スペイン時代劇「赤い鷲(Águila Roja)」

 1660年頃のスペインを舞台とした、必殺仕事人+怪傑ゾロ+月光仮面のような時代活劇。スペ イン国営テレビTVE製作。全話、TVEのサイトで視聴できます。一話80分。暑苦しい黒覆面黒マントの庶民の味方が日本刀片手 に中国拳法を交えた武道で悪の組織と戦います。

第一シーズン 2009年 全13話
第二シーズン 2010年 全13話
第三シーズン 2010年末-11年初 全13話
第四シーズン 2011年末-12年初 全12話

 映画版もあります(「赤の銃士 狙われた王位とルイ14世の陰謀(日本語版dvd発売中)」。

 第2話の途中まで見てみました。


第一話

  スペイン地方のとある街。小学校の教師である主人公ゴンサロは、妻クリスティーナ、息子アロンソとともに幸せな生活を送ってい る。下がその小学校。左がゴ ンサロ。背後にあるアルファベットの教版には、「A」は「Amor(愛)」の「A」、「B」は「Bravo(ブラボー)」の 「B」などとあるのが印象的。 息子アロンソも生徒。

 しかしこの教室はボロで、扉を叩きつけるように閉めたところ、天井が崩壊し、しばらく営業中止となってしまうのだった。第一話 の後半で、ところどころ修理中の場面が出てくるのが面白かった。

  一見幸せそうな市民生活が送られている街だったが、実は、警察隊長が組織する謎の地下組織が蠢動しているのだった。クリスマスの 夜、集会に出席していたひ とりの男が、組織の秘密の書物を持って組織から逃亡してしまう。七面鳥を買いに馴染みの宿屋兼酒場を訪ねてなかなか戻らない夫ゴ ンサロを探しに夜の市街に 出たクリスティーナは、逃亡中の組織の男に曹禺し、無理やり本を預けられてしまう。

 そこに追手が現れ銃撃を受ける。男は逃亡し、クリスティーナは驚きのあまり本を取り落とし、本は下水道の排水口に入ってしま う。そうとは知らない追手は、クリスティーナを引っ立て、拷問するのだった。

 なかなか戻らない妻を心配したゴンサロ、友人の宿屋夫婦、床屋夫婦は、裏路地で瀕死のクリスティーナを発見する。ゴンサロが助 け起こすも、妻は息を引き取ってしまうのだった。

  その三ヶ月後。夜。裏路地を、赤子を抱えた女が官憲に追われている。そこに謎の黒マスクの男が登場。官憲を打ちのめし、女性を救 う。彼が去った後にはひと すじの赤い羽が舞い落ちるのだった。こうして非業の妻の死への復讐を誓った「赤い鷲」が誕生したのだった。謎の男の日本刀には、 一歩間違えるとJALの マークにも見えなくもない赤い鷲のマークが(下左画像)。

 夜が明ける街。これからこの街は、”赤い鷲”に守られてゆくのであった。とでもいいたそうな夜明けの場面。

 その後も公開絞首刑となる罪人を救ったり、密輸穀物荷車を襲撃して穀物を民衆に分け与えたりと、義賊な活躍ぶりの場面が続いた 後、後半から次のエピソードが始まる。

 この冒頭のエピソードは、今年前半放映していたトルコの時代劇「「オスマン帝国の復活(Bir Zamanlar Osmanlı Kıyam)」 に非常によく似ています。陰謀の黒幕は恐らくフランスだと思われるので、サファヴィー朝をフランスに置き換えれば、陰謀の秘密を 知ったと誤解されて妻が陰謀団に殺され、夫が復讐に向かう展開はまったく同じです。

  母親の急死で微妙に父との仲が摩擦含みとなってしまったアロンソが、友人に唆されスリで逮捕され、牢獄に放り込まれるが、その時 隣の牢に、”逃亡者”に連 なる人物が拷問を受けていて、アロンソも、”組織の謎”の一端を知ることになる。ゴンサロは、最近とあるきっかけで懇意となった 貴族夫人と息子に依頼して アロンソを釈放させてもらうが、アロンソは、同じ牢屋に入っていたサテュールという流れ者(?)を助けに夜間牢屋に忍び込もうと する。そこに、”赤い鷲” がやってきて、アロンソを止め、鷲自らがサテュールを助け出す。こうしてサテュールは、ゴンサロの家の居候となり、同時に”鷲” の部下としても働くように なるのだった。

 以下は貴族の母と息子。今後様々な面で絡んでくるらしい。

 ゴンサロの友人の宿屋夫妻(左)と床屋夫妻(右)。

 街の警察隊。左が悪の組織の首領(かどうかはまだわからないが)で、表向きは警官隊隊長。いかにもわかりやすい黒装束。

 第一話は、最後に、街に戻ってきたゴンサロの妹マルガレータがゴンサロ家を訪問するところで終わる。あと、例の組織の本は、 チャンバラ遊び中のアロンソの友人が見つけて持ち去っているのも伏線。 

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