偃師商城博物館と二里頭遺跡の行き方

 

紹介


 

 洛陽市の東隣の偃師市に商代中期の都城遺跡がある。夏を滅ぼ した商の湯王が、夏王朝の都と推定されている二里頭遺跡(名称はまだ定説は無い)への前線基地として建設したとされる西 亳都城と考えられている(軍事拠点の桐宮などの説もある)。遺物や炭素測定から前1600年頃建設され、1400年代中 期頃まで利用されたと考えられている。左上写真は偃師市市街の南にある、市のランドマークである青銅器の鼎。背後に巨大 なビルが写っているが、(2009年現在)偃師市は、まだあまり開発が行き届いておらず、数階建て以上のビルはあまり見 られない、1990年代の中国都市の風格を持つ町である。左下が偃師都城(西亳)の建築プラン(この写真は洛陽市博物館 の展示パネル)。1983年に発見され、南北1700m、東西1200m、7つの城門がある(北に1、東と西に3個つ づ)。いまだ未発掘の城門があると推定されている。石と木で作られた排水施設があり東西800m、遺跡中央を横切ってい る。1997年にはさらに下層から南北1100m、東西740mの都城が発見された。これは西壁と、南壁が、1983年 発見都城城壁と重なり、東城壁の半分も重なっている。城壁厚さは6-7m。1997年の小さい方の都城が先に築かれ、そ の後1983年発見の都城へと拡張されたと考えられている。

 上中央と右上写真は、遺跡北東部分にある偃師商城博物館。上 中央写真が入り口。右上写真は中庭の様子。撮影禁止だったので、展示物や展示パネルの写真は取らなかったが、遺跡見取り 図や、発掘遺物が展示されている。偃師市市街のしょぼさと比べると、まあまあの博物館。洛陽訪問時、時間があればいって みてもいいかも。ただし、遺跡はほとんど埋め戻されていて、偃師商城博物館は、下記遺跡図の東北場外にある筈だが、この あたりは市街地となり、城壁が見れるわけではない。図面左下の宮殿跡などは見学できるらしいが、博物館から1.5㎞程あ り、公共の交通機関も無いので、タクシーで行くしか無い(2009年7月現在)。偃師商城博物館にいくには、迎賓路と愧 新路の交差点に小さな汽車站(バスターミナル)があるので、ここを起点にすると良い。この交差点近くのバス停で2路と3 路バスが「博物館」バス停へ行っている。汽車站バス停から4,5個目が「博物館」バス停。1.5キロ程だろうか。

下記は、2009年4月4日中国中央テレビ(CCTV)放映の歴史地理紀行番組シ リーズ「中国走遍」の洛陽歴史シリーズの第二回「王城の地」で放映された遺跡映像と偃師商城の再現CG。左端が遺跡宮殿 地区の空撮映像。その右は水道遺跡。下記右から二番目は宮殿基壇遺跡。発掘された遺跡による復元CGが右端の画像。

    

下記は遺跡付近にあると思われる遺跡説明看板。宮殿は西と東地区に分かれていて、 西は行政(朝廷)地区で、東は宗廟地区と推測されているとのこと。最初に西地区の南側の行政区画が完成し、その後西地区 北の寝所地区が造営されたと推測されているとのこと。この番組は、CCTVのサイトで視聴することができます(こ ちら)。

 右は、漢魏洛陽城、二里頭遺跡、偃師商城の 位置を示す地図(洛陽市街を含む、より広範囲な地図は、こちら、漢魏洛陽城のページの最下段をご覧くだ さい)。直線距離だと、二里頭遺跡の西北角と洛陽の東南角は6㎞程だが、間に洛河があるので、移動は簡 単ではない。二里頭遺跡の北東角と偃師商城の西南角は、直線距離で10㎞程度と近い。右図の緑線は、鉄 道と、それに平行している幹線道路。黒線が都城。偃師市から夏王朝遺跡と推測されている二里頭遺跡(二 里頭村)に行くには、偃高バス停(名前は忘れたが、大きな病院前のバス停)出発の7番バスに乗る。前述 の迎賓路で愧新路の交差点を通るので、ここで

 乗車することもできる。偃師市市街を抜けるG310号国道を走り、塔庄バス停を 過ぎると、村道へと右折する。右上の中央を東西に走る赤線がバス通り。その後、喂北路口->西谷堆頭->>喂南 ->圪挡(擋)頭->二里頭村に着く。二里頭遺跡の中央部分に二里頭村があり、圪挡(擋)頭は二里頭村の東南部にあるの で、圪挡(擋)頭で下車して歩いた方が、早く遺跡に到達できるかも知れない(ただし遺跡はほとんど埋め戻されていて、 2009年7月現在、博物館と展示遺跡を整備中とのこと)。左写真は二里頭村市街。遺跡のおかげで潤ったのか、付近の他 の村よりも整備されていた(長い直線道路があり、その両側に他の村より立派な民家が連なり、道路が舗装されている、とい うだけでも、かなり他の村より裕福な印象である)。右写真が二里頭村を東南方向に抜けたところ。遺跡の埋まっている畑が 見える。この少し先の道路沿いに遺跡の碑文がたっていた。偃師市から30分程度。なお、下記中央は、二里頭遺跡の図面パ ノラマ。洛陽市博物館にある。こちらは撮影可能だった。手前に城門、奥に宮殿の基壇が見えている。



 


 反対に、洛陽から二里頭に行く場合は、王城広場東の中州路のバス停から、東行き の86路のバスに乗る。86路の終点である潘寨東まで1時間程。潘寨は村だが、潘寨東は村というより、洛陽市と偃師市の 境界にできた宿場村という感じ。東西南北とも150m程道路沿いに商店があるだけで、西端に、洛陽行き86路バス、東端 に、偃師市行き7番バスの停車場があった。洛陽市側を潘寨東、偃師市側を佃庄鎮と言うらしい。この宿場村を南北に走る交 差点には、白馬寺まで5㎞との表示がある。バイタクを使って洛陽遺跡からここまで移動しても良いかも知れない。東端の停 車場から7番バスに乗り、佃庄鎮->西大郊->東大郊->朱坑(手偏にヨ)->関庄-> 北許->二里頭で二里頭村に到着する。約30分。

 

 なお、このように、二里頭村への行き方を詳述したのは、場所や路線図を詳細に書 いた地図が、少なくとも2009年7月当時は入手できなかった為である。遺跡学術図書には、バス路線図などは描いてない し、バス路線図には遺跡の場所が描いていない。しかも二里頭遺跡は、詳細なバス路線情報のある洛陽市ではなく、いまだ未 開発に近く、市内地図さえ出ていない偃師市市内にある為、公共機関を利用して二里頭遺跡に行くのは簡単ではない。という ことで、この記事を記載しました。通常は、タクシーや観光ツアーを利用するものと思われます(2009年7月現在建設中 の博物館などができれば、より詳細な情報が入手可能となるものと思われる)。

下記は、上の偃師商城と同じく、2009年4月4日中国中央テレビ(CCTV)放 映の歴史地理紀行番組シリーズ「中国走遍」の洛陽歴史シリーズの第二回「王城の地」で放映された似二里頭遺跡の再現 CG。

    

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