シリア製作古代ローマドラマ「ゼノビア」第8話から第14話

 前回  の続き。1996年シリア製作。全22話。日本でも、ゼノビアを扱った小説(「流沙伝説」)や漫画(「銀流沙宮殿」「妖女伝説」)はあるので、決してマイナーなわけでは無いと思うのですが、ゼノビア が登場する映画やドラマは初めてです。


第八話

 マルコとナルジェスの結婚式続き。ダンスの途中でナルジェス倒れてしまう。体が弱いのだった。嫉妬に暮れるタイマは、なんとマ ルコの家に侵入するのだった。

  元老院で軍備購入費を集める。集めた金を箱に入れてパルミラに出発しようとするエラベル。元老院議長ミンタールは、マニ、ドワイ ド、シャキー、バルマキの 四人組を護衛につける。続いて元老院では、ムンディルが、要塞を建設することでヤマン国がパルミラとエジプトの間の貿易センター となる。と主張。パルミラ とヒジャース(アラビア半島中央西部:現在のメッカのあるあたり)のルートはヤマンを通過することになる。西(エジプト)と南 (アラビア)にとっても中継 地点となる。そして女王が要塞を建設してくれる、という希望が語られる。一部の元老からは、女王の戦争に巻き込まれるコストを負 わされる、との指摘もなさ れる。更に元老院では、マルコがパルミラに赴き、パルミラの将軍に司令官としてのノウハウを伝授してもらいに数ヶ月赴きたい、と 提案。元老院議員の子弟達 が軍隊を作り始めた時にマルコはエジプトに行っていて、また兵士の組織化を行う時に不在になるのか?とマリに批判される。更に、 「女王の宮廷で第二のザバ ダイ(パルミラの将軍)になる為にパルミラに行くのだろう、などとまでマリに批判される。そしてマリはマルコに決闘を申し込むの だった。マリは、訓練所の 司令官には自分がなるべきだと考えていて、マルコの司令官就任にどうしても納得できなかったので、決闘をつきつけたのだった。

マリは自宅に戻り、ヤムリーコに止められる。マリは、「マルコの司令官任命は陰謀だ!従えない!」と激昂するが、ヤムリーコは、 そんなことをしても俺たち の父は喜ばない。父達は何のために死んだと思ってるんだ!と口走ってしまい、マリも父ヌーマーンの死の真相を知ることになるの だった(ヤムリーコの父がハ ブーラ、マリの父がヌーマーン)。

 一方酒場では、四人組が酒を飲んでいる。ドワイドも、兄のマリが司令官になれなかったことでマルコを 恨んでおり、マルコを暗殺しようと、弓矢をもってマルコの家に向かう。それを知った残りの三人は、マルコとの決闘に備えて訓練所 で練習に励むマリに、事件 を知らせにゆく。マリは血相を変えてドワイドを追うのだった。

 この回の伏線として、ナルジュス家の頭の鈍い女奴隷マブローカとムンディル家のアタナンが直接会話している場面が出てくる。マ ブローカのとろさに嫌気が指していたナルジュスの母は、マブローカなんぞ、アタナンにやっちまえ、となるのだった。



第九話

 ドワイドがマルコに向かって弓を発射する直前、マリが駆けつけ、ドワイドをとめる。そしてマリとマルコは、元老院前広場で、元 老院議員達が見守る仲、決闘となる。楽隊も出ていて剣闘士試合のノリ。昼から開始するが両者互角で夕方になり、ついに日没引き分 けとなる。


  ジュザイマ家の女奴隷マブルッカがムンディルに連れられてムンディル家にやってくる。喜ぶアタナン。アタナンもマブローカが好き だったのね。めでたしめで たし。ムンディルが家に入ると、ドワイドがタイマに結婚を申し込んでいることで、カムラは夫に愚痴をこぼす。奴隷の結婚を考える 暇があったら、娘の結婚の ことを考えたらどう?とムンディルに詰め寄るカムラ。ムンディルは、ドワイドは他に女がいくらでもいるだろう。ヌーマーンの息子 だし、タイマが望んでない から駄目だ、と返す。

 ヤマン軍訓練所では、結局マリとマルコとに軍を二分することになった。こうした政治的配慮に、生粋の軍人教官アリ アミーは納得せず、とうとうヤマンを去ることにする。。マニ、シャーキー、バルマキの三人が教官を見送るのだった。頑固だが実直 なアリアミーは、部下には 慕われていたようである。

 ドワイド、マリがムンディル家を訪問してきて、ドワイドの結婚を申し込むが、ムンディルは断る。教官がヤマンを去る。結婚を断 られ、自宅で飲んだ暮れのドワイド。マルコは父に、妻とともにパルミラに去ると告げる。マルコは軍を割ることはよくない、と考え たのだった。

  軍備品の買い付けでエラベルがこそこそ策謀していたので、詐欺かと思ったが、ちゃんと軍備品が届いた。要はエラベルが仲介を独占 し、上前を撥ねることが目 的で、金だけ徴収して逃げるとか、質の悪い装備を引き渡すとか、そこまで悪どくはなかったようだ(と、この時は思ったものの、こ れがどういうことを意味し ているのかは後日判明するのだった)。下記は運搬中の装備。兜や弓が山盛りとなっています。


  タイマを諦めきれないドワイドは神のお告げでの結婚を思いつく。こういうことは、(このドラマの中では)当時の一般的な風習とさ れていたようで、カムラと ムンディルも神のお告げで結婚したのだった。これまでの回で、ムンディルは、度々妻に「愛してる」といってくれ、と迫り、妻はそ の度にはぐらかしていたの だが、結婚して25年もたっているにも関わらず「愛している」と言って欲しがるムンディルの心理の背景には、神のお告げで結婚し たという理由があったの だった。

 さて、ドワイドは伝統的な神裁判の儀式となる。手足を鎖で繋がれ日晒しになるというもの。殆ど生き伸びる可能性の無い生きるか 死ぬか、の神判が、広場で衆目の仲、実施される。

  下の寝台にドワイドが寝て、手足を縛られ、寝台の上には、木造の串が多数ついた吊天井があり、役人が天井を吊っている縄をのこぎ りで切るというもの。神判 というよりも、自殺をネタに交際を迫るという、脅迫なのだった。ドワイドって奴はほんとに馬鹿。というよりも、そんなことをして タイマを手に入れても幸せ になるわけもなく、あてつけに公衆の面前で自殺するようなもの。さすがにタイマが哀れになった場面。ドワイドやりすぎ。


第十話

 結局串天井が落ちてドワイドは死ぬ。

 さて、いよいよゼノビア登場。

 女王からヤマン国の元老院に手紙が来る。手紙でゼノビアは、今回のドワイドの結婚の儀式を忌むべきものだと批判。殺人で終わる 儀式などやめるように。と命じていた。

 そうして舞台はパルミラ王宮へ。元老院議場奥の高檀となっている玉座に、厳かに入場し、腰掛けるゼノビア。
 左下奥中央が入り口。手前が玉座の背もたれ。手前右の水色のかしづく人物が宰相Shmisati、左の人物がザバダ、中央広間 の両側が元老たち。右画像は、その元老院議員を見たところ。

玉座に座るゼノビア。貫禄充分。左画像の左が重臣ロンギヌス、その右宰相Shmisati、右手が将軍ザバダ。

  今はパルミラに移住してパルミラ政府の武器管理長となったモッキーモが女王に呼び出され、武器は(武器庫の)何階分あるの?と聞 かれる。モッキーモは三階 分あると答える。二倍にせよと命じる女王(モッキーモとエラベルは武器の横流しをして私腹を肥やしていたのだった)。武器のひと つとして、燃えるタール (石油)のことも出てくる。

 砂漠の部族クサーイ(Qusai)の息子ワエル(Wa'el)が、女王毒殺の陰謀を計画したと将軍ザバイが 女王に告発する。ワエルは元老院議員アブソス(Absos)の家に匿われているとらしい。ということで、アブソスが元老院に出頭 し、ワエルは罪人として逃 げ込んだと女王が説明。調べでは、女王の台所に侵入し、女王の食事に毒を入れようとした者がワエルの名前を出した、とのこと。ア ブソスは何も知らなかった 為、ワエルが出頭することになる。ワエルは、「女王の王位就任の正当性無く就任したという噂を流している連中がいた。その者達 は、ウザイナ王(オダエナ トゥスが転化してOzaen->Uzainとなったようである)とその子Hibradianを殺して、 Wahbullat(ウァバッラトゥス)に属 するべき王位を女王が奪った、という噂を振りまいている」と驚くべき告発を行い、「彼らは、私が砂漠の部族の王子だから、私を隠 れ蓑にして、砂漠に隠れよ うとしたんです。私は彼らと関係ありません」、と半ば話をはぐらかすようなしどろもどろな話しぶり。女王も多少いらいらしなが ら、「それがお前と何の関係 がある」と何度も繰り返して忍耐強く尋問する。女王はワエルを解放する。

 議会散会後、サバイとザバダは女王に何故彼を逃したのだと詰め寄る。
 女王は、「彼が砂漠に戻れば、今回の件(ゼノビアの寛大な措置)の噂を流すだろう。その点で利用できる」と答え、料理長を解任 せよと続ける。理由は料理長がパルミア人ではないから。釈然としないながらもザバイは料理長解任に赴くのだった。

 ゼノビアの王冠を横から見たところ。右はパルミラ元老院の正門外観。

  一方モッキーモの執務室では、エラベルとモッキーモが口論となっていた。モッキーモは、横流しは記録に留めていない、つまり盗ん だものだ、と認識しエラベ ルに激怒する。要するに、エラベルはモッキーモがパルミラ軍の武器庫管理者であることを利用して、モッキーモをそそのかし、武器 庫の武器をヤマンに勝手に 売りつけたりして私腹を肥やしていたのだった。モッキーモは祖国防衛の為と思ってエラベルの口車に乗ってしまったのだろう。モッ キーモはエラベルを責める が、のらりくらりとかわすエラベルに、いつも丸め込まれてしまい、深見に嵌ってゆく一方なのだった。

 その頃ヤマンでは、タイマが二度目のマルコ待ち伏せを敢行。遂にマルコから、「それ(ナジュリスの選択)が最終的な決心な の?」とマルコに振られたことを受け入れる。タイマやけになってナウサルットとの結婚を承諾してしまう。しかし、その結婚には条 件をつけるのだった。

第十一話

  条件とは、マルコの結婚の夜と同じ夜に結婚式を挙げること。こうして二組同時の結婚式が開催されるのだった。結婚式の場面がは無 し。結婚したのに旦那に触 らせないタイマ。そしてどういうわけかマルコ夫妻とタイマ夫妻、同じ家に住んでるのだった。タイマはマルコを見つめ、ダラはナウ ルサットを見つめ。。。と いう息苦しい空間。夕食でジュザイマ家はパルミラに帰る話が出て、タイマは席を立つ。「ここにとどまるようにお父様を説得するっ て言ったでしょ」と、夫に 文句をつける、どこまでもわがままなタイマ。

 一方ヤマン軍、マリの緑とマルコの赤組に分かれて訓練している。マリとマルコも決闘が引き 分けに終わって、半分づつ率いることで納得したようである。しかし、こういう人事上の理由で組織が左右される軍隊は、それだけで 戦力が目減りすることにな るのではなかろうか。まあ、どういう組織にしたところで、ローマ軍には敵わないのだからいいのかも知れないが。。。。


 場面はパルミラ王宮にかわり、アミール・クサーイとワエル親子が出廷してくる。それと同時に、ローマ元老院のマクシミリアンが ローマからの使者として来る。マクシミリアンは、4つの点について、パルミラに質問をつきつける。

1.反乱について 
2.(マ)貨幣に息子Wahbullat(ワハビラート)の肖像を皇帝にかわって刻印していることについて
3.パルミラの軍隊がエジプトに駐在していることについて
4.独立しようとしていること

女王は反論する。

皇帝はパルミラを領土の一部と誤解しているがそれは違う。対等の隣人である。ウザイナ王(Uzaina)はサーブール(サーサー ン朝王シャープール一世)へ戦争をしかけた。ウザイナはペルシアを破り、ローマができないことをやった。

マクシミリアンは再び問う。ローマはウザイナを報償し、諸王の王の称号も与えた。

女王は、ウザイナの暗殺にローマがかんでいるのではないか、とほのめかし、証人として、鎖に繋がれたローマ人の料理人が入廷す る。第十話で、女王の食事に毒を盛ろうとした不審人物がいる、との事件があった時の料理長である。

女王は尋問する。

パルミラ人か。 - いいえ。ローマ人です。
何年間料理人をしているのだ? - 5年です。
その前は何をしていた。 - ローマ軍の兵士でした。
パルミラに来る前は料理人ではなかったのか。では、どこで料理を学んだのだ。 - ローマにて、パルミラに派遣される為に、皇帝 の宮殿で学びました。彼らが、毒を盛るように私に強いたのです。

嘘 だ!こいつは気違いだ!と罵るマクシミリアン。とはいえ、証人が出廷した時、その顔を見て一瞬表情が固まったし、必死に「嘘をつ くな!」と料理人を罵り続 けるのはあからさまに怪しい態度。結局女王は、ザバダに命じて料理人の処刑を命じる。ザバダと料理人が出ていった後、「皇帝の手 紙になんとお返事になるお つもりかな」というマクシミリアンに、女王は、「明朝、皇帝の手紙に返事を認めよう」と答えてこの日は終わる。

翌朝の宮廷。女王は、「皇帝の質問には、パルミラはローマを満足させるべきか?パルミアの貨幣に皇帝を刻むべきか?との質問で返 そう」、と応じる女王。「これが我々の権利でなければ、ローマ人にとってもどうしてそれが権利だと言えるのだ?」と述べる。

マクシミリアン − ローマから分離するつもりなんだな。
女王 - もともとパルミラはローマに服属はしていない。

そこにエジプトからの伝令がやってくる。ローマ人がアレクサンドリアを包囲しているという話。

激怒した女王は、「私は知らなかった」と狼狽するマクシミリアンに向かって、

「戻って皇帝に伝えるがよい。ローマ人の力は、ローマを不滅の文明としはしない。しかしパルミラの文明は力そのものである」と強 く宣言するのだった。

 上左は、皇帝アウレリアヌスに率いられてアレキサンドリアへ向けて侵攻中のローマ軍。下右はローマ軍の攻城兵器。左は、ローマ 軍のパルミラ侵攻に備えて、女王と将軍ザバダとザバイと軍議している時のパルミラの模型。

この回のつけたし。ヤマン国で訓練隊長を務めていたアリアミがパルミラに帰還していて、モッキーモを訪問している場面が出てく る。彼は今は王家の護衛官のようだ。
もひとつ。タイマの住むジュザイマ家のステンドグラスのガラス窓。古代ローマ時代にガラス窓は既にあったようなのですが、一応。


第十二話

 前回に引き続き将軍ザバダとザバイとともに作戦会議するゼノビア。ゼノビアは全軍をザバダに指揮させエジプトに送ることにす る。兵力集中、各個撃破、ということのようだ。下記は軍議に使ったパルミラの模型。

 タイマは実家を訪問し、ヤマンにとどまるようナウルサットを説得してくれと頼み、父ムンディルに激怒される。パルミラ行きを考 えなかっただと!娘が人生を知るのを助けなくてはならない。と父。結局タイマは、ナウルサートとパルミラに去ることになるのだっ た。

 ローマ軍エジプト侵攻のニュースがムンディル元に来る。破滅だと妻に嘆くムンディル。キャラバンは略奪されるだろう(ムンディ ルは、管財人マルコスに説得されて、エジプトに隊商を送っていたのだった)。

マルコとその妻ナジュレスがパルミラのタイマの家を訪問する。マルコが旅立つ前に、同僚指揮官のマリに、2,3日の間だけだ、と いっているから、ヤマンとパルミラの間は、距離にすれば一日くらいの場所らしい。

”272年の初め。ヤマン国(Uhs Al-Yaman)の虐殺” とテロップが入る。Uhsとは巣という意味で、「ヤマンの 巣」、転じて、ヤマン国を意味する言葉という設定だと思われる)

 ローマ軍襲来の報告にヤマンはパニックに陥る。ムンディル家では次女アナヒムがダラのところにいっている。アナヒム以外の家族 全員が地下室に隠れる。
  左下画像の右の帷幕が皇帝の軍営。右画像が皇帝アウレリアヌス。見た目全然かっこよくない。が、智謀に長けている。


第十三話

ヤマン軍はあっという間に破られ、神官達も殺される。ズバイダ、家で討ち死に。奥さんも殺される。ダラは自害。ムンディル家も略 奪され、焼かれる。アナヒ ムは林でローマ兵に捕まってしまう。四人組とマリ、ヤミーコ討ち死に。のどかな田園生活が戦争で一変してしまう。これまで念入り にヤマン軍訓練の様子が描 かれてきたが、その成果が少しはでていて欲しい、などという視聴者の期待などまるで忖度しない容赦のない描き振り。

 とある地下でワインの樽を見つけたローマ軍。しかしそれは、タールの樽だった。大量の武器も発見され、この小さな都市に何故と 驚く司令官エミリオス。ローマ士官カシウス(Casius)に眼をつけられてしまったアナヒムは石でタールに火をつけて自爆する のだった。

  ゼノビアは宮廷で、「400年前ローマ人はカルタゴを滅ぼし、170年前ペトラを滅ぼした」、と演説。将軍ザバダからヤマン虐殺 の報告を受け愕然とするゼ ノビア。エジプトへ送った軍隊は砂漠をゆき、エミリオス軍は山岳地帯を突破したことですれ違ってしまったのだった。パルミラ軍が 動く3日前にエミリオス軍 は動いていた。アウレリアヌスの方が一枚上手だった。

 ヤマン虐殺を知り家に戻ろうとするタイマ。それを止めるナウルサットの家族。
 ヤマンではエミリオスがカシウスを逮捕。どうやらアナハムの爆発で50人の兵士と略奪品を失った模様。

 廃墟となったムンディル家。虐殺の数日後、ようやく食料調達に外に出るムンディル。二階にゆくと、奴隷頭のアトナンが二階で生 き残っていた。アナヒムが亡くなったことをアタナンから聞くムンディル。

  ザバイ軍がアンティオキアを出発し、ローマ軍に向かって進軍しているとの報告がアウレリアヌスにもたらされる。軍隊の半分はゴー ト人と戦っていて心配な配 下のクラウディウス将軍。アウレリアヌスは、軽装兵を三軍に分けて、交代で攻撃し、ザバダ軍を消耗させる作戦を授けるのだった。



第十四話

 ナウルサットと彼の父がヤマンに向かう。

  カシウスは逮捕されたわけじゃなかった。処罰だけだった。ナウルサットと父はカシウス軍に遭遇し捕まってしまう。ローマ軍が軽装 で正面きって戦わず、メイ ンバトルの前に消耗を狙っていることをザバダの部下がゼノビアに伝える。砂漠の部族長クサーイが軽装騎兵を自分は持っているから 送ることを提案する。パル ミラ重臣アブソス(Absos)は退却を提案。また別の家臣ロンギヌスは、退却は更に消耗すると指摘。ザバダはアンティオキアへ の退却を希望したが、ゼノ ビアはヒムスへの退却を提案。使者が出発する。

 続いてパルミア市防御隊司令官ザバイが来る。エミリウスは、ナウスサットとその父の首を ゼノビアに届ける。同封されていた手紙をザバイが出す。その手紙は「A woman ゼノビアと呼ばれる女よ!」で始まっていた。怒り心頭に達したゼノビアは、ザバイが出撃するのを押し留めて、自分で出るという。そして届けら れた首を家族に届けて、女王が復讐を誓っている、と告げさせる。

 一方アウレリウスの陣営。パルミラ軍の退却は、ローマ軍に準備する猶予を与えた。しかし会議中に急使が、エミリウスが捕獲さ れ、エミリオス軍が壊滅したとの報告する。ゼノビア軍に敗れたのだった。

 パルミアに凱旋するゼノビアと歓呼して向かえる市民。

 ムンディルが奥さんにアナヒムの死を伝える。アナヒムはまだ17歳だった、と嘆くカムラ。

ザ バイに模型の前で作戦を指示するゼノビア。5倍の軍隊に勝つには篭城しか無いと主張。昨夜の勝利に慢心してはいけない。南の軍は 北より弱い、エミリウス軍 は皇帝軍より弱い。ザバダ軍を呼び戻さないのは、アウレリアヌスに篭城作戦を見抜かせない為。決戦はヒムスですると見せかける。 ゼノビアもヒムスへ向けて 出撃する(が、途中で引き返す)作戦。

 パルミラの鍛冶場は大車輪。一日あたり1000の矢と500の鞍を生産するよう命じるモッキー モ。モッキーモの執務室でエラベルと口論しているところにゼノビアが様子を見に来る。口のうまいエラベルは、モッキーモに、女王 である前に一人の女性だ。 僕は女性として扱っている、という。続いて女王は鍛冶場を視察するところでこの回は終わる。

次回に続く。それにしても、ゼノビアかっこ良い。日本でこういう女性をやるとしたら誰だろう。天海祐希さんとかかしら。と考えて いたら、「大奥」の柴咲コウ演ずる徳川吉宗が浮かびました。

古代ローマ歴史一覧表はこちら

BACK