ロシア歴史ドラマ「若き日のカザリン」(1744-1762年)

  ロシアのカザリン大帝。まったく興味がありませんでした。もう内容はすっかり忘れてしまいま したが、キャサリン・ゼタ=ジョーンズのテレビドラマ「女帝キャサリン」がまったくつまらなかったというのもあります。しかし、本作の 原題「Young Catherine 」という題名に、「ヤング・シャーロック・ホームズ」や、次回紹介するデンマーク映画「鷹の目」 のような、少女時代の(ローティーンを想定)カザリンを主役にした、荒唐無稽な冒険ドラマかと期待して、思わず見てしまいまし た。最初の10分で、ヤン グ・シャーロックな展開は期待できないことがわかったものの、ロシア皇太子からの婚姻の申し入れがあり、プロイセン国王フリード リヒ二世が、将来のロシ ア・プロイセン同盟を構想して、カザリンの母親、ヨハンナに、スパイもどきの任務を与える話などがあり、始まってから30分くら いまでは、国際謀略活劇か も、となおも期待し続けて見続けました。結局、本作は、ヤングなんとかでも、活劇でもなく、カザリン33歳の即位時迄が描かれて いる史劇で、ヤング〜とい う語感ではなく、「若き日の〜」という語感がふさわしい、カザリンを一方的に美化したロマンチックな歴史ドラマということがわか りました。しかし、出演者 がヴァネッサ・レッドグレーヴ、マクシミリアン・シェル、フランコ・ネロなど渋目の豪華な俳優陣で、芸達者な俳優陣の演技は見応 えがありました。主役の ジュリア・オルモンドがクレジットの6番目というのが、熱演ではあったので、少し可哀想ではありましたが。フランコ・ネロは、ハ ンガリー建国期を描いた映 画「Honfoglalás」や、コソボの戦いの一年前(1388年)を描いた「Banovic Strahinja」など、変わった史劇に登場していますね。私としては、なかなか映画が無いフリードリヒ二世の映 画映像を初めて見れた点も良かった。また衣装や宮殿映像も、史実はどうだったのか、今後調べるネタとなり収穫はありました。カナ ダ・英国製作。1991年。二部作188分。


 本作は、カナダ・英国製作で、視聴したのも英語版です。よって、人名・地名は、耳に聞こえた通りの発音で記載します。カザリン はキャサリン、プロイセンはプロシャです(ロシア名を調べて変換するのが面倒なのが一番の理由です)。

 冒頭、1744年、ドイツの小公国アンハルト=ツェルプスト とテロップが出て、地理の勉強中のキャサリン(この時はまだソ フィー)が登場。好奇心旺盛な少女で、窓の外から聞こえてくるロシアの使節一行の足音に、窓から興味津々に見入る。

 この使節が、ソフィーへのロシア皇太子との婚姻を申し入れに来た使節で、その一行に後の愛人・グレゴリー・オルロフがいるのだけど、史実を調べると、彼はこの時10歳なので、 このエピソードは無理があるかも。この時使者は、ソフィーの父親ではなく、母親と交渉するんですよね。これは、母ジョアンナの 出身が、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン公国の公家、ホルシュタイン=ゴットルプ家の出身で、父アンハルト=ツェルプスト侯よ り格上の、公家縁の人物と しての婚姻資格だとロシア側が見ていた、ということだと思われます。父親は、あっさり即決で受諾し浮かれ上がる妻に、なぜ受諾し たんだ、と不満を言い募る のですが、ジョアンナは有頂天。その両親。

 母が受諾してしまったものの、アンハルト=ツェルプスト侯国は、プロシャの影響下にあるらしく、婚姻には、フリードリヒ王の許 可が必要なようで、家族でベルリンのフリードリヒ王の宮殿に向かう。屋敷を発つ一行。

  フルートを弾いているフリードリヒ二世登場。ああ、遂に、遂にフリードリヒ閣下の映画映像が見れて感激。演じているのはマクシミ リアン・シェル。フリード リヒは、着替えをしているキャサリンのところにずかずかと入っていって、健康状態を確認するのだった。エッチオヤジではなく、兵 士の健康状態を確認するか の如くに歯をみたりしてチェックするところがいかにもフリードリヒ二世。

  晩餐会ではキャサリンはフリードリヒの隣に座らされ、今度は知性をチェックされる。この部分、聞き取れなかったのですが、フリー ドリヒがわからない金言を 引用し、王は、それはヴォルテール?シェークスピア?それとも私の著作からかな?と尋ね、「いいえ、聖書からですわ」と応じ、ブ ラボーと王に拍手で賞賛さ れるのだった。その後、私室で母ジョアンアナとフリードリヒが会話。フリードリヒは、壁一面の欧州の地図を前に彼の戦略を説明 し、フランス国境から太平洋 まで、中央欧州をコントロールしたい。その実現のためにソフィーは重要なのだと、今後のジョアンナに託す任務について説くのだっ た。

 冬、大型橇でロシアに向かうソフィーとジョアンナ(父親は、自国統治の為、同伴していない。あたりまえ)。このソリは、普通の 部屋のような広さで暖炉やストーブがあるのだった。

  この時、橇に一緒に乗って色々と世話をしてくれたのがグレゴリー・オルロフ。この時点で、彼はソフィーが好きになったようで、国 境で別れる時、「思い出し てくれ。もし必要な時がきたら、私の剣と生命を捧げます」などと口走るのだった(彼はこの時点ではドイツ方面で勤務していたよう だ)。

 ペテルブルグの宮殿に到着し、皇帝エリザベータ(演ヴァネッサ・レッドグレーヴ)と、その甥の皇太子ピーターと面会する。左が 女帝、中央がピーター。

  その後ピーターとソフィーの二人で夕食を摂るが、私は犬が嫌いだとか、将来国王になった時の軍隊のデザインを考えてある、見せよ うか。という話題ばかり。 ソフィーは自室に戻り、母に、彼は子供っぽい、と感想を述べるのだった(上右は、実際にピーターがデザインした制服をソフィー見 せる場面。下は、教会での 礼拝式の最中に、イコンの前に兵隊人形を置いて遊ぶピーター(の兵隊人形))。

 ピーターの幼稚ぶり(この頃16歳)はこれだけでは済まず、昆虫を釜にいれ、爆薬を釜に放り込んで殺すのを、わざわざソフィー に見せたりするのだった。気が遠くなって部屋に戻るソフィー。

 下画像のように、男装して勤務している(印象宝塚)ことも多い女帝エリザベータは、宗教に厳格で、ルター派だったソフィーに正 教への改宗を迫る。母ジョアンナの父がプロテスタンド司教だったことも気に食わない。

 最初は拒んでいたソフィーだが、結局折れて改宗する。すると手のひらを返したように優しくなったエリザベータ(以下エリ)は、 無邪気に、あなたに新しい名を与えよう、と告げるのだった。

 一方、ヴォロンツォフ伯爵夫 妻は、ソフィー毒殺を企てる(なんか、最初から、敵役陰謀家という雰囲気で登場していたので、どうしてソフィー暗殺が必要だった のか、わかっていないので した。なんか説明なしに、登場した頃から、「ふっふっふ。ペテルスブルクは健康な土地ではないからな」などと口走り、陰謀家だっ たような印象がありま す)。下左がフランコ・ネロ演じるヴォロンツォフ伯爵。中央と右がその夫人。右が地毛で、中央の金髪はカツラ。

  毎晩侍女が少しづつ毒を盛った成果が出てきて、教会の祭式の途中で立ちくらみがするソフィー。そんな折、グレゴリー・オルロフ伯 爵が帰任してきて、あろう ことか、彼はソフィーの寝室に侵入し、眠っているソフィーの手にキスをして去るのだった(が、ソフィーは気づいていたことが後々 の台詞でわかる)。ご都合 的な展開だけど、ここでオルロフは(彼は、オルロフのダイヤモンドのオルロフ氏だったんですね)、ソフィーの手を見て、毒が原因 なのではないかと気づき、 修道院にお籠り中の女帝エリに会いにゆく。エリザベータはソフィーの元を訪れ、実際に見て、毒だと気づき、茶器を片付けさせ、人 払いし、ダシュコヴァ(エカテリーナ・ダーシュコワ。 実在の人物。実際にはソフィーの15歳年下で、史実ではこの時点では1歳か2歳))が召される。白ワインやフレッシュミルク、フ ルーツ、はちみつ、クッキ ングストーブを用意して、あなたが毒見もするのよ、と指示を出すエリ。こうして回復に向かったソフィーの元に、ピーターが見舞い に来て、自作の人形劇を見 せる。ピーターいいとこあるじゃん。と思ったのも一瞬。ピーターの気遣いに喜んだソフィーが人形劇をよく見ようとベッドから抜け だすと、ピーターは、ネグ リジェ姿のソフィーに、何か着るか、ベッドに戻るように言うのだった。夫婦になるんだからいいでしょ、というソフィーは、失望す るのだった。更に、ベルリ ンのフリードリッヒと母ジョアンナが交わしていた通信文書が、女帝エリの手に入り、激怒したエリはジョアンナを故国へ戻らせるの だが、母親が去って気落ち したソフィーを慰める為にピーターがもってきたプレゼントが、兵隊人形。オモチャのピストルで打つと、ピーターが兵隊を倒す、と いうもの。こんなものを目 隠しされた後、「さあみて!」と言われて見せられて喜ぶ女性はいない(だろう)。今や友人となったタチコヴァに、一ヶ月も経つの にまだ手も握らないのよ。 彼は幼いわねえ。と愚痴るソフィー(まだ一ヶ月しか経っていなかったようである。随分経ったような気がしていたが)。この辺で、 ソフィーは女帝エリの母の 名であるキャサリンの名を与えられるのだった(以下キャサリン)。

 さて、ピーターは突然重い病気となる。回復したピーターは、頭髪が全 て抜け落ち、顔も頭もあばただらけの、怪奇映画の怪物のような容貌となっていた。回復後ピーターと会い、息を呑むキャサリン。死 にたかったと嘆くピーター (少しグロいので映像は後ろ姿だけ。でもこの映像から想像できると思います)。

  慰めるキャサリンに、ひねてしまったピーターは、「そうか、そんなに皇妃の座が欲しいのか。余はこの国を憎む」と心がねじ曲がっ てしまう。このあと、ピー ターは、大事にしている兵隊人形の中に鼠がいたので、それをキャサリンの前で燭台にかざして焼く所業に至るのだが、この頃は、子 供っぽいというよりも、悪 意があってキャサリンに意地悪をするようになっているようである。

 そんな状態なのにも関わらず、結婚式となる。結婚式。式場の教会へ向かうキャサリンと、衛兵を指揮するオルロフと眼が合う (キャサリンの金髪は鬘)。


 初夜、寝所に酔った兵士となだれ込んでくるピーター。恥知らず、出ておいき。と兵士を追い払うキャサリン。しかしピーターは酔 い潰れて寝こんでしまうのだった。

  ある日の夜も人形で遊んでいるピーター。兵隊人形の首を跳ねた拍子に思わず自分の指先を少し切ってしまう。ちょっと血がでただけ で大騒ぎ。「こんなの大丈 夫よ」と手当してくれたキャサリンを張り倒すピーター。もうなんというか、これでもか、というくらい、ピーター酷い描かれぶり。

 2年後。子供を作るのがあんたの第一の努めなのに、なぜまだなの?とエリザベータに激怒されているキャサリン。エリは医者を派 遣し、キャサリンがまだバージンだと報告を受けて愕然とするのだった。

第二部

  女帝エリは、オルロフに特務を与える。大公(グランド・デューク)キャサリンの元に常駐者として勤務するようにと(よく考える と、彼が毒に侵されたキャサ リンをどうやって見たのか、エリに詰問され処罰されなかったのが不思議だが、まあいいや。取り敢えず毒の件でオルロフがキャサリ ンに興味を持っていること にエリが気づいての配属だと思われる)。一方、キャサリンとピーターは、知人の家に招かれ、食事後部屋に鍵をかけて閉じ込められ る。ウサギじゃないぞと喚 くピーター。

 キャサリンは、友人ダシュコヴァに、愛人を持つよう提案される。それで皆ハッピーになるわよ。と。以前からなにかと相談相 手の英国大使(老人)にも愛人を持つよう提案される。この英国大使とは、お互い外国人だということで、キャサリンは色々相談する ようになった様子(父親に 風貌が似ていなくもない)。というわけで、決心したキャサリンはオルロフのところに向かうのだった。それからは毎晩のようにオル ロフがやってくるようにな る。こうして嗣子の誕生には問題が無くなったものの、キャサリンが、まだピーターとは一回も契っていないと漏らしてしまったこと から、オルロフ達近衛兵が ピーターを酔わせて眠らせ、その間に医者がピーターの局部を手術をするのだった。

 軍装のキャサリン登場。ピーターのお遊び仲間用の多分 本職は兵士ではない(恐らく兵士の仮装をした貴族の子弟)と一緒の兵隊ごっこに参加。そのお遊び閲兵式でキャプテン(大尉)に昇 進するキャサリン。ようや く欲情するピーター。涙ぐましいを通り越して嘆かわしい程の努力。

 とりあえず一回は契ったことで、エリザベータは喜ぶのだった。しかしその晩、オルロフは昇進ということでリガ(現ラトヴィアの 首都)に飛ばされるのだった。用済みなのだろう。

 長男誕生(1754年。後のパーヴェル1世)。エリは大喜で各国大使や家臣の貴族達へのお披露目式典となる。

  しかし、キャサリンは子供を一度も目にできないうちに、息子はエリによって名前が付けられ、大公に封じれ、エリの元で養育される ことになり、キャサリンは 一切会えなくなってしまうのだった。この辺りのエリの冷たさは、姑の嫁いびりという感じ。4年後。初めてパーヴェルと面会。私が 誰だかわかる?と尋ねる キャサリンに、「お母さん」と無感動に応えるパーヴェル(左中央が男装のエリ。左がキャサリン。右画像は、子馬のオモチャに乗っ てパーヴェルと遊ぶエ リ)。

  さて、子供が誕生してしまったことで、ヴォロンツォフ伯爵夫妻は陰謀計画を変更する。陰謀で結束しているからか、非常に夫婦仲が よさそうなふたり。ヴォロ ンツォフ伯爵夫妻はピーターに近づくことに決め、姪のエリザベス・ヴォロンツォフ(史実ではエリザベスは、ダシュコヴァの姉らし い)を紹介し、誘惑させる のだった。この姪のエリザベスは、叔母のヴォロンツォフ伯爵夫人さえ毒気を抜かれる程の妖婦で、あっという間にピーターを虜にす るのだが、キャサリンが不 意に訪れ、ベッドの二人に出くわしてしまう。キャサリンは怒るが、「お前が近衛兵をベッドに引っ張りこんでいることを知らないと 思っているのか!」と反撃 される。こうしてキャサリンとピーターはの決裂は決定的となる。

 そんなキャサリンに、英国大使は助言する。軍隊に友を持っておくように、と。これがその英国大使館。建物全部が大使館ではな く、大使館が入っている建物だと思うのですが、この辺りもそのうち史実を調べてみる予定。

  1756年七年戦争勃発。英国はプロシャ側であるため、英国大使は帰国することになる。大使は、それまで各国大使との賭け事(ブ リッジ外交という奴です ね)で儲けた10万リーブルをエカチェリーナ名義でロシアの銀行に残していった。恐らく、将来を見越しての投資ではないかと思わ れる。となると、大使の好 意も、単なる好意ではなく、かなり外交の部分が大きいということなのだろうが、彼は、重ねてペテルスブルク守備隊将軍を味方につ けておくよう、キャサリン にアドバイスするのだった。「君ならこの暗黒時代を終わらせることができる」とまでいうから、本気でキャサリンを気に入っていた ようではある(しかし、こ の時代のロシアは暗黒時代だったのだろうか?)。

 英国大使の助言を実践したキャサリンは、近衛将校や首都守備隊と密会を重ねるが、首都 守備隊長は逮捕され、キャサリンの手紙が発見されてしまう。女帝エリはキャサリンに出頭を命じる。皇帝一家を守ろうとしたので す、と泣いて言い訳するキャ サリン。子供にも会えず、子供な夫と結婚し、今まで皇家の為を思って頑張って来ました。切々と訴えるキャサリンについに、私が間 違っていたと謝るエリ。い つの間にやらすっかり嫁と姑ドラマとなっている感じ。

 一方、女帝エリがプロシャに戦争をしかけたのに困惑するピーターに、ヴォロンツォ フ伯爵は、これはチャンスです。フリードリヒが勝利したら、あなたは彼の友人として平和条約を結べばいいのです。もし彼が敗戦す れば、あなたは将来勝利し た軍隊の皇帝です。どっちにしてもいいことです。などと言いくるめられ、どんどん伯爵に取り込まれてゆくのだった。

 一瞬戦場に出ているフリードリヒが映り、その後臨終の床のエリを見送る一族の場面となる。

こ のあと、エリは、ああ、と大きくため息をついてご臨終になる。固まったまま見送るキャサリン。すかさず十字を切る大主教。この場 面の演出はシリアスなんだ けど、見ている方にはコメディの寸劇みたいな(高橋留美子調)コミカルな印象を与えるので画面ショットを撮りたかったのですが、 役の上とはいえご遺体を撮 るのは好きではないので、臨終直前のショットを取りました。女帝はまだご臨終ではないけど、キャサリンは喪服のような黒服なので した。

 悲しみに暮れるキャサリンが油断しているうちに、遺言を書き換えるヴォロンツォフ伯爵とピーター。遺言が読み上げられ呆然とす るキャサリン。

  即位したピーターの最初の命令は、兵の引き上げだった。もう一息でプロシャに勝利するところなのに、とヴォロンツォフ伯爵は反対 するが、われは皇帝である ぞよ、と押し切られる。ヴォロンツォフ伯爵はキャサリンの侍女を尋問し、官憲にオルロフの隠れ家を襲撃させを逮捕させるが、それ を聞いた近衛軍が蜂起する のだった。近衛兵の前で軍装し颯爽と演説するキャサリン。

 「一人の男が聖なる教会を軽視し、諸君は古き法がないがしろされるにも関わら ず、沈黙を余儀なくされてきた。新法を悲しむ諸君らは、聖なる魂と母なるロシアを沈黙を強制されてただ見ているだけで満足か?聖 なる法の勝利を沈黙を強い られて眺めているだけで満足か?ためらってはならない。今や未来を照らす十分な力がある!
    (だいぶ間を開けて)
 。。。。。。。。今日、この習慣を追い出し、法を見出し、そして真実のロシアを回復するのだ!」

 演説するキャサリンは、バスティーユ襲撃前のオスカル・フランソワに見えました。まあ、ドラマそのものが、ベルばら調の歴史ロ マンなんだけど。

  牢獄が襲撃され、オルロフが救出される(首都守備隊隊長が逮捕された後でペテルスブルクに戻ってきていて、キャサリンの見方の近 衛隊の参謀となっていたの だった)。宮殿で銃を構えて待ち構えるヴォロンツォフ伯爵の兵士の前にひとり騎乗して進み出て、「皇妃である私を撃ちなさい。今 がその時よ」と一喝する キャサリンに、伯爵配下の兵はあっさり寝返り、ピーターとヴォロンツォフ伯爵と残党兵はペテルスブルクを脱出する。
 ヴォロンツォフ伯爵側の銃兵の帽子がなんとも印象的。
 
宮殿のバルコニーで、ペテルスブルク市民(多分中小貴族:下右端画像)に歓呼で迎えられるキャサリンは、ようやく息子を抱きしめ ることができたのだった。

 プロシャへの逃亡を図るピーターを追うキャサリン軍。軍営で指揮を取るキャサリン。結構かっこいい。

  いち早く軍港クロンシュタットを抑えられ、ピーターは国外逃亡に失敗する。大主教は、ピーターが生きている限り、王冠は安全では ない、と殺害を提案し、オ ルロフがピーターを殺害するのだった。「あなたの王冠は安全を保証された」と告に来たオルロフは、「皇帝殺しだ。しばらく離れて いなければならない」」と キャサリンに別れを告げに来るのだった。こうして、キャサリンはロシア皇帝として戴冠するのだった。

〜おしまい 〜

 私としてはもう少しフリードリヒ2世の登場場面が欲しかったなーと思うものの、以前ご紹介したアンナ女帝(在1730-41 年)を描いた作品「ビバ!アンナ」と合わせ ることで、ピョートル大帝(1725年没)以降、カザリン即位まで(1763年)の40年近くにわたるロシア情勢を、映画を見な がら学べたこともあり、有用でした。

IMDbの映画紹介はこちら
ロシア歴史映画一覧表はこちら

BACK