霊渠





紹介


 前214年、秦代に開鑿された、長江と西江(珠江)を結ぶ運河であ る。全長 34km。正確には、長江支流の湘江と、西江支流の漓江を結んでいます。その全体図が、扉の最初の写真です。わかりやすくする為に多少デフォルメされてい て、300kmくらいありそうに見えますが、実際は、34km。この図で重要なことは、南シナ海から長江の中流へと舟を使っていくことができるという点で す。物資の輸送手段としては、非常に重要な意味を持っていたことがわかります。とはいえ、これも、民間産業振興のためではなく、首都咸陽に富を集積するだ けのものだった筈なので、あまり誉められたものでもないとは思うのですが、後世の産業振興に役立ったことは間違いありません。この霊渠が、湘江から取水し ているところが、観光施設となっています。左写真がその入り口。入場してから撮影したので、正門の内側となっています。

 正門の外側は、バスが何十台もとまれる停車場。右写真では、一番右隅 の「P」マークのところにあたります。 
運河は、湘江をはさんで、南運河と北運河に別れています。右写真の案内図を注意深く見ると、湘江をはさんで、北渠、南渠と別れていることがわかります。右 最上段の写真は、湘江と南渠の分岐部分。漓江は、このなだらかな滝を作っている堤防のため、一部の水を右側の南渠へと流す仕組みになっています。まず運河 に水を流してから、余分な水だけを湘江に流す仕組みとなっていることがわかります。

 次いで上の左写真が、分岐後の南渠。殆ど流れがなく(流れていないわけではありません)、船舶の運航に適した状況になっていることがわかります。桂林の 近くが、既に長江への分水嶺となっていることは驚きでした。
 
上の2段目の中写真は、南渠と湘江の分岐点から、更に数百メートル遡っ た地点。上右の写真は、その付近の湘江の写真です。このあたりに、南渠から湘江へ水を放出して いるところがあって、このような仕組みを作ることで、南渠に、水が飽和するのを防ぎ、一定の水が維持されるような仕組みになっています。

 上の案内図にあるように、霊渠観光施設は、全体で、2〜3kmにわたる、南霊渠沿いを散歩して歩く、遊歩道公園となっています。

写真左は、建設当時の堤防が残るとの説明があった部分。
写真右のような遊覧船が、往時に輸送船をイメージさせてくれます。

下段写真は、市街地北西部のあたりの霊渠。

 霊渠の繁華街の北の端は、左右写真のような、秦朝時代の楼閣や城門を再現したと思われる施設がある(右写真の城門は、磚築となっているので、唐宋以降の城門の復元なのかも知れない。

 旅行情報、近隣の史跡・遺跡 旅行記   BACK
 桂林バ スターミナルから興安県まで67km、1時間半。霊渠観光施設の入り口は、バスターミナルから、2〜3キロ。バスターミナル前を、もと来た桂林方面に 1km程戻り、秦代の役人と思われる5mくらいの銅像が3つ建っている広場を左折(東へ)。更に1km程進むと、広いパーキングが見えてくる。入場料40 元。私は乗らなかったが恐らくチケットは、遊覧船込み。他の観光施設との併用券も売られていて、40元のチケットは霊渠のみを対象としたチケット。実は霊 渠そのものは、観光施設に入らなくても見ることができる。有料施設は、案内図の中ほどまでで、そこから北(左)半分は、観光者向け飲食店などが並ぶ繁華街 となっている。案内図の一番左にパーキングマークがあるが、この辺りからバスターミナルまでは、1km程度。なので、バスターミナルから、こちらへ歩け ば、霊渠そのものは見ることができる。その辺には、宋、明、清代の橋がかかっている。これらの訪問記はこ ちら。情報は2007年10月の情報。
1