古代ローマ歴史映画「七人のあばれ者」「無敵の斗士」など帝政期ローマ・ソード・サンダル作 品各種

  帝政ローマ時代のOthers映画のご紹介。面白かった「七人のあばれ者」が、ネットから削 除されてしまい、 取得していた画面ショットが意味の無いものしか残っていなかったので、記事を書く理由があまり無くなってしまったのですが、「七 人のあばれ者」は結構面白いので、日本語字幕版dvdを出して欲 しい作品です。

(1)「ポントゥス・ピラト」

 私の両親の時代のフランスのスター、ジャン・マレー主演の史劇。中身的にはSS映画。 一応視るだけは視たのですが、殆ど記憶に残っておらず、画面ショットさえ取りませんでした。内容は、キリストの処刑後、ローマ元 老院で処分を受けるジャ ン・マレー扮するピラトが、経緯を説明する、という構成で、ピラトがパレスチナに赴任した赴任式から始まり、イエスの裁判までが 扱われています。セットも 書割ではなく、ちゃんと総督府やユダヤ律法府などが作られており、比較的予算もかけた作品だと思うのですが、面白くありませんで した。建築物も衣装も、悪 くは無いのですが、わざわざ画面ショット取りたくなるようなものはなし。メル・ギブソンの「パッション」とマックス・フォン・シ ドーの「偉大な生涯の物 語」を視れば十分という感じ。
IMDBの映画紹介はこちら
英語版dvdはアマゾンには見つからず、チェコ語版がありました。
1948年の映画化作品もあるようです。こちらにdvdがありました


(2)「無敵の斗士」 三世紀 ローマの東国境にある都市アカスタスとその周辺 

3世紀、ローマの東国境にある都市アカスタスとその周辺は、独立状態にあった。名望あった王が死去し、未亡人シーラとその息子ダ リウスと冒頭でテロップが 出るので、へぇ、珍しい、と思って視たのですが、それだけ。あくまで個人的な趣味ですが、これは日本語版が出なくてもいいかも。 ネットで見たのも時間の無 駄だった。ローマの東方国境付近を感じさせる映像は何もなし。画面ショットを撮る気にもならなかった。
 本作については、日本語情報が結構あります。Weblioのあらすじ紹介はこちら

IMDbの映画紹介はこちら
英語版dvdはこちら(以前ご紹介した「Hero of Romeと同梱されています)


(4)Gladiator of Rome 紀元217年

  原題「Il gladiatore di Roma」。メモを見ると、ラスト部分を視たようだが、全然記憶が無い。そして今はネットから一切削除されてしまった。カラカラ時代の話。カラカラが暗殺 されたとの報告があり、ラストの処刑の場面で、新皇帝が直ぐにかけつけてきて終わるらしい。メモに、「あれ、パルティア戦争 は?」などとメモに書いてあるから、 ひょっとしたら、飛び飛びで視たのかも。とにかく、パルティアは登場しなかった事だけは確認したようである。画面ショットも残っ ていない。つまり、かなり どうでもいい作品だったのだろう。本作に関しては、田亀源五郎氏が、「田亀源五郎's Blog」の2006.09.28 "Il Gladiatore di Roma"の記事で 紹介されていますので、詳細にご興味のある方はそちらをご覧ください。

IMDbの映画紹介はこちら
英語版dvdはこちら

(4)「ローマの奴隷市場」 紀元300年、ローマ

  これも、最初と最後を15分づつしか視ていないうちに、現時点ではネットから削除されてしまっている作品。まあ、でも最初と最後 を見れば十分というか、 1951年版「クォ・ヴァディス」に本作の本質は全て含まれているというか。。。冒頭、奴隷が連行されている横を、暴走族のよう に戦車で町中を駆け巡る富 豪のわがまま娘クローディア。ふと目にしたキリスト教徒の奴隷ヴィデオを購入し、家の奴隷とする。そんな娘がラストの15分で は、キリスト教徒達と円形闘 技場で処刑されそうになっている。次々とキリスト教徒達がライオンに食い殺される見世物が催される。クローディアとヴィデオもそ の中にいるが、最後は助か る、というもの。Weblioのあらすじ紹介を見て、これが紀元300年の話だと知り、へえ、なか なか見られない年代の作品だとは思いましたが、これが紀元100年、200年と言われても、違和感はまったく無い感じ。原題 「La rivolta degli schiavi」1960年イタリア製作。

IMDbの映画紹介はこちら
一応英語版dvdも出ているようですが、amazonにはvhsしか出ていません。 それにしてもSF映画バーバレラのパッケージのを連想させるパッケージは酷すぎ。

その他、最近では、テレビ版スパルタクスシリーズが毎年作られているようです。
Spartacus: Blood and Sand(2010年)
Spartacus: Gods of the Arena(2011)


(5)「七人のあばれ者」 一世紀 スパルタ

  1962年イタリア製作。原題「I sette gladiator(7人のグラディエーター)」。邦題「七人のあばれ者」。本作もソード・サンダル映画ですが、1世紀のスパルタの、一応平和な時代の ローカルな話を描いた点が気に入っています。ストーリは「七人の侍」より「荒野の七人」に近い内容。ほぼ前半全部 メンバー集めに時間をかけているところがポイントでしょうか。日本語版dvdが出て欲しい作品です。Goo映画紹介のあらすじはこちら。一応本記事でもあらすじを書いてしまったの で、ご興味のある方は「More」をクリックしてください。どうでもいい画面ショットしかありませんが。。。

IMDbの映画情報はこちら
英語版のDVDが出ています。アメリカンコミックヒーローみたいなパッケージが残念

※ カッコ内のローマ字名は、IMDbに記載されている登場人物名。カタカナで記載されている名前は、私が聞き取った音声から起こし た名前です。また、取得し た画面ショットが、スパルタの町と近郊の要塞だけしかないという状況。映画がネットから削除されてしまっているので、新しく取り 様にも取れないという状況 なので、他の画面ショットをご覧になりたい方は、なかざわ ひでゆき氏のサイト「ANGELEYES」の「ヘラクレス・マチステ・サムソン・ゴライアス イタリア産マッスル史劇の全貌」の 中ほどをご覧ください。

  剣闘士脱走の責任を取らされ、奴隷に落とされ、剣闘士試合に出場させられることになってしまった主人公ダリウス。皇帝が見物する 剣闘士試合。板で作った橋 の上で戦う剣闘士たち。主人公のダリウスは、戦いが評価され、観客はOKサインを皇帝に求め、皇帝はダリウスを解放する。ここ で、「1世紀スパルタは Ephorsによって統治されていた」と説明が表示され、本作の舞台が1世紀のスパルタであることがわかる。

 ダリウスが、故郷スパルタ に帰り、友人リビアスの家を訪ねると、母親が出てきて、あなたの父は殺された、と言われ、父の剣を贈られる。ダリウスが去った 後、リビアスが帰ってくる が、すれ違いで会えない。母から、ダリウスが来たことを聞くと、後を追うリビアス。一方、何年もダリウスを待つ元恋人のグライア (Aglaia)。首飾り を送ったのは父だったのか。映画「ペルシア大王」に 登場したセットに似ているセット。


  夜中、ダリウスは裏町で襲われる。そこにリビアスが助けに来る。襲撃者をやっつけて二人は逃げるが、ダリウスは剣を落としてしま う。それを影で見ている人 物がいる。そしてその後、グライアの父がダリウスの剣で殺されてしまう。実は、夜中にダリウスを襲ったのは、グライアの父だった のだ。父は町の黒幕ヤーバ に雇われており、ダリウス襲撃失敗後に、ヤーバに殺されたのだった。女の家に行くと、「父は自殺したって」と泣くグライア。そこ に兵士が登場し、ライアの 父殺しはダリウスだと告げる。グライアは出て行って!とダリウスを罵り、信じてもらえないまま脱出するダリウス。

 ダリウスとリビアスの 2人は別の町に行き、家の中で荒れ狂う男を取り押さえた。すると、それはダリウスの知り合いのブラッカス(Flaccus) だった。彼もダリウス一味に加わる。続いて市場で力比べショーをしている男を見かけるダリウス。この力比べは、2人と綱引きするというもので、ダリウスた ちも挑戦する。実は、この芸人も知り合い(マゴス)だとわかる。これでダリウスの仲間は4人となった。

 続く舞台は金持ちの家。これもダリウスの友人のセイノ(Xeno)。富裕になった後は、これといってやりたいことも無く無為に 過ごしてきたが、「今は妻がいて平和な男だ」といいつつ、ダリウスが来ると妻を置いてダリウスと一緒にいってしまう。彼は弓の達 人。

 田舎の村へにローマ軍が来る。市場でリーチアという女性の父ブラーガスに詰問するローマ軍指揮官を射て追い払うダリウスたち。

  黒幕が剣闘士試合開催。グライア(元恋人)。ギリシア人を誘拐してきて剣闘士に。今回牛との戦い。観客席から口笛で合図を送るダ リウスたち。槍をフィール ドに投げ込む。剣闘士は総督の観客席も攻撃。護衛兵士も射る。今度はライオン。ダリウスをうとうとした黒幕を「ダリウス」と気づ いて阻止するグライア。こ こまで44分。映画の前半をかけて、7人(ダリウス、リビアス、ブラッカス、セイノ、ブラーカス、マゴス、リーチアの7人)がそ ろう。ダリウスを介抱する けなげなリーチア。そんなところに、ダリウスの隠れ家を隠れ見る斥候(クローディア)が。

 軍隊を編成するヤーバ。そして証拠を知るク ローディアを処分しようとしてクローディアの背中を刺す。彼は、なんとかグライアの家にたどり着き、白状する。ヤーバ (Hiarba)がおまえの父殺し た。ダリウス無実。場所も告げる。驚いたグライアが7人の陣地にいく、と皆外出していてリーチアしかいない。リーチアは「もうも どってこない。もうあなた を愛してないわ」「私ダリウスを愛してるの。結婚するわ」冷たく追い払リーチア。その後、「違うのよ!」と声をかけてなく娘。う う。いじましい。しかし、 そこにヤーバ一味が襲撃してきてグライアは捕らえられてしまう。

 皆が戻ってきたとき、リーチアが一部始終告白。二手に分かれる作戦を立てるダリウス。夜、見張りが異変を察知。迎え撃つ。
 砦と野営地を2手に分かれて襲う。丁度軍隊は出払っていたところを奇襲。下記がヤーバの砦。


  ヤーバの部下に仮装してヤーバの部屋に。「何故でてかない?」と言うヤーバに、くるりと振り向いた3人は、とダリウスたちだっ た。グライアを人質にとる ヤーバ。塔の上にまでグライアを人質にとったまま逃げるが、最後にダリウスが勝つ(まぁ、仲間に助けてもらったんだけど)。町か ら人びとが駆け出してく る。これでようやく町が平穏に。下記はスパルタの町。リーチアとの中どうなちゃったんだ、という疑問を残して終わるのだった。

〜The end〜

古代ローマ歴史映画一覧表はこちら
BACK