の庭に運ばれた。埋葬されていところを見 る二人。 一方その時、血かなにか、赤い液体の風呂に入っているエリの画像が入る。 1603年。ブタの包囲。市街戦が行われる。結構迫力のある場面。 冬。機械式の車のおもちゃなんか作ってる発明家の老修道士。 一方のチェイテ城。バートレーに妙なことを吹き込んでいるようにしか思えない薬師のばあさん。修道士が作っていたのは雪の上を 歯車式に移動する自動滑走のローラーブレードだった。斜面35度くらいの雪の斜面を軽々と上がってゆく。 そして城館進入に成功した修道士二人。薔薇の名前のウィリアムとアドソな感じ。そして赤い液体の風呂に入っているバートリー婦 人をみかける。そこで老修道士が取り出したのは、なんと写真機である。 これが写真機。 しかし見つかってしまい、つかまってしまう二人。若い方の修道士に鞭打ちをしようとして衣服を脱がせると傷跡が。昔、子供の修道 士にペンダントをあげたの を思い出すエリ。あのときの。。。。。。修道士二人は地下牢に入れられてしまう。その後、侍女の遺体が担ぎ込まれる。猟奇的な、 印が全身に打たれている。 その後、ほうほうのていで城を追い出される二人の修道士。しかしちゃっかり血の風呂の液体を採取してきたのだった。スキーのよう に自走機で滑走する二人。 そして老修道士が伝記を書く場面に戻る。 ここで場面は、BYTCA(トゥルゾー家の居城)に移る。後にエリジェベートの捜査と裁判を行ったトゥルゾー家である。そこに 招かれたエリ一家。凄い書庫が出てくる。 人体改造図をもらうエリ。地下の拷問室も見学させてもらうエリ。そこではまさに拷問が行われ、悲鳴で充満していた。なんともなさ そうに案内するトゥルゾー 家の女主人(どうやら、バートリー伝説の虐待は、トゥルゾー家の捏造であり、虐待の内容も、トゥルゾーが自家で行なっていたもの をバートリーの虐待の描写 に適用した、と言いたいらしい)。そこには、虐待された薬師が捕らえられていた。薬師を貰い受けるエリ。中庭に戻り、トゥルゾー 家の女主人と会話している エリ。そして、今度は、中庭の隅の茂みに潜んで、蔓を利用した盗聴器のようなもので会話をく修道士二人。 ウィーンを訪ねたエリ一行。オルガン演奏が行われている。 そこで「あなたはモナリザのようだ」と、ハンサムな男(以前の恋人カラヴァッジョ)に声をかけられ、二人で、シュテファン寺院に行き、懺悔室でいきなはじ めて しまうのだった。あえぎ声 に気づく寺院の人々。バロック全開な感じのウィーン。仮面舞踏会にも出席する。下記はどうやらルドルフ皇帝のようである。 牢屋で薬師がなにやら祈っている。なにやらハプスブルクのお偉いさん(皇帝)はじめ面々に糾弾され(恐らくシュテファン寺院での ご乱行の件だと思われ る)、一度室外に出るが、仮面舞踏会の部屋に戻ろうとすると、扉を閉ざされてしまう。修道士の一団がチェイテ城の地下に侵入し、 眠っているエリを寝台に寝 かせ、はけで壁に血のようなものを壁に塗りつけたりしている。でっち上げをしているように見える。しかし、例の若い修道士が物陰 からそれを見ていた。続い てハプスブルク家の騎士団がチェイテ城に乱入するが、エリは目覚めていて、騎士団は手ぶらで帰ることを余儀なくされる。しかし、 薬師は牢屋で死んでいた。 それを発見して嘆くエリ。壁に血文字で何かダイイングメッセージが残されていた。そこにはTHURZOと書かれていた。それを見 たエリは悲鳴を上げて気絶 してしまう。 第三部 Thurzo (トゥルゾー) プレスブルグ(現在のスロヴァキア共和国のプラティスラヴァ)にあ るハンガリー王の宮殿。どうやらトゥルゾー家の当主(ハンガリー副王)が、愛人としている場面が映る。続いて、エリの夢が映る。 夢の中で、死んだ薬師が現 れて、催眠をかけるようにエリを起き上がらせる。寝ているエリの娘の口に毒薬を入れようとする侵入者。侵入を知らせる鐘が城内に 鳴り響き、エリも夢から覚 め、剣を取って走り出す。娘の部屋に駆けつけ、無事な娘を抱きしめるエリ。侵入者は窓から飛び降りて逃亡しようとするが、捕ま る。侵入者二人の首を地下で 自ら刎ねるエリ。 オスマン軍が村を焼き討ちしている。が、どうやらそれは、バートリーたちが、トゥルゾー家領の村を、オスマン人の装束をして襲 撃したものだった。ターバン姿のエリが出てくるので、自ら乗り込んで指揮をとったようである。 城に戻り、昔の肖像画から自分の顔を切り取って焼く。他にも書類を焼いているようである。 焼き討ちされた村を訪れるトゥルゾー家の当主とその部下(と思われる人たち)。 ある日、野原で修道士2人が望遠鏡の実験をしている。彼らは発明ばかりしているが、本業の修道士の仕事は無いのだろうか。彼ら は、遠くに、馬車が乗り付 け、農作業をしている娘たちを襲って誘拐しているところを目撃する。いるところを望遠鏡で見る修道士二人。逃げ去る馬車の紋章を 望遠鏡で確認すると、それ は、バートリー家の紋章だった。。。(明らかにトゥルゾー家の陰謀だと思われるが、最後の展開を見ると、バートリー家の家人が勝 手にやった犯行とも解釈で きる) 娘達は殺されたようで、遺体を検分した者は、一人の娘が握っている木製の道具のようなものを取り上げる。そして報告書が記載さ れ、その報告書は、トゥルゾーの政庁で審議されることになる。 SAVAR(現在のハンガリー北西部) フェンシングの練習をするエリ。結構上手。 女の子とキスしている若修道士。母親に見つかって怒らられたりしている。そしてまたも何かを開発している老修道士。この2人は本 当に楽しそうに生きている。 川くだりをするトゥルゾーと部下。岸についたところでなにやら部下に指示を出している。 一方エリは、剣を娘に見せ、剣を教え、首飾りを渡す。トゥルゾーの使者がエリのところに来る。この頃のエリはもうソバージュの 鬘はしておらず、地毛である。 雪の中。二人の修道士がリズを訪ねてくる。トゥルゾーという言葉が出ていたので、なにやら情報を提供しに来たようにも見える。修 道士の話を聞き終えると、 自分がしている指輪の一つを老修道士に与える。このエリの執務室では、エリの娘が窓辺で読書していたり、周囲で笑い話をして笑い 転げているなど、普通の家 庭という雰囲気である。 1610年12月29日。チェイテ城。とテロップが入る。中庭で合唱している子供。赤い液体の風呂に入るエリ。 修道士の開発部屋では、年末だというのに開発三昧な2人。一方、フィツコというエリの家の使用人と侍女が、女性を待ち伏せして襲 う場面が出てくる。修道士 二人が夜となったので開発部屋を出たところで、隣の教会から悲鳴が聞こえる。教会に忍び込む二人。地下に向かう階段がある。降り てゆくと奥から兵士が出て くるのに出くわし、咄嗟に身を隠す二人。すると、兵士が一人出てゆき、フィツコが、岩のカムフラージュをしてある扉を下ろすの だった。更に奥に進むと、 10名程の少女達が手を縛られて囚われている広間に出る。修道士2人は少女たちを助け出す。一方で、トゥルゾー配下と思われる兵 士が地下と地上からチェイ テ城を襲撃。少女達を逃がした直後、更にもう一人の少女を連れて2人の人物が地下に入ってくる。咄嗟に身を隠す修道士2人。少女 達がいないのを見て、フィ ツコともう一人の男で仲間割れが始まる。もう一人の男を井戸に落とすフィツコ。更にフィツコは仮面をかぶった侍女の仮面を取る。 それは老侍女だった。一部 始終のメモをとる老修道士。そしてどさくさにまぎれて少女を助け出し、地上に出る修道士2人。地上に出ると、そこはチェイテ城 だった。教会の地下と繋がっ ていたのだった。一度地上に出た修道士だが、老修道士の方が、地下の天井に張られたフェンスの上を通過した際、フェンスが外れて また地下に落ちてしまう。 その頃、食堂ではエリが逮捕者を迎えていた。逮捕されるエリ。その頃地下では、老侍女を吊るしてフィツコが鞭を打っていた。そこ に、エリとトゥルゾーの兵 士達が入っている。トゥルゾーの足元に、「助けてください」としがみつく老侍女。これはどう見ても、フィツコの犯行現場となって しまった。更に老女は赤い 液体の入った風呂を指し示す。兵士が風呂の液体を口にするが、全然平気なので、血ではなかったようである。しかしながら、エリは ここで瞬時にトゥルゾーの 剣を抜き、一気に反撃にでる。何人かの兵を切り、トゥルゾーののどに剣先をつきつけ、他の兵士の剣を捨てさせる。 しかしフィツコが殺された一瞬に気を取られ、結局つかまってしまう。老修道士は更に落ちた地下で、様々な古くもはや使用されてい ない(ように見える)拷問 器具が格納された部屋を見る。その後なんとか脱出して地上に出た頃には、全てが片付き、エリが連行されるところだった。老修道士 は一部始終を記載するの だった。 子供と離れ離れにされるエリ。地下からは遺骨がいくつも見つかる。財宝箱も押収される。一部始終を見届けた後、パラシュートで 脱出する老修道士(この修道士の場合、もう何が出ても驚かない)。 翌日。護送中の侍女が、馬車から逃げ出し雪の森の中に駆け込もうとする。背後から銃で撃つ護送の兵士。更に、バートリー家の侍 女達は、トゥルゾー家の地下と思われる場所で拷問をうける。 1611年1月2日 Bytča(トゥルゾー家の領地) イエズス会のような連中が拷問した女たちに何かを読み上げている。酷い拷問傷のままバートリー家に一室で判決を受ける侍女達と 使用人。絞首台が作られているのを窓から見るエリ。かなり一方的な裁判のようである。フィツコが斬首される。処刑人の衣装は中世 風。 女どもは火あぶりの刑となる。 どこかの王宮。弓の練習をしている王。皇帝マティアスと思われる。その王と面会しているのは、トゥルゾーである。バートリー家の 最終的な処分についての相 談だと思われる。そして面談が終わった後、公式記録を編纂している部屋に行き、そこで司教から、老修道士が記載したメモを見せら れる。そこには今回の一件 の真実が書かれていた。しかし、トゥルゾーはそれを燃やしてしまう。 伝記を書いている修道士の場面に戻る。そして老修道士は、1614年、チェイテ城の黒塔に監禁されているバートリーを訪ねる。部 屋は窓があり、光が入って きていた。老修道士とエリの髪はかなり灰色になっている。急激に老けているエリ。ベッドの下から何かを取りだして修道士に渡す。 老修道士と別れを告げ、部 屋を出てゆく。そして、エリは布団の上で十字を組む。部屋が燃え始め、寝台の上で祈り続ける。 チェスを前の王にした、頭の禿げ上がったトゥルゾー。しかし、彼の前には、勝利の笑みを浮かべるエリの姿が見えた。そこにバー トリー死の報告を司教から受けるが、何故だか不明だが、司教と口論になるトゥルゾー。最後に司教は怒って出て行ってしまう。 そして以下の英語のクレジットが出て、この映画は終わる。 Thurzo survived erizabet bathory by no more than two years His hard-earned wealth was soon appropriated by count esterhazy , who had replaced him in the office of hungarian palatine. Thurzo's widow died in poverty and solitude pal nadasdy's line continues until this very day. Due to thurzo's unsubstantiated accusations countess erzbert bthory is listed in the guiness book of world records as the greatest murderess of all times. トゥルゾーは、二年以上エリジェバート・バートリーより長くは生きられなかった。彼が苦労して稼いだ富は、ハンガリー副王の政 庁で彼にとって変わったエステルハズィー伯爵によって使われてしまった。 トゥルゾーのの未亡人は貧困と孤独の中で死に、パル・ナーダシディ家系は今日まで続いている。 トゥルゾーの根拠のない非難のために、エリジェベート・バートリは、全時代を通じた最大の殺人者として、世界記録のギネスブッ クに記載されている。 〜The end 〜 やれやれ。ハンガリーの人名は打ちにくい。トゥルゾーなんて殆ど毎回タイプミスしてた。全部コピペにすればよかった。左手首が痛 くなってしまった。それに しても、このあたりのハンガリー史はまったく疎遠だったので、勉強になりました。ハプスブルク時代、ハンガリーに、現地系の副王 がいたことを初めて知った し、神聖ローマ皇帝マティーアスが、ハンガリーではマーチャーシュ二世だった(英語ではマシュー)というのも初めて知りました。 何よりバートリー家の一員 がポーランド王についていたのも知りませんでした(本作を見たにはポーランど映画「鉄の手」を見る前)。それなりに面白い娯楽作 品に仕上がっているように 思えます。日本語版dvdが出てもよいのではないでしょうか。 |