中世デンマーク歴史映画「鷹の眼」

  1997年デンマーク製作。原題「Ørnens øje (Eye of the Eagle)」。1218年ヴァルデマール二世(在1202-1241年)時代。王に対する陰謀を、9歳の王 子ヴァルデマールとその友人の少年少女が協力して打ち砕く。

 子供から大人まで安心して楽しめる娯楽作品だと思います。こういう少し古い映画を安く買って、日本語版を作ってレンタルショッ プなどに置くと良いのではないでしょうか。家族で見れる娯楽作品だと思います。


  1218年、デンマーク王ヴァルデマールは、国境で戦争が起こった為、安全の為に9歳の息子ヴァルデマールを Ravensburgの司教Erskil(エ リシュク)の元に送り、王子としての教育をさせることにした。王子は王と剣の練習をするが、既に相当な腕である。王が教養の方 も、と考えたのも当然かも知 れない。下記はRavensburgの修道院。左手の馬車が王子の乗った馬車。

 修道院の正面前に止まった馬車。

 王子を出迎えるエリュシュキ。

  王子の前に分厚い数冊の書籍がどかんとおかれ、ラテン語を学ぶのです、と迫られる王子。髪も切られ、トンスラでは無いものの、修 道士風の服装にされてしま う王子。一方、エリュシュキの元に隻眼の騎士が現れ、資金を放り投げる。この騎士は、配役表を見ても、den enøjede (片目)となっているだけで、どこの騎士かわからないのだが、後々の展開からすると、貴族達に雇われた騎士だったようである (IMDbのあらすじには、戦 場で鷹に片目を食われ、王に恨みを抱いている騎士、とある)。

 活動的な王子は勉強に嫌気が指して逃げ出そうとするが、城の調理場で下働 きをしている少年エスキに見つかり、二人してゴミ出し口から城の外に転落してしまう。そして林の中の沼のあたりまで来た二人は、 空高く飛ぶ見事な鷹を見 る。その鷹は、隻眼の騎士の腕にとまるのだった。

  二人がこっそり見ていると、騎士は林の中で商人や貴族と思われる連中、そして司教エリュシュキ相手に、国王への陰謀の会談を行っ ているのだった。貴族達 は、長引き、利益の上がらない戦争に倦み、商人は特権拡大を望んでいた。そして、二人は騎士に見つかってしまい、逃げることにな るのだった。

 市場に向かう農民の荷馬車の中に隠れるが、隻眼の騎士と手下に検問され、あわや見つかりそうになるが、なんとか見つからずに市 場に到着する。


 一方、戦争を終えた王は、修道院にやってくる。

  王子に逃げ出され慌てる司教。王子不在を知った王は、配下の者に近所を探させる。王子とエスキは、陰謀者側の追ってを逃れて、洞 窟に逃げ込むが、物音に気 づかれ、更に奥に逃げ込んだところ、穴から地下の洞窟に落ちてしまう。そこは、陰謀者側の武器庫があるのだった。そこで王子は更 に陰謀の詳細を知ってしま う。続いて王子とエスキは下記のような集村の農家に隠れるが、ここにやってきた国王の部下を、待ち伏せしていた陰謀派の連中が攻 撃してしまう。公然とした クーデターとなってしまうのだった。

  王子は家臣の一人が犠牲になり、馬に乗りなんとか逃げ切り、修道院にいる王のもとに行き、陰謀と叛乱を伝えたところに、司教配下 の兵がやってきて、王と王 子は縛られて監禁されてしまう。そこに隻眼の騎士がやってきて王に何事かを激しい口調で告げるのだが、恐らく復讐の理由を告げて いるのだろう。

  王は、陰謀者が集まる広間に連れ出され、何かの書類にサインさせられそうになる。一方、城に戻ったエスキは、こっそり王子を助け 出し、嵐の夜、窓から綱を 垂らして城壁を下り、脱出するのだった。それを見ていた下働きの少女は、エスキと王子に陰謀の目的を告げる。砂時計が落ちるまで に書類に印璽を押さない と、部下を一人ずつ縛り首にすると脅す司教。エスキと少女は、まずは牢獄に閉じ込められている王の兵士を脱出させることにする。 食事のスープの入った大き な鍋を牢屋の入り口まで少女が運び、わざと揺らして「ああっ、やけどしちゃった、手伝って」と牢番の一人が戸口から出てきたとこ ろをエスキが叩いて気絶さ せ、もう一人の牢番には、少女が鍋の熱湯をぶっかける。こうして王の配下の兵士は脱出に成功する。

 一方、印璽を文書に押す直前まで行った王は、天井傍の抜け穴から顔を出す王子を見て、印璽のついた指輪を再び指に嵌めなおし、 拒否するのだった。


  そこに王の兵士がなだれ込んできて広間で乱闘となる。王は騎士に打ち倒されてしまうが、あわやという時、王子がシャンデリアの真 下に立った騎士の上にシャ ンデリアの綱を落とし、王を助けるのだった。これで形成逆転。陰謀者達は次々と王の兵士に倒され、進退窮まった司教は王子にナイ フをつきつけ、王子を人質 に修道院を脱出する。ところが、瀕死の隻眼の騎士は、エスキを呼び寄せ、彼の鷹の操縦法を教えるのだった。どうやら卑怯な方法は 快しとしないらしい。エス キが鷹の元にゆき、鷹を放つと、鷹は、荷馬車に乗って逃亡中の司教を攻撃、荷馬車は脱輪し、ひっくり返ってしまう。司教は王子と 自分を綱で結びつけ、王子 が逃げないようにとするが、そこに鷹が襲来。司教は底なし沼に落ちてしまい、そのまま沈むかと思えたのだが、沈みながら王子につ ないだ綱を引いてあがって こようとするのだった。そこにエスキがかけつけ、綱を切る。司教は沼におぼれて最期を遂げるのだった。
 
 晴れて王子の従者となったエスキの靴。

 王の軍隊。

 王の軍営で正装姿の王と王子。

 少女に別れを告げ出発する王子とエスキ。

 デンマーク国旗を高く翻して颯爽とデンマーク軍は修道院を後にするのだった。

〜SULT〜

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