2011年11月7日作成


第二次ブルガリア王国歴史映画「秘密兵器」(イヴァン・アレクサンダル時代)

 1982年ブルガリア製作。原題「Дяволско оръжие」。Wikiに若干紹介があります。IMDbには無い模様。

  本作は、イヴァン・アレクサンダル(在1331-1371年)時代の1366から67年にかけて起こった話をモデルとしていると思われる。というのは、こ の年、サヴォイア伯アマデオ6世が、ブルガリアの黒海沿岸諸都市を攻撃しており、本作 は、数名の勇士が、メッセンブリア(現ネッセ ベール) のサヴォイア部隊にささやかな損害を与える冒険活劇だからである。雰囲気としては、「三銃士」「七人の侍」を足して二で割ったよ うな感じだが、スケールは 遥かに小さい。しかし、そのスケールの小ささが、当時のブルガリアの背丈に合っているというか、無理の無い冒険活劇に仕上がって いるのである。こういう小 品は結構好き。
 
 題名の「秘密兵器」が何かは、詳細部分で記載します。当初見始めた時は、前半、動きが少なく、台詞が多く、正直面白く ありませんでした。しかし、考えてみると、アマデオ6世の遠征なんて、現在のブルガリア国民でも、黒海沿岸都市の住民ならともか く、あまり一般には知られ ていないものと推測されます。そこで、背景説明の為に、会話部分が多くなったのではないかと思われます。当時のブルガリア情勢は 非常に複雑で、ブルガリア 国自体、いくつかの封建国家に分裂していたのみならず、ビザンツの内乱にも巻き込まれており、アマデオ6世の遠征時は、ビザンツ 皇帝ヨハネス5世を人質に とっていました。アマデオ6世の遠征は、ヨハネスの奪還も理由の一つ。また、カンタクゼノス家の人物が登場しますが、これは、ヨ ハネス・カンタクゼノス (ビザンツ皇帝(在1341-55年)家こと。1366年当時は、カンタクゼノスは既に引退して修道院にいたのですが、ひょっと したら「カンタクゼノス家 の者」というのは彼が本人かも知れません。ひょっとしたら、引退したカンタクゼノスが政治的に暗躍していたのかも知れませんし、 別のカンタクゼノスなのか も知れません。いづれにしても、様々な政治勢力が暗躍し、合従連衡が行われていた時代が部隊ということには変わりなく、冒頭部分 の会話は、こうした背景説 明をしていたものと思われます。そして話が軌道に乗り始める中盤から、俄然面白くなります。以下は、Wikiのアマデオ6世の項 目から、ブルガリア沿岸遠 征地図を引用したもの。これによると、メッセンブリアの遠征は、1366年10月21日に行われていることがわかります。



  自宅で召使の老婆に足を洗ってもらっている騎士ヴァティールの元に、タルノヴォの皇帝の元からストラグサという名の使者が来る。 明日朝トラキア(ブルガリ ア東南部)に行き、人が待っているので会うように言う。どうやら王からの指示のようである。翌朝出発した二人は、ブルガリア軍の 軍営に入る(王が招待した 人だ、と使者が言って護衛を押しのけているのでイヴァン・アレクサンダルかと思ったが、その後、この人物が、アレクサンダルを第 三者として話しているの で、ただの司令官だと思われる。アレクサンダル王かと思って画面ショットをとってしまった)

  威厳があるが、ヴァティミールは全然敬意を払っていない。ヴァティミールが挨拶しても、「そう」と目も向けず、書類を読み続けて いるのに腹を立て、ヴァ ティールが、書類を跳ね飛ばしたりするからである。忙しいのだ、と彼は言う。そして彼が出した指示は、次のごとくである。重要で 危険な任務を完遂してもら う。修道院にイワン・パラエオロゴス(ヨハネス5世のことと思われる)に追い払われたカンタクゼノス家の者がいる。イヴァン・ア レクサンダルの父親はカン タクゼノスを助けた。ヨハネス・パラエロゴスの母親(サヴォイ家出身のアンナのことだと思われる)は、サヴォイ伯アマデオ(6 世)の叔母にあたり、パラエ オロゴスはアマデオにメッセンブリアを占領させた。3日以内に、どこかの修道院にいるカンタクゼノス家の者を探して会い、秘密兵 器について情報を得るの だ。そして書状と軍資金を与えるのだった(4日目になると国境が危険になるらしい、このあたりよくわかりませんでした)。

 夜、修道院に 泊まるヴァティール。既にビザンツ領に入ったようである。寝ていると、蒔をくべに入ってきた修道士が、鼻歌でブルガリア語を歌っ ているのに気づき、ブルガ リア語で話しかける。ブルガリア語をどこで覚えた、と逆に尋ねる修道士(後で判明するが、彼の名はインノケンティ)。その修道士 はタルノヴォ(ブルガリア の都)修道院にいたことがあるのだった。出身はデヴスカ。答えないヴァティール。

 翌朝は雨。修道院にいた(彼も宿泊していたのかもしれ ない)ギリシア人騎士にブルガリア語で話しかられ、彼を部屋に招く。物陰から見張っている不審人物がいる。ギシリア人はタルノ ヴォでブルガリアを習得した とのこと。カンタグゼノスについて質問するが、ギリシア人は、カンタクゼノスは放っておけ、興味を持たない方がいい、と告げる。 色々会話しているうちに夜 になり、ギリシア人は寝てしまう。夜中に起こして再度聞こうとするが、相手にされないので、遂に剣を取り出して脅迫しようとした ところ、壁をよじ登って窓 から入ってきたイノケンティ入って警告したとたん、ドアから数名の暗殺者が入ってくる。撃退するヴァテイールとギリシア人騎士、 インノケンティ。他の修道 士達が何事かと出てくるが、十字を切ってみているだけ。一応アクションシーンなのだが、暗くて良くわかららないのだった。とにか く多数の敵を倒し、最後は 馬で逃げ出すのだった。一応3人が強いことはわかった。

 翌朝、街道沿いの飲食店で3人で朝食。ヴァテイールが、ギリシア人(Wikiの 配役表を見ても、彼は「ビザンツ人」としか書かれていないので、以下「ギリシア人」と呼ぶことにする)に、これからどうする、と 聞くと、ギリシア人は、カ ンタクゼノスはもう必要ない男だ。何も見つからない、という。とはいうものの、食後、別れ際にギリシア人が資金を受け取っていた ので、カンタクゼノス探し に協力してくれることになったらしい。そしてヴァティミールはブルガリア軍の野営地に行く。冒頭で登場した使者・ストラグサに 「えらい早いな」と言われ る。その彼に伝言だけ伝えて、ヴァティミールとインノケンティはメッセンブリアに向かう。

 メッセンブリアの町は西欧人も結構いた。ギリシア人風に変装して町に入るヴァティミールとインノケンティ(しかし、その後、前 述のギリシア人に注意されたりしているので、あまり上手い変装では無かったようだ)。

 これだけ見てもよくわからないが、一応メセンブリアの町の賑わい。この時代の史跡がほぼ原型で残っているため、現地で撮影した ものと思われる。

  馬車(といっても屋根の無い、農家の運搬用みたいな粗末な馬車)に揺られる美人(服装は都会人)に見とれたりしているヴァティー ル。例のギリシア人を見か ける。わざと後をつけさせ、人気の無いところで締め上げるヴァティール。相変わらず乱暴である。とりあえず飲み屋に入って会話。 彼がどうしてここにいるの かは、聞き取れなかったのですが、ギリシア人は、現在の情勢を詳しく教えてくれる。そしてどうやら、問題の秘密も、アマデオ一派 にいる城にあり、その城は 侵入は非常に難しいが、町の宝石商が出入りしている、と教えてくれたようである(かなり推測入ってます)。ついでに、店にいる兵 士はアマデオの兵士だ、と も言う。そこでヴァティールは、出掛けに2人の兵を退治して、服を奪うのであった。次の場面では、既にヴァティールはサヴォイ人 の服装をしているのだっ た。

 2人は町中の宝飾店に入り、店主を締め上げ、城への出入り方法を聞きだす。更に、海岸にでで魚師をブルガリア人と確かめた上 で、協 力を申し出る(城は海岸沿いに建っていて、直接船から出入りできるようになっているのである)。下記画面では、長い桟橋の向こう に帆船が見えている。

 漁師に協力を頼むが、断られてしまう。

 夜。イタリア風の吟遊詩人の歌が夜の街に響く(ロミオとジュリエット風味)。

  同夜。宝石屋の荷物の運び人として、宝石屋とともに、城に侵入することに成功するヴァティール。途中まで宝石商に案内してもら い、後は一人で地下経由で城 内の地上に出る。しかし全身布を被った人物につけられているのだった。兵士で警戒厳重な城内。巡回してきた見回り兵士を襲ったと ころ、後をつけていた人物 が被り物をとる。昼間の魚師だった(名前はヨヴォ)。上の階にあがってゆくと、美女の悲鳴が。昼間町で目にした貴族の娘である。 どうやらこの城に監禁され ているようだ(そこで昼間の場面をもう一度見ると、馬車の回りに護衛の兵士がおり、更に美女の前に老人が寝ているのだった)。父 もいる。カンタクゼノスで は無いようだが、ブルガリア人貴族である為、とりあえず彼らを助け出すヴァテイール。城壁に縄梯子をかけて降りる4人。しかし護 衛の兵士が騒ぎ出し、3人 は船で脱出するものの、漁師は縄梯子の途中で、縄を切り落として海に落ち、泳いで脱出する。

 翌日風車のところでヴァティールとインノケンティは落ち合い、店に入りギリシア人と会う。ギシリア人は既に昨晩あったことを 知っていた。そしてまた金をせびるのだった。
 森で落ち合う5人(ヴァティール、インノケンティ、貴族の娘ラドゥーシャ、その父、と漁師ヨヴォ)。ヴァティールはヨヴォに一 緒に来ないか、と誘うが、またも断られてしまう。別れ際、ヨヴォにナイフを送るヴァティール。

 場面は変わり、農村をサヴォイ騎士が襲撃している。家畜が略奪される。どうやら食料調達のようだ。

  また場面は主役の4人に戻る。馬に乗った4人が森を行くと、反対側からサヴォイ騎士団の一行が鉢合わせる。4人は道を譲るが、貴 族の親娘を認めた騎士団は 襲わってくる。戦うインノケンティとヴァティール。しかし乱戦となり、父と娘の馬は、※銃※で撃たれて、落馬した父は負傷してし まう。

  逃げ回るラドゥーシャ。インノケンティとヴァティールは、騎士団の半数を叩きのめし、親娘の救出に向かう。娘あわや、というとこ ろでヴァティ−ルが駆けつ け救出する。そして父を馬に乗せ、先ほど騎士団に略奪されたばかりの村に出る。父を担ぎこむ。しかし亡くなってしまう。海岸での 葬式。

  娘にタルノヴォへいけというヴァティールだが、娘は納得しない。娘を農家に預けて去る騎士2人。慰める農家の奥さん。しかし、泣 いて森に入ってしまう娘。 そこでまたサヴォイ騎士に囲まれてしまう。ところが、騎士の一人が娘に跪くき、他の兵士を帰してしまう。そして娘に身振り手振り で語り掛け((騎士はブル ガリア語を話せないので、言葉が通じないのだった)、花を摘んでにやにやわらって(微笑んで、ともいうかも知れない)女にあげ る。つまり、ラドゥーシャに 惚れてしまったのだった。花を受け取って喜ぶラドゥーシャ。しかし、それは作戦だった。待ち構えていたインノケンティが木の上か ら襲い掛かり、騎士を気絶 させ、銃を奪うのであった。縛られて猿轡を噛まされるサヴォイ騎士。そして騎士の持ち物から火薬の入れ物を無造作に取り出した ヴァティールに、騎士は、危 険さを身振り手振りで説明するのだった。そして、一時的に縄を解くと、騎士は、一部の粉を焚き火に入れる。燃え上がる焚き火。 (サヴォイ騎士以外は)一同 驚く。ここで漸く、題名の「秘密兵器」の意味がわかるのだった。

 更に、森の中で、銃を騎士に撃たせる。ヴァティールも羊を狙ってみるがうまくいかない。そこで騎士が見本を見せ、羊を倒す。銃 の威力に驚く一同。

  その後、騎士を殺そうとして、どちらがやるか賭けで決めた後、インノケンティが騎士を殺そうとするが、ラドゥーシャが止める。そ して騎士を解放し、彼は本 拠に戻るのだった。そして隊長に報告するのだが、配役表を見ると、どうやら、彼がアマデオ6世らしい。机の上には砂時計があり、 彼の部屋の窓はガラス窓。

 一方、いつの間にやらすっかりヴァティールの恋人になっているラドゥーシャなのだった。

  ところで、漁師の隣の家には猟師が住んでおり、彼にも支援を求めるヴァティール。どうやら、ヴァティールの立てた作戦では、サ ヴォイ城攻撃に七人必要らし い。何故私を加えないの!と突然怒り出すラドゥーシャ。そして、弓を取って、皆に野外に出るようにいい、弓の腕前を見せる。下記 は猟師の家。どうってこと ないあばら家だけど、14世紀ブルガリアの猟師の家の映像。こういう、日常生活の映像に弱いんですよね。

 ラドォーシャの腕前に感心する一度。これでメンバーは5人(ヴァティール、インノケンティ、漁師のヨヴォ、猟師、ラドゥー シャ)。

  漁民のところに来るサヴォイ騎士団。なにやら物資を徴発してゆく。そしてどういうわけか、ヴァティミール、ラドゥーシャがサヴォ イ騎士団に追われている場 面に変わり、ラドゥーシャが落馬し、捕まってしまう。夜、ラドゥーシャ奪回の為、騎士団が野営しているところを襲うヴァティール とインノケンティ。天幕に 火をつけて回るが、この陣地にラドゥーシャはいないのだった。翌朝森で作戦を練り直すヴァティールとインノケンティのところに、 猟師が、ラドゥーシャは城 にいる、との情報を持ってくる。

 囚われのラドゥーシャは、騎士団の本拠の城内で、運よく例の青年騎士に出会い、城内を案内してもらうのだった。なんか、いいよ うに純真な青年を手なずけるラドゥーシャなのだった。

 一方、メッセンブリアの町中では、公開処刑が行われようとしていた。処刑台に上がったのは、例のギリシア人である。以下処刑執 行人。中世の処刑執行人の服装は、西欧も東欧も変わらないようである。

  ところが、縄に首を通したところで、サヴォイ騎士がやってきて救われる。アマデオ6世の執務室に連れてゆかれ、アマデオから、フ ランス語がわかるか?と聞 かれ、分かると答えると、処刑の理由など色々質問されていたようであるが、聞き取れませんでした。そしてギリシア人は、アマデオ のギリシア語筆記を担当す ることになる。ギリシア人が筆記している間、アマデオ6世が窓の外を見ていると、イタリア人(当時はサヴォイ公国の言語はフラン ス語に近く(今でもそうか も知れないが)、フランス領の一部だったので、映画の中では「フランス人」「フランス語」とされている。本記事では紛らわしいの で、「イタリア人」として いる)に変装した青年騎士とラドゥーシャが城を出で、散歩散歩のふりをして何気なく脱出しているのが見える。下記はその2人。 メッセンブリア(ネッセベー ル)の裏通り画像。

 アマデオは気づかない。そしてアマデオは清書した手紙をギリシア人に読ませる。コンスタンティノープルへ送る手紙のようであ る。

  ラドゥーシャは、以前お世話になった村に青年騎士と戻ると、村は焼き討ちされていてた。胸を痛め、青年騎士の胸を叩いて悲しむラ ドゥーシャ。以前お世話に なった農家の旦那さんは死にそうになっている。青年騎士は、ここでラドゥーシャを解放してくれる。馬車で旦那を運ぶラドゥーシャ と奥さん。瀕死に見えた旦 那は、意外に軽症だったようで、その後直ぐにトイレに行っていた。大丈夫そう。海岸の根拠地に戻るラドゥーシャ。一同大喜び(何 気ない場面であるが、ヴァ ティールが海岸の岩の上から飛び降りる場面は、6mくらいの高さがありそうである。スタントマンだろうけど、驚いた)。その後、 ヴァティールとラドゥー シャのラブラブ場面が少し入るが、痴話喧嘩してしまう。そんなにギリシア人がいいんなら、ギシリアに行け!俺はどうせ野蛮人だ! というところだけ聞き取れ た。しかし、その後、例の宝石店に行き、ネックレスなんか購入しているヴァティール。この展開からすると、ラドゥーシャが、城内 見学中に見た、ネックレス の話を持ち出したものと推測される。で、宝石店で買い物をしていると、例のギリシア人が入ってくる。飲みに行かないか、と誘わ れ、「今日は金が無いぞ」と いうと、「就職したから大丈夫だ」ということで、また飲みに行ったようである。明け方酔っ払ってご機嫌で戻ってきて、ラドゥー シャに首飾りをプレゼントす るのであった(ハルン・アル・ラシッドの首飾りなんだそうだ)。でもちゃんと、ギリシア人からサヴォイの動向を聞きだしてきたよ うで、しゃっくりをしなが ら襲撃計画を披露するヴァティール。その後の展開を見ると、どうやら、物資補給時の襲撃計画のようである。

 サヴォイ城の港の動きを観察する漁師。そして、沖に停泊した下記、サヴォイ(かまたはビザンツ)の船が来るのを見る。そして、 船は直接港に接岸できず、沖合いまで小船が、物資を取りに行く。

  漁師は、長い紐を持って、潜水しながら密かに小船に縄をつける。そして、物資が船に半分程乗せられたところで、海岸で例の村の夫 婦が、牛で引っ張るとい う、間抜けた作戦が成功するのだった。船は大きく揺られ、作業員は一人を残して海に放り出される。ここで、農民夫婦を入れて、七 人の勇士が誕生しているの であった。

  更に、桟橋にも綱がつけられ、こちらも、イノケンティが引く馬に引っ張られてて桟橋は崩れ、海に落ちる騎士達。ささやかなゲリラ 戦。更に漁師は、小船に乗 り移り、船を揺らして、残っていた騎士も海に落とす。こうして物資の略奪(特に火薬樽)に成功するのだった。最後は、海岸から、 補給船にまだ積まれたまま の火薬樽を、海岸から、ラドゥーシャと漁師が火矢を船に向かって撃つ。

  爆発・炎上する船。最後は大爆発。船は木っ端微塵。ヴァティールが、小船を馬で引き、海岸に引き寄せ、火薬を樽毎手に入れる。計 画は大成功である(この 後、つけたしがあり、小船で脱出したサヴォイ騎士が沖合いから近ずいてくる。火薬樽を一つ小船に乗せ、火縄に火をつけて、サヴォ イ船めがけてヨヴォが押し 出す。サヴォイ船の近くで爆発し、サヴォイ船は転覆するのだった。結局手に入ったのは火薬樽一つになってしまったが、それでも秘 密兵器は奪えたのだった (銃も、青年騎士を捕虜にした時に奪っている))

 意気揚々と(村の農夫婦の家まで)引き上げる七人の勇士。

 ラスト。焼け落ちた村に着いた後、「さあ、いこう」とヴァティールが声をかけると、夫婦はここに残る、という。
イノケンティも残るという(猟師と漁師は家は壊されていないので問題ない)。ヴァティールとラドゥーシャが(恐らくタルノヴォ か、ヴァティールの家)へ向かって出発する場面で終わる。ラスト、馬で去ってゆく主人公という展開は西部劇にも通じるものがあ る。

〜おしまい〜

いやぁ、面白かった。サヴォイの歴史も若干勉強になったし。こういうささやかな冒険活劇、大好きです。

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