パルティア(1)1次資料
1.ギリシャ語資料
・ アイリアノス 2世紀
・ アポロドトス
・ ポリビウス 前2世紀
・ パルティアの駅程 カラックスのイシドルス アウグストゥス代 (www.parthia.comのこちら に英訳があります)松田壽男博士古希記念出版の研究者達の論文集である「東 西文化交流史」に、山本弘道氏の翻訳「イシドロスのパルティア道里記」訳注が掲載されています。日 本語参考訳はこちら。
2.ラテン語資料
・ キケロ キリキア総督時代の手紙。カルラエ敗北後の東方属州について。
・ サルスト ルクルスのパルティア関連について3.シリア語資料
・ 「パールの歌」とトマスの伝道(トマスの伝道については、パルティア訪問部分が「 新 約聖書外典 (講談社文芸文庫) 」荒井 献 (編集)所収)
バビロニア征服前の封建制とゴンド ファール王 国について。・ 「アルベラの年代記」 (英訳はカリフォルニア大学のサーサーン学サイトで公開されています(こちら)。
・ エデッサのアブガールの伝説(「アダイのドクトリン」所収)オスロエネとエデッサの状況。
4.ユダヤ
・ マカベース
5.バビロニア語資料
・ 楔形文字のタブレットなど。
・ バビロニア天文日誌(AD60年頃まで。日本では、春田晴郎、三津間康幸氏等が 研究している)。6.中国語資料
・ 史 記 巻123大 宛列傳
・ 漢 書 巻九 十六上 西域傳第六十六上(2)2次資料
1.ギリシャ・ラテン語資料
まとまった記載があるのは、ポンペイウス・トログス、プルタルコス、タキトゥスである。
・ ポンペイウス・トログス(ユスティヌス) 「地中海世界史 (西洋古典叢書)」として京都大学出版会より邦訳あり。
・ ストラボン
・ ディオドルス・シクルス
・ ディオ・カッシウス(パルティアが登場する部分をこちらに 訳出してみました)
・ アッピアノス
・ ヨセフス (「ユダヤ戦記」「古代ユダヤ誌」の邦訳あり)・ プリニウス(「プリニウス博物誌」の全訳あり)
・ タキトゥス『年代記』
・ ユリウス・アフリカヌス
・ ポリャエヌス
・ オロシウス
・ ヘロディアヌス
・ ルキアノス「歴史をどうかくか」(岩波文庫「神々の対話」所収)で 166年のパルティア戦役記述に関する安易な歴史書の乱立批判。ウォロゲソス、オスロエスの名が登場している。
・ フィロストラス「ティアナ のアポロニウスの生涯」(京都大学学術出版会)に、アポロニウスがバビロンを訪問する話が出てくる。アポロニウスは紀元前後 の人で、フィロストラト スは2世紀の人なので、バビロンの話は、パルティア時代の状況を描いていると考えられる。当該部分は英 訳書のp79に記載がある。
2.アルメニア語資料
・ アガサンゲロス
・ モゼース・ゾレナシ
・ パウストス・ビワザンダシ
・ ラザール・パルペシ
・ エギシェ・ヴァルダペト3.イラン語資料
・ 「Ayatkar i Zareran」 アヴェスター伝説に基づく詩 。英語訳はこちら。邦訳は清水嘉隆 雑誌「オリエント」1976年19-2号「Ayādgār ī Zarērān(1)」pp53-68、雑誌「オリエント」1978年21-1号「Ayādgār ī Zarērān(2)」pp109-125
・ 「Draxt i asurig」
その他 アルタバヌス3世がスーサの執政官と市民に当てた書簡。市の選挙が有効であることを伝えたもの。
ササン朝
1.ギリシャ・ラテン語資料
・ ディオ・カッシウス パルティア滅亡とササン朝勃興についての資料を提供 (こち らに訳出してみました)
・ アテナのデキシピウス 250年以後
・ トレベリウス・ポリオ 300年頃
・ フラヴィウス・ヴォピスキウス 300年頃
・ アウレリウス・ヴィクター 300-360年
・ アンミアヌス・マルケリヌス354-378年のローマ史を記 載。ユリアヌ スのシャープール2世への遠征部分の第1級1次資料。英 訳はこちら。
・ エウナピウス 400年頃
・ エウトロピウス ユリアヌスの遠征に参加。 一次資料
・ モプスエスティアのテオドルス 428年頃没
・ キプロスのテオドレット 397-428年
・ ソクラテス・スカラスティクス 5世紀前半
・ ソゾメヌス 5世紀前半
・ ゾシムス 410年
・ プリスクス 5世紀
・ オロシウス 5世紀
・ ユーグリウス 600年頃
・ プロコピウスカワードとホスロー1世時代の1次資料。 ベリサリウスの東方遠征に従軍。
・ ペトルス・パトリキウス 外交官?の経験に基づく史書
・ アガシアス (-582年没) プロコピウスを継ぐ1次資料。クテシフォンの公文書の年代記を見ることが 出来たらしいが、内容的には伝承が多い。
・ メナンデール・プロテクター 6世紀 外交についての一次資料。
・ テオフィラクトス・シモカッタ 7世紀ササン朝の制度とバフラーム・チョーベーンの 叛乱についての資料とアルメニア人史家セベオスと協力して執筆。 しかしあまり信用できない内容が殆どらしい。
・ マララス 6世紀
・ シンセルス 810年没
・ テオファネス 817年没(英訳あり)
・ ニケフォロス
・ セドゥレヌス
・ ゾナラス
・ 「Chronicon Paschale」 (7世紀)2.アルメニア語資料
・ アガサンゲロス 「アルメニア人の歴史」
456年に独立した複数の史書をもと に編纂さ れる。 アルメニアの初期キリスト教時代の歴史だけでなく、初期ササン朝の歴史も記載。 その史書はヨハン・マミコニアンの 「聖ナルセスの生涯」、「タロ ンの歴史」に継承される。・ パ ウストス・ビウザンダシ(ファウスト・ブザンド) (5世紀前半)・ コルブのエズニック 450年頃 宗教関連420-85年の重要な特に政 治・軍事資 料を残す。英訳サイトはここ。
・ カザール・ パルペシ 504年に記す。・ エリゼー・ヴァルダペット(エ ギシュ・ワルダペト) (410-475年頃)パウストスを継承し485年まで 記載。客 観的で信頼できる。英訳サイトはここ。「ヴァルダンの歴史とアルメニア人の 戦争」 客観性を欠くが439-451年のアルメニアのゾロアスター教化についての重要な資料。・ セベオス 第1次資料。・ モーゼス・ゾレナシ 9世紀の編纂。取り扱いに注意が必要だが、地理資料として重要。ペーローズ時代から滅亡まで。特 にホス ロー2世時代の重要資料。英訳サイトはここ。
3.シリア語資料・ 「アルベラの年代記」 パルティア滅亡とササン朝勃興期について重要。
・ 「カラカー・デトセロークの年代記」ササン朝初期の歴史とキルクク地域で のゾロア スター、マニ、キリスト教の混乱について。・ 「エ デッサの年代記」 初期ササン朝のエデッサについて。
・ 「シリアのミカエルの年代記」 アンティオキアの司教ミカエル(1166-99)記載。
・ 「セールトの年代記」シリアのネストリウス派の文書。アラ ブ語で記 載。ササン朝でのキリスト教や税制度について。・ アブルファラジの年代記 上述のミカエル年代記に依拠。
・ エフェソスのヨハネスの歴史 ホスロー1世時代について。他で見れない情報がある。
・ 「登 塔者のヨシュアの年代記」第1級1次資料。ペーローズ時代から カワード 時代前半について詳細な情報を提供。邦訳を進めてい るサイトがあります。特に495年から506年のビザンツとペルシャの抗争がメインで、著者の時代にはこの戦争 を体験した人々がまだ生きていて、 直接話を聞いた著述となっているようである。・ 「グイディの無 名者の年代記」670年以降比較的すぐに記載され た。590 年-アラブの征服に至る1次資料。・ 「背教者ユリアヌスの小説」
・ テオドール・バー・コーナイ ゾロアスター、マニ、キリスト、マズダック教について。
・ ペルシャ人僧侶 イェスボクトの法律書
4.中世ペルシャ語資料
・ ササン朝の法律書「Matigan i Hazar Datastan」 (千の審判の書)難解で殆ど解読されていないらしい。 英訳 The Book of a Thousand Judgements: (A Sasanian Law-Book) (Persian Heritage Series (Zurich, Switzerland), No 39)
また、ゾロアスター教の家族法についての書籍はこちら(「千の審判の書」や「デールカント」などからの抜粋)
Studies in Zoroastrian Family Law: A Comparative Analysis (Carsten Niebuhr Institute Publications)・ 「Karnamag i Artaxer i Papagan」。英語訳はこちら。
パーパクとアルダシールについて殆ど 伝承の域 を出ないが軍事と政治制度については他で見られない情報もある。
・ザレールの回想 英雄文学。英 語訳はこちら。
・ モーパッド カルティールの碑文 。英 語訳はこちら。「伊 藤義教 ゾロアスター教論集」に全訳あり。
ナグシェ・ロ スタム碑文とナグシェ・ラジャブ碑文の日 本語参考訳はこちら。・ シャープール 1世、ナルセス碑文。 英語訳が「The History of ancient Iran」 (Richard N.Frye 著Verlag C.H.Beck社 ミュンヘン)に掲載されている。ネット上にも掲載されています。
シャープールのナクシェ・イ・ロスタム碑文の英訳はこ ちらを参照。 日 本語参考訳はこちら。
ナルセス パ イクリ碑文の英訳はこちらを参照。日 本語参考訳はこちら。
初 期の碑文一覧表はこちら。
・ 「エーラーンシャヒルの州都のカタログ」英 訳はこちら。(関連記事)。マークワートによる翻訳と註は伝 承と事実の区 別に多大な貢献をしている。
・ホスローと小姓(Xusrow ud Redak )
メアリー・ボイス「ゾロアスター教3500年」に概要説明あり。全 体の3/4の部分訳はこちら。
・ボーグタグの子ワルズミフルの回想(Ayadg-i-Wazurgmihr)
河出書房新社「世界の歴史8 -イスラム世界」伊藤義教「古代ペルシャ」、東洋文庫「カリーラとディムナ」に若干内容説明あり。
・封泥・印章史料 Rika Gyselenの『Sasanian Seals and Sealings in the A. Saeedi Collection(ACTA IRANICA)』に研究がまとめられている。
5.ペルシャ語資料・ フィルダウシー 「シャーナーメ」 10世紀。
インターネットアーカイブに英語訳が掲載されている。
英 訳第一巻はこちら。英 訳第二巻はこちら。英 訳第三巻はこちら。 英 訳第四巻はこちら。
英 訳第五巻はこちら。英 訳第六巻はこちら。英 訳第七巻はこちら。英 訳第八巻はこちら。 英 訳第九巻はこちら。
・ バルアミー 「アルタバリーの歴史」10世紀、サーマン朝宰相による翻訳。
・ 「ムズマル・アル・タワーリーク」
・ 「イブン・アル・バルキーのファールス・ナーマ」 封建制度と地理についての1級資料。
・ 「シヤール・アル・ムルク」セルジューク朝宰相ニーザム・ア ル・ムルク 著。あまり信頼できない。・ イブン・イスファンデャールのターリク・イ・タバリスターン」
タンサールの手紙を含んでいる。
・ ザヒール・アル・ディン・マルアシーのターリク・イ・タバリスターンとルーヤンとマーザンダラーン
・ ハッサン・イブン・ムハンマドのターリク・イ・クム
・ ターリク・イ・シースターン6.アラビア語資料
・ ヤアクービー 850年以後 政府や軍事関連情報
・ ジャーヒズ 869年没 「キターブ・アル・タージ」の著者 法廷儀礼関連
・ イブン・クタイバ 889年没 軍事関連
・ バラードゥーリー 892年没 アラブ征服時代についての年代記
・ ディーナワリー 895年没 他で見られない内容もあり、タバリーとも別個の資料を提供
・ タバリー 923年没 詳しくはこちらへ。
・ サーイド・イブン・バトリーク(ユーツキウス) アレクサンドリアの司教 940年没
・ マスウーディー 956没 「Muruj al dhahab」「Kitab al tanbih」の著者。
・ ハムザ・イスファーニー 961年著(関 連記事)
・ ムタハール・イブン・ターヒル・アル・マクディシー 966年著
・ タアリビー(サアリビー) 1038没。「シャーナーメ」の散文版。
・ ビールーニー 1048没
・ 「ニアーヤット・アル・イラブ」著者不明 1050頃著
・ イブン・アル・アシール
・ イブン・ミスカワイフ
・ アブルフィダー
・ フワーラズミー 「Mafatib al ulum」・ 「アノーシーラワーン伝」
7.グルジア語資料
・4 世紀
Iakob C‛urtaveli,Vita Šušanik著「 The Passion of Šušanik」・5-6世紀
Vita Children Kolay著「The Passion of the Nine Children of Kolay・7世紀
Vita Evstat‛i著「The Martyrdom of Evstat‛i
The Conversion of Kart‛li
The Primary History of K‛art‛li (date uncertain)
・8-9世紀(特に790年頃813年)
The Life of the K‛art‛velian KingsThe Life of Vaxtang Gorgasali Continuation by PseudoJuanšer Juanšeriani・9−10世紀
Vita Nino The Life of Nino Royal Lists I-III (dates uncertain)・11世紀(?)
The Life of the Successors of Mirian
8.中国語資料・ 魏 書(北魏書)巻102西域
・ 周 書 巻50異域下
・ 北 史 巻97西域
・ 梁書 武帝紀、西域伝
・ 南史 西域伝
・ 梁職貢図
・ 隋 書 巻83西域
・ 旧 唐書 巻198 西戎
・ 新 唐書 巻221 下(西域下)
クシャン朝
1.碑文
スルフ・コタル(Surkh Kotal)碑文 カニシュカ2世碑文。英 訳が 「The History of ancient Iran」 (Richard N.Frye 著Verlag C.H.Beck社 ミュンヘン)に掲載されている。Wikipediaに英訳あり。 邦訳宮本亮一『バクトリア史研究』(PDF)
ラバータク碑文
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2.その他出土資料
同上のラバータク碑文に関するサイトにその他出土資 料(「バクトリア文書」と言われる手紙、契約書など、332年から8世紀までの史料)についての解説がある(日本では、宮本亮一『バクトリア史研究』(PDF) が研究している)。