本日は、数年ぶりに御茶ノ水にある正教会ミサに行くつもりだったのですが、体調を崩してしま
い、自宅で過ごしました。なにかクリスマスっぽく過ごそうと
あれこれ考え、そのうち見ようと思っていた、2007年イラン製イエス映画「Masih」を見ました。「Masih」とは、「メ
シア」という意味のようで
す。字幕が無く、映像だけしか無いのですが、結構楽しめるものです。字幕も説明も無い歴史映画は、聞き取れる単語や人物名、地
名、事件、風景、建築物、生
活用具、装身具、衣装などから、どの時代・地域の話なのか推理してゆくのが結構面白かったりします。 本編は最初に、ローマ帝国が登場し、しかも中東らしき景色で題名が「メシア」なので、イエスか、あるいは同時代に頻出した「救 世主」のいづれかの話だと直ぐにあたりはつきました。 ローマ軍も結構リアルに描かれていて、下記は、ピラトの総督府ではなく、ローマ元老院の模様。「SPQR」という看板と鷲の彫 像、更に下記写真左奥に見え るロムルス・レムスを育てた雌狼の彫像、及びピラトと目される人物の官署とはまったく異なっていることからの推測ですが、何故突 然ローマが登場したのかは 不明です。下記画像ではよくわかりませんが、次の場面で雌狼像の前から、手前に歩いてくる人物が、ティベリウスかも知れないと思 いました。 ところで、街のセットもなかなか良くできている、安っぽくは無い出来栄えなのですが、イエスが死人をよみがえらせてしまう場面が 2度登場(この時、「イー サー」と呼ばれてたので、イエスだと確信)し、かなりリアルな映像な為、「これはいくらなんでも」と思いましたが、宗教色の強い 国での聖人映画なのだから あたりまえか(下記は、死人がむっくりと起き上がるところ)。 この他、マリアらしき女性を救う時、イエスが神殿の床に、石で四角の枠を書くと、それがそのまま鏡となり、マリアを追っていた 男が覗き込むと、梟のような顔となっていて、驚愕した男が逃げ出す場面はなかなか面白いエピソードでした。 話の筋は、イエスが、布教を開始し、次第に弟子を集め、多くの信者を引き連れる集団と貸し、奇跡を起こす場面と、ローマ側の様子 が交互に描かれる感じで進 みます。ユダが告発し、最後の晩餐後にローマ軍が襲撃し、「この人を見よ」の場面を経て(その割りにはイエスの装束は普通で、茨 の冠も鞭傷も無かったの で、本当に「この人を見よ」の場面だったのか確信できないのですが。。。)、十字架にはり付けられて終わり。後半は、展開が速 く、様々なエピソードからな るイエス伝説を84分で収めるのには無理があるような急ぎ足の展開で、テレビドラマの短縮版なのかも、とも思いましたが、テレビ 版には相当するドラマは見 当たりませんでした。 ところで、中東諸国で、どの程度クリスマスが祝日となっているのか、あまり知らなかったのですが、こちらのサイトで中東の祝日カレンダーを見てみると、ヨルダン、シリア、イラクで は祝日となっていますね。イランは祝日ではないものの、こちら「イ ランという国で」の記事に よりますと、民間ではクリスマスが普及しているようです。この記事を読んでいて思い出しましたが、アルメニアのクリスマスは 1/6日だったんですよね。そ ういえば、ブルガリアに住んでいる頃も、12/25日から1/7日まで、クリスマスシーズンだったのを思い出しました。 古代ローマ映画一覧表はこちら。 |